怒りのレビュー・感想・評価
全218件中、141~160件目を表示
アンガーマネージメント
キレすぎた情緒障害者にとばっちりを食った2人の身元不詳者の話、と言ってしまえば身も蓋もないが、3つの話がただの犯人捜しにならなかったのは救いだった。早い段階で「犯人は左利き」だったのでラーメンを食べるシーンで綾野剛はさっさと外れていた。それでも、取りあげられた葛藤の繊細さを思うと、殺人事件の存在がミステリーの安っぽさを意識させてもったいなかった。パンフレットで綾野剛にインタビューした質問のように作れたら秀逸だったのに、と思った。
出演女優は気の毒。歌舞伎町での宮崎あおいは二階堂ふみと間違った。広瀬すずが汚れ役とは。まだ学園ものの映画に出ているくらいなのに。せめて公開日がかぶらないようにできなかったのか。高畑充希、池脇千鶴の朝ドラ主演女優がチョイ役とは…。
様々な登場人物の怒りがデリケートに描かれていくのに、殺人犯の怒りの源泉が唐突にあらわれた「知り合い」からとくとくと語られるだけなのは残念。
広瀬すずの握った拳はどこに向かっていくのか、原作に書いてあるだろうか?読んでみよう。
いったいだれが?
だれが喜ぶんだろう。
ずっといいことなし、後味も良くないし、気分が荒ぶ。
こういう映画もあるのは分かるし、描きたいこともわかる。
ただ、後味悪い。
それだけ。
妻夫木聡と綾野剛はすごいな。
どんな役でもできるんやな。
森山未來は怪演。こんな奴が犯罪犯すんやな。ほんと。
いい悪い、おもしろいおもしろないでは計れない映画だった。
引き込まれてあっという間でした。
殺された夫婦と犯人との間に、一体どれだけの大変なことがあったのだろうと思いきや、え?たったそれだけのことで?!っていうのが、また案外リアルなのかもなあと思った。
信じきれなかった怒り、信じてしまった怒り。
どの俳優さんの演技も素晴らしかった。
東京編が特に心に残った。
あと、沖縄編の少年の、演技慣れしてない感じが、本当に沖縄のごく普通の子だったのが、ラストの衝撃にも繋がっていて良かった。いいキャスティングでしたね。
重たい、放心する
最初から最後までまとまってない感想です。まず観終わった直後はフルコース食べた気分になります。
3つのストーリーのつなぎかたもナチュラル。沖縄パートはつらかった。
デモのシーン、「して何が変わるのか、意味あるのか」というたつやのセリフ。こどもに勉強教えているとき、こどもにも「勉強して何になるのなんの意味があるの」といわれた(言われなくても感じる)事を思い出した。
3つのパート構造が共通してる気がしたけれど。「わかってくれない」というのはそれぞれキーワードだと思う。
東京パート、お互い愛おしいという気持ちが伝わってきた。男性の体、あんなに違うんやなぁ。全裸を見る事がないから新鮮な気持ちに。最後に疑って動揺して、実はひっそり亡くなっていた。疑ったことの後悔。弔いもできなかった。
千葉パート、父ちゃん、疑いが晴れたら信じる、守るいうのに、そらそうやけどそらそうやんな、でも違和感。信じるってなんや。
沖縄パートはつらい。(デモの時のセリフを引用して)怒りを表しても意味がないんでしょう と叫ぶシーン。理不尽さ、絶望感。救われる話、愛おしさ、分からない、変わらない話。とにかく見終わってぼーっとします。
えぐられる
これはすごい。ストーリーを想像してしまって、違う展開だった事に驚き=面白いという構図は最近よくある。
だけどこの作品はある程度想像通り。メッセージも然り。
なのにものすごく、面白い。
苦しい、こみ上げる何かをどこかにぶつけたくなるけど、そんなとこはどこにもないのだ。
妻夫木くんのラストにそんな絶望を感じる。
愛しい、何かを手に入れたかのような満たされたとき。宮﨑あおいのラストはそんな希望。
そして広瀬すずのラストは、、言葉に出来ません。
本当に素晴らしく、迫ってくる、圧倒的な映画でした。
沖縄が怖いって思われちゃうよ
色々思うところはあるのですが、沖縄って怖いところだって、おもってしまいました。
米兵がたむろしている近くに、公園。
その公園を見下ろす場所に建つマンションの一室では、何事もないようにピアノを練習する、こども。
公園での騒ぎに気づいたのか気づかないのか、カーテンをひく母親。
一番、腑に落ちないシーンでした。。。
えぐられる
表題「怒り」
誰の目線から見れば、そのままの言葉になるのか…。
実に様々な経緯の怒りがあり、一つには収束していかない。
渦のように、その深淵には巻き込まれていく人の儚さというか…。
その渦に抗いながらも、飲み込まれていく哀れさというか…。
その水底で、鎮座し海面を睨みつける強さというか…。
物語は難解で、とても単純な言葉で語れそうにない。
ただ、表現者たる俳優陣は軒並み素晴らしかった。
大意を理解せずとも、その刹那の感情の揺れを観察し浸透するに足る演技であった。
感服する。
元の事件の加害者。
3人の容疑者の顔を加工し合成し、誰なのかという疑惑を結構引っ張るのだか、もう中盤以降からどうでもよくなった。
犯人は誰なのかより、表題は何を示そうとしてるのか…そんな事に夢中になり、役者陣の演技に魅了されてた。
宮崎あおいの、慟哭に震えた。
鬼気迫るとは、ああいうものなのか…?
