怒りのレビュー・感想・評価
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怒りの方向。
全員主役級のキャストの中、一番難しい演技を強いられたのは
前宣伝どおり広瀬すずだった。ベテラン勢の中でよく頑張った
と思うし、同級生役の佐久本宝も重要な役どころをよく演じた。
それぞれのパートに分けられた三部構成が要所要所で切り替り、
ほぼ同時進行で話は進む。若干観辛いかもしれないが緊張感は
増し、噎せ返る殺人現場から爽快な青空へ景色も次々と変わる。
観終えて思うのはタイトルの二文字なのだが、犯人の怒りより
各々が抱えた怒りの度合いの方が強い。愛した人を信じきれる
かというテーマだが、そりゃ殺人犯に酷似していれば、夫婦で
あっても親子であっても(信じたくないが)疑ってしまうものだ。
まして素性を明かさなければ疑われても仕方ないわけで、その
危うい条件の中で一体どれだけの人が相手を信じきれるだろう。
しかし本当の愛とは、何が起ころうとその人を守ることなのだ
といわれているような内容だから観客の居心地は悪くなる一方、
それぞれに考えさせる巧い手法だと思う。とはいえ、普通の顔
をした、いかにも普通の人間が突然ブチ切れて刃物を振り回す
ような事件が多発する昨今だからもっと考えなければならない。
善意を親切と受け取らず、欲求を満たすために平気で人を襲う
者がこれ以上増えていいのだろうか。怒りはそこに向けないと。
(沖縄の暴行事件の実態が描写されてゾッとした。怒りそのもの)
役者さんが素晴らしい
まず最初に、「俺の広瀬すずになんてことさせるんだーーー!!!」と言いたい。もう、CMとかみても、「可愛くてまだ女優のたまごなすずちゃん」に見えなくなってしまった。
あんなに、可愛くてピュアイメージなのに、レイプシーンさせるなんて!
しかも、リアルすぎてきつい。叫び声とかカメラワークとかがリアルさを追求してて、もう、つらい。
「海街diary」では可愛いなあ位にしか思ってなかったけど、すごい女優さんだと思い知らされた。
それにしてもよく事務所もこんなシーンOKしたなあ、なんてことも思ってしまう笑
宮崎あおいが風俗嬢ってのも意外すぎるし、渡辺謙も腹出過ぎでやばいし、綾野剛も首のエロさがはんぱないし、妻夫木くんもザ・ゲイ感、そしてあやしすぎるマツケンと、森山未来。
役者さんがみんな自分のキャラクターを余すことなく演じきってる印象がとてもよかった。
最後にたくやくんが田中の住処に来たシーンは、とにかく怖くて、たくやくん逃げて!逃げて!早く!出口は…そこしかない!やばい殺される!ああぁあぁ!、と震えた。
森山未来はさすがで、殺すのか?と見せかけて抱きしめたり、逆立ちしながら「頭に血がのぼってないとだめなんだよねー」のセリフなど狂気の演技が最強。そしてそれを受ける佐久本さん(たくや)もより恐怖を体現していて、すばらしい!
ただ難をつけるとすれば、ストーリーにまとまりが足りないこと。
3つの別々に起きてる話を1つの映画でまとめるからそりゃ難しいとは思うけど、もう少しまとまりが欲しかったと個人的には思う。特に終盤の落ちのつけかた。広瀬すずがなんか叫んで終わるってちょっと安易じゃないかなあ。
同じ監督でも「悪人」は1つのストーリーだからシンプルでまとまってて好きだったんだけど。
あと犯人は森山未来って結構すぐわかってしまうのが残念。犯行のシーンときのシルエットでだいぶわかってしまってた。
それでも、何もできない自分、信じられなかった自分への怒りや、被害者としての怒り、見下された怒り、それらを消化できず人を傷つけてしまう衝動としての怒り、色々見せられた。
見終えた後、すっきりはしないけど、よかったねと思える部分、思えない部分あり、ちょうどいいのではないか。
世の中の不条理
八王子の夫婦殺害事件の犯人が逃亡して一年後、経歴不詳の3人の男性の謎を巡り、物語は進みます。
千葉に現れた田代、東京の大西、沖縄の田中。
謎の男性側に立って新しい環境を見ると、冒頭から明らかに一人だけ周囲に違う対応を見せる者がいます。
(ネタバレのヒントになるので未鑑賞の方は、この先を読まないで下さいね。)
前者2人は、周囲が声をかけ、その生活に溶け込ませて彼らの過去を知ろうとしますが、田中は、自分を発見した泉に対し、彼女が1人で来たのかなど、積極的に質問を浴びせます。
この辺りから既に誰がホシかは見当がつくのですが、映像や演出で、後半まで謎を残して引っ張ります。
千葉も東京も、愛する人を信じきれなかったという、男性を取り巻く周囲の人々の後悔、自身への怒りが見られます。当の男性達、田代と大西は、自分ではどうすることも出来ない不幸を抱えながら、それに怒りで対抗するというより、最低限身を守るために社会を流れて生きてきた者達です。自分を信じない・受け入れない世間を恨むのではなく、むしろ自分と関わった人達に迷惑がかからないようにしたいという思慮深さや配慮すら見られます。
沖縄の田中は、社会で自力で這い上がれない悔しさを無意識に抱えて生きてきたようで、周囲の人々を根本的に見下すことで自尊心を保っています。人々に親切にされ受け入れてもらえても、地に足をつける機会が与えられたと喜ぶのではなく、見下す人間から自分は見下され、憐れまれているのだという、世間への歪んだ怒りを宿しています。彼が隠れる孤島の廃墟は、見合わない自尊心を守る彼の城なのでしょう。その証拠に、訪ねてくる泉や辰哉ら来客には、機嫌良くもてなそうとし、泉の相談に乗ってご馳走する側になる時も上機嫌です。社会に受け入れられる以前に、田中は自分自身を受け入れることが出来ていないようでした。いつまで経っても何者にもなれない自身への怒りも噴出しているのかも知れません。
八王子の主婦も、沖縄の民宿も、"no good deed goes unpunished"という諺そのものを体現しているようでした。
田中の周囲では、田代や大西とは違い、裏切られたという怒りは勿論のこと、他人を安易に信頼する無防備さや、行動に移せない己の弱さの自覚という自己嫌悪のような怒りを覚えます。田中は社会の不条理そのものであり、田中に関わった人々は、声を上げるのも躊躇われるほどの苦しみを抱えることになります。
それは、何の罪もない人々が、事故や事件に巻き込まれたり、病に苦しみ命を落としたりする不条理でもあり、沖縄の人々の「何故私達が」という理不尽に対する想いとも重なります。
逃亡犯の名字は山神。自然や神の不条理は、人智の及ばぬ所であり、理由もなく襲いかかる人生の不幸に為す術がないことへの、人間が抱いてきた静かな怒りの象徴のように思いました。
無理矢理三つの物語を一つの共通点で繋がって、そんなに悪くないと思う...
