劇場公開日 2015年10月1日

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「観応えは抜群!なんだけれど…」アメリカン・ドリーマー 理想の代償 好きこそモノのヘタレなれさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0観応えは抜群!なんだけれど…

ものすごい観応えはある、のだけれどもどうにも後に残るものが少ない一本。

ひとりの成り上がり(だと思われるが、出自の描写なし)が、次なる一歩を踏み出そうとしたまさにその時。
次々と畳み掛けて迫りくるトラブルの数々。
迫る支払い期限と破産の危機、次々と狙われ襲われる自社トラック、のびる司法の手、社員の暴走、手のひらを返す銀行…
さぁ、どうする!?主人公!?

と、サスペンスとしては十二分なのだが。
いかんせんその「過程」を追うことに終始して、最後に来るはずのメッセージが希薄。
すなわち「映画的味付け」が少なかった点が、評価の分かれるところではないだろうか。
何でもかんでも感動物にすればいいというわけではないが。
俳優陣の演技が素晴らしかった分、もうひとつ「フック」があれば、もっと広く評価される作品になったのではと思う。

個人的には。
’81年という近代に、日中の大きな道路の上でタンクローリー強奪って、アメリカの野蛮さは根深いなとか。
ジェシカ・チャステイン演じる妻が、ドレスを着る度に乳がボヨヨーンとなるのはどんな魔法なんだろうか、なんてことを思ってしまった。
こんな雑念が入る時点で、自分がダメだったのかもしれない、色々と。

ともあれ、デートには決して向かない作品。

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レビューも書かない阿呆からのフォローは迷惑千万、好きこそモノのヘタレなれ