「シン・ゴジラ」なんかより「怒り」
3つの異なる場所から展開される濃厚な人間ドラマに圧倒されました。
登場人物の誰もが実際どこかに居そうだな、と思える背景。
役者全員ちょっとした仕草や表情でダイレクトに伝わってくる秘めている感情。
スクリーンに映るその景色をオブラートに包んだり、時に感情をより浸透させる様な教授の音楽含め全部素晴らしい。
他者に対する怒り、自分に対する怒り、社会に対する怒りであるとか、何を信じて何を疑えば良いのか本当に考えさせられました。
終盤、極端に怒りの集積みたいな存在に見えてくる森山未来演じる犯人役の田中は例えば「千と千尋の神隠し」に出てくるカオナシの様にも感じた。
田中の抱えたものはあまり詳しくは語られませんが、今の世の中で実は誰もが抱える感情で、その感情の行き場が無くなると田中みたいに崩壊していってしまうんではないかと。
周りを見下す事で自我を保つなんてことは誰もが実は僅かながらも持っているんではないでしょうか。
田中が書いていた怒りの一文字の意味をモヤモヤ考えてしまう。
映画のタイプは違いますが「シン・ゴジラ」なんかで議論していた人には是非とも本作を見て欲しいなと思います。見た後よっぽどあれで議論して世間が騒いでいた事がバカらしく思えますからw
ちょっとした怒りです。
わかるひとだけでいい
「わかってくれる人にだけわかってもらえればいいんだよ」という台詞がよかった。自分の気持ちを、叫んだり迎えに行ったり、尋ねてみたりいろんな方法で表して、それがきちんと伝わったときに苦しみに終わりが来るのだろうと思う。大事な人に限って一生懸命伝えてもわかってもらえないことがある。誤解されたり、引かれたり非難されることもあるけれど、わかってくれるひとが側にいてくれれば自分の気持ちを信じられるような気がする。
ミステリーとドラマと
感想を一言でいうなら「人を信じる難しさと危うさ」だろう。
そして、犯人の部屋一面の書きなぐり。
そのふたつを踏まえると実は途中で犯人は判る。
誰がこの映画で一番に酷い目にあうのか?
そして登場人物の誰々が、どこで犯人と思われる人物を疑うのか?
それが分かれば消去法で犯人は「あいつだ」と想像できる。そして必ず、それは的中する。
そうゆう意味ではかなり重いが、二度も楽しめる映画になってはいる。
ただ、この映画の最大の魅力はその「信じる」を三つのエピソードに散りばめて多彩さと奥行きをもって描写しているところだ。それが、ただ単一な感動ではなく共鳴しあうようになっている。
優馬の泣き顔も、愛子の笑顔も、泉の叫びも、「信じる」という変奏曲がひとつに重なる瞬間になっている。そこにこの映画の魅力があるといっても良い。
最後に欠点をいうとミステリーとしての題名としては『怒り』は正しいが、ドラマとしては『怒り』の題名はふさわしくないところか。
それだけが惜しい。
「観てよかった映画」と「観てほしい映画」の違い
真田十勇士とどっちか迷った。
が、今日は体力も精神力も
耐えられそうだったので
こっちにした。
結果、正解。
もし、残業明けの
レイトショーなんかで見たら
しばらく立ち直れないかもしれない。
それぐらい重い映画。
誰かに勧めたくなるような
そんな映画ではないかもしれない。
間違っても付き合い始めのカップルの
デートなんかにはオススメできない。
でも、本当に観てよかった。
そう思える映画。
5点満点にならなかった
−0.5は、エンディングの広瀬すずに
浜辺で叫ばせた演出。
「怒り」を表現させたのか
「再生」への決意を表現させたのか。
でも、あのシーンはもっと違う表現の方が
しっくり来るような気がする。
あれではあまりに、陳腐だ。
でも、広瀬すず、よかった。
単なるアイドル俳優ではないことが
遅ればせながらわかりました。
広瀬すずだけではなく、
ここ最近見た映画の中で
全ての主要キャストにハズレがなかった。
渡辺謙。
安定の渡辺謙。
ひなびた漁港のおっさん役にしては
オーラ全開だが(笑)
不思議ちゃんの娘を、
どこかで幸せにはなれないのかもしれない、
と、抱え込んでいる父親を見事に演じていた。
妻夫木聡。
この人の演技、大好き。
泣きそう。あ、泣いちゃうかも。
あー泣いちゃった、、、。っていう演技は
1番うまいと思います。
森山未來。
あまり知らなかった俳優さんだったけど
今作での存在感はピカイチだった。
自由奔放なバックパッカーの
向こう側に時折透けて見える
狂気を帯びた眼差し。
暴れて、乱れて、
前に垂らした前髪の奥に見えた
その眼光は、本当に背筋が寒くなった。
松山ケンイチ。
今作では、ストーリー上の
「騙し役」だったが
中盤の、「こいつかもしれない」と思わせる
渡辺謙さんとのやりとりは
すごいと思った。
綾野剛。
コンビニ帰りの坂道。
弁当が入ったコンビニ袋の
ポジションがなかなか決まらない。
こんな細かい演技は
彼だから自然に感じられたのかもしれない。
そして、宮崎あおい。
すごい。今作では群を抜いてすごい。
いつも父親を困らせる不思議ちゃん。
でも、自分の感じたことに正直で、
それをストレートに表現してしまう。
だから周りから浮いてしまう。
そんな自分を、自分でもわかりつつ、
明るく、不思議ちゃんで居続ける。
笑っているシーンも
泣いているシーンも
見つめているシーンも、
全ての宮崎あおいのシーンが
素晴らしかった。
物語序盤で
渡辺謙が宮崎あおいを電車で
「連れて帰る」
エンディングでは
今度は宮崎あおいが松山ケンイチを
「連れて帰る」
このシーンがなければ
この映画はただの報われない
映画になってたかもしれない。
大事なものが多すぎる。
大事なものは時とともに
減っていく。
心に響いた。
例えば
女、又、心、怒りってね ^ ^
全方向からの正義は、無いように
全方向からの悪も、無いような
そんなことを思い出した
だれかの悪意で、救われることもあったり
救いがあり、許しなのかなぁ
許しがまた、いい ♪
余計なものを無くした
こんなにシンプルな音なのに、です。
これぞ、邦画
内容はしっかりと考えながら見ていないと分からなくなってきたり、理解できなかったりする場面もあった。
しかし、これぞ邦画という感じで激しいアクションや最新のCGなどは全く無く、俳優の演技というものが全面に出ていた作品だった。
人のつながりが色濃く出たり、これが人間なんだなって部分が多くあった。
邦画もいいと思わせてくれる作品!
文句無しにいい演技!!
役者陣が全員うまい!
綾野剛見たさと、渡辺謙が出てるなら例え脚本がイマイチだったとしてもそれなりに面白いだろうな〜くらいの気持ちで原作も知らずあまり前評判などもチェックせずに映画館に足を運びました。
結果を言えば妻夫木聡に感情移入し過ぎてしまって号泣一歩手前…久しぶりに映画館で涙しました。
千葉の漁港、東京の2丁目界隈、沖縄の離島、それぞれの場所で別々のストーリーがあり、それらは終始ひとつには交わらない。
それぞれの物語の共通点は、一年前に起きた殺人事件の逃亡中の犯人のモンタージュと風貌が似ている人物が身近に現れたことと、彼らが過去を語りたがらないこと。
各々過去に影のある3人の人物と、3人を取り巻く彼らを信じたい各々の葛藤のストーリーがスイッチングされながら展開する。
信じたい、信じたくない、信じている、信じてはいけない、
人はどこまで人を信じれるのか?
信じてはいけない人を不用意に信じてしまってはいないか?
疑念を抱いた時にどうするのが最良だったのか?
信じてしまうのは善か悪か?
信じきれないのは愛が足りないのか?
信じることと愛はイコールなのか…?
渡辺謙…漁村のお父ちゃんが思っていたよりずっと上手かった。私自身が千葉県の漁師町育ちなので、その私が違和感感じないんだからやっぱり演技派なんだろうな。
宮崎あおい…発達障害で渡辺謙の娘、ちょっぴり足りない感じがよく演じられていた。この女優さんは何だかんだ演技の幅が広いですね。
松山ケンイチ…レインコート姿がかの市橋達也を思わせるし、事件のバスタブといい沖縄離島パートと相まって市橋事件のオマージュ作品なのかな…と。彼を見て思った。
原作を読みたい、もう1度映画館に見に行きたい。
綾野剛…普段は男臭い役が多いし彼自身もそんな印象なんだけど、この作品では儚げで愛おしい。新しい面を見た気がする。
妻夫木視点で見ていたからよりそう思うのかな?
妻夫木聡…ちょっと下品に言うと冒頭のプールのシーンの「雌の目」の演技にドキッとした。言い寄られるのが満更でもない感じ、とても上手い。
自分も含めて、リアルな女性を見るようでいたたまれない気持ちになった。(でもタチ)
もうその瞬間から彼の視点で感情移入してしまったんだと思う。
森山未來…彼は本当にいい役者さんになりましたね。怒りでの役は個人的にはあまり好きではないのですが、こんな役も出来るんだなというのは関心です。中盤までの役は本当に上手い。
後半はちょっと説得力が無い感じがしましたが、それも「理解し難い存在」としては上手いのかなと。
広瀬すず…この子は本当にいい女優になりそうですね、泣きのシーンは特に上手かった。
本当に今目の前で事件が起きたように感じるほどいたたまれなかった…。
すずちゃんの同級生役の男の子、彼だけがちょっと他の演技派俳優陣に負けちゃってたかなという感じ。
これやっぱり松戸の市橋事件が原案になってるのかな?
凄く考えさせられるし胸を鷲掴みにされる作品になりました。
信じるということと、疑いを持つこと、自分自身への「怒り」に向き合う話です。
他者に対して抱く「怒り」だけが犯人だったというお話。
.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽・゚+.。.:✽
1度目はキャスト以外の前情報無しで視聴、その後に原作を読んでから2度目の視聴をしてきました。
キャストもストーリーも展開もセリフも結末も、全てを知っていてもそれでも胸がギュッとして涙が出る素敵な映画。
そして初めてパンフレットを買ってみた映画にもなりました。
大切に何度も読み返したいと思います。
怒
人を信じることができるか。信じるべきなのか。信じてはならないのか。
そんなことを考えさせられる映画だった。
愛子(宮崎あおい)は田代(松山ケンイチ)を最後まで信じることができなかった。信じてあげるべきだった。
同様に、ゆうま(妻夫木聡)は直斗(綾野剛)を信じていられなかった。信じるべきだった。
しかし、泉(広瀬すず)・たつやは田中(森山未來)を信じてしまった。信じてはいけなかった。
それぞれの過ちへの怒り。信じることで救われることもあれば、信じることで全てが壊れることもある。それはどちらがいいかなど誰にもわからない。
田中が記した「怒」の文字は全員が持つ様々な怒りを表していたのだろうか。
俳優陣の演技が素晴らしくとても見応えがあった。見ている自分も、誰を信じればいいのか全員信じてもいいのか、真剣に考えてしまうような映画だった。
表情を見せる時の光と影の演出が素敵だった。
怒り
怒りの意味
宮崎あおい編
・宮崎あおい自身、付き合っている人を心こら信じる勇気がなかった、自分への怒り
渡辺謙編
・自分自身への怒り。
妻夫木編
・相手を最後まで信じることのできなかった10月自身への怒り
広瀬すず編
・変わらない世の中への怒り
・苦しんでいる人が居るなかで、何も出来ない、やらない怒り
・犯されてから知る怒り
広瀬すずの彼氏編
・何も出来ない、変わらない、自分自身への怒り
・信じていた人に裏切られた怒り
・傷ついた人の気持ちの怒り
犯人は、見る前に予想して見たので、犯人を当てることができて楽しかった。
「怒り」出演者の方々の演技が感動しました。私も、それぞれの怒りの思いを考えました。是非もう一度見たいと思っています!
普遍性な題材
『信じ切る』という一点においてテーマを絞って三つのストーリーを同時進行していく、群像劇とはちょっと違う進め方(クロスオーバーは無いが三編を結びつけるのは殺人件を追う警察)で観客に訴える作品。どんどん場面展開され、スイッチ的にシーンが入れ替わる。
これでもかという主役級の俳優達が豪華に演じているのだが、イスラエル帰りの森山未來の演技が後から糸を引くように印象を残している。ネタバレだが、結局沖縄編の森山が殺人犯人だったのだが、狂気の爆発やそのメンタルの移り変わり、感情の起伏等々が常人では理解しがたい人間として演出されている。なので正直一つも感情移入ができないし、理性的にも理解し難い。置いてきぼりを食らう程、突っ走るのだ。ピエール滝演じる刑事に語る犯人の同僚だった男の説明もかなり難解ではある。プライドが高い人間が施しを受けることの屈辱があれほどの非道を起こし、しかしそれでも普段の生活に紛れ込める事実。それはまるで二重人格の説明でしか分からないパラノイア。もう少し丁寧な説明が必要だったのだろうかと思うのは小生だけか?確かに、民宿の宿泊客の荷物をぞんざいに扱う場面から段々と狂気が見え隠れしてくるシチュエーションは恐ろしさを醸し出してきたのだが・・・ 殺人現場に残され、そして無人島の瓦礫のあばら屋の壁に彫られた『怒り』という文字。世間を信用できなくなった男の歯止めの利かぬ苛立ちは殺されることで成仏できたのだろうか・・・
他の二編は沖縄編を盛り上げる為の悲哀の物語だと推測する。ハッピーエンドとバッドエンド。最後の終わり方で人生の悲喜こもごもを上手く演出する意図なのだろう。
東京編の妻夫木聡のヤンエグのゲイの演技は興味を引かれた。勿論その世界に興味があると言うことではなく、昔のゲイの世界のムサ苦しさや汚さみたいなものがかなり排除され煌びやかなセレブ的世界を演出しているところは常識を覆される内容である。
千葉漁港編の宮崎あおいの箱ヘルの部屋でのぐったりとしたうつぶせ寝は、今までの過酷な出来事を思い起こさせるかなりエグいシチュエーションだった。
信頼とはなにか
この作品ではさまざまな怒りがあり、それぞれの物語が同時進行していく中で起こる出来事に凶悪殺人犯への疑いが生まれる。信頼していた人間への裏切り、そして信頼できなかった人からの信頼。それぞれの怒りがある中で考えさせられるものがとても多かった
ぜんぶ願いなんだ
信じたい、信じてほしい、信じたくない…
それぞれの悲痛な願い。
信じたいと思いながら遂に信じ切ることができなかった2組、潔白が証明された時の信じてやれなかった者の絶望と悲しみ。
そして信じていた者からの裏切りと、信じていたが故の怒りという対比が見事。
豪華俳優ばかりを集めた映画って好きじゃないけど、この『怒り』みなさん神がかっていた。監督さんの采配が素晴らしいのでしょう。
凄く痺れる映画だった。
うっかり家族と行ったので、綾野剛を落ち着いて見れなかったのだけが心残り。予想以上のエロスだったので隣が気になり過ぎた。笑
もう一回観るには重た過ぎるなと思ったけど、二回目は逆の視点で観れると聞いたので、原作を読んでもう一回行くか。
怒り
東京八王子で起きた殺人事件。
犯人は1年経った今も逃走中。
テレビ公開捜査で犯人のモンタージュが映し出される。
千葉、東京、沖縄…
それぞれの場所で、素性の知れない男と関わる事になる人達の人間模様。
『怒』…殺害現場に残された血文字
・東京では、妻夫木と綾野剛のゲイカップル。
・千葉では、元風俗嬢で少し発達障害のある宮崎あおいと松山ケンイチカップル。
・沖縄では、親の都合で越してきたばかりの広瀬すずとバックパッカーの森山未來。
3人の男のうち誰が犯人⁈
犯人の写真や情報は3人に良く似ていて最後まで混乱させられるが殺害動機が余りに短絡的な為、犯人は『サイコパス』である。
感情の赴くままに行動し、人を欺く事に長けている。
映画の題名である『怒り』
最愛の人を信じきれなかった自分自身に対する怒り。
自分一人の力では変える事のできない社会の風潮や偏見に対する怒り。
中でも米兵に暴行されるシーンは非常に辛い。
一緒にいた友達も助けられなかった自分に対する怒りと後悔に苛まれる。
宮崎あおい、渡辺謙、妻夫木聡、広瀬すず…
それぞれに叫び号泣するシーンは流石です。
少年はその怒りをサイコパスのバックパッカー田中にぶつけた。…手配中の殺人犯と知らずに…
彼女を傷つけ面白がるその卑劣な男を許すことは出来なかった。
信じる事は難しい。
歳を重ね、何時しか保身の為に疑う事が先立ち、口先だけの信じてるに変わってしまった。
寂しい事だが今の世の中信じてバカを見る事が多すぎる。
全218件中、141~160件目を表示