無理矢理三つの物語を一つの共通点で繋がって、そんなに悪くないと思う、幾つのシーンはすごく好きだ、最近見た日本映画の中は一番だと思う
怖い
最初の印象は怖いという感じ。山神の狂気たるや、恐怖しか感じなかった。そして、愛するのことの難しさを如実に表していた。怒という漢字の意味は明らかにはされていませんでしたが、色々な考えが浮かぶ結末だったと思います。山神を殺した学生の結末が気になります。
生理的に受け付けない。
基本的に邦画が好きじゃない自分がめずらしく映画館で見ました。しかも未読作品だからどっきどき。
うん、なんだろうか。
怒り?
いや、犯人の怒りとは笑
まず1つ目だが、基地外が止まらず人殺して生き返ると本気で信じたから風呂場ってなんかもうさ…
現実にあった事件をオマージュしているならもう少しデフォルメしてほしかった
森山未來のストーリーだけ無駄に重くて深刻な問題引っさげて結局基地外が暴れてただけでしたって…
森山未來の怒りは格差社会とかの現実に対する怒りとか言わないでね。
森山未來は広瀬すずの米兵事件のことを笑ってるからね。
現実の問題を直視したストーリーにするならばこういう部分は一貫してほしかった。
基地外を魅せるストーリーにするならば現実の事件をオマージュはしていいけども、そこに別の現実の問題を絡めてほしくなかった。
現実の被害者の方々に失礼。
2個目に、キャラ深める時間少なすぎてみんなただ1つのこういう人ってイメージで進んでるからキャラに感情移入が出来ない。
もう少し違う一面を見せたり、日常場面を入れて欲しかった。
キャラはその作中でなにか意味のあるシーンだけで成り立ってるのではなくて何気ない日常での行動によって色づくもの。
キャラにそれぞれ必要なシーンのみをポンポン入れて作った作品には深みがなく、キャラ映画にすらなれない。
ただし、演技は凄かったと思う。
本当に演技の凄さを感じたのは事実。ここは俳優の皆さん方を本当に尊敬しました。貴重な体験ありがとうございます。
3つ目に、宮崎あおいと妻夫木聡の怒りのベクトルは自分ってせっかく3つストーリー出して2つかぶってるってお前マジかよってなるよ、うん。
なんでストーリー並行物で同じ結末見なきゃいけないんですかって笑
さっきも言ったけどこの2つの話適当すぎ。
松山ケンイチはプロフィールばっかで中身無さすぎ。
綾野剛は施設育ちゲイの心臓病持ちとかネタすぎ。
現実の事件を絡めたのに残りの2つの設定が適当すぎて嫌悪感。
ただの現実の事件をオマージュして映画作りたかったオナニー映画としか思えませんでした。
なぜか引き込まれる
まず感じたのは、沖縄編には怒りというタイトルがピッタリだが、東京編と千葉編に怒りがあったのか、ということ
そんな疑問もあるのになぜか引き込まれた
東京編も千葉編も難しい恋愛でも、純粋に愛してるということが良いのだなあと感じた
沖縄編が狂っていたというか、残酷というか、怒り、という感じがすごいしたから、より一層他の場面の純愛さが際立ったと思う
東京編と千葉編の恋愛がとても良いものに思えた
三つの部分が一つ一つの映画になってもいいんじゃないかとも思ったが、やはり三つが重なってこそだなと思える
三つ部分はもっと大きく分けて話が進むのかと思っていたが、かなり重なり合っていてその進み方も面白かった
特に違う場面の時に違う場面のセリフが入ってくる所がよかった
普段音楽はあまり意識しないが、今回は有名な人と聞いていたから意識してみたところ、音楽もとても重要だなと感じた
俳優陣、好きな人ばかりで、世界観もとても好きになった
それぞれの正義
吉田修一の怒りが映画化すると聞いて、キャストが本当に僕の好みだったのでこれは原作を読んでから映画を観ようと思い、予想通り原作も素晴らしかったので、かなり期待値が高い状態で映画を鑑賞しました。
この映画、、とにかくキャストの演技が良かったのだと思います。あれだけのメンバーの中で新米の佐久本宝くんを始め、広瀬すずちゃんも本当に頑張っていたし、正直監督も彼らの演技に頼っていたところはあったと思います。小説でしか描かれない登場人物の些細な感情の変化も、きちんと伝わってきました。
音楽を坂本龍一が担当しているということでそこも抜け目ないなと楽しみにしていたのですが、肝心なシーンでの俳優たちの演技を殺さないように、控えめな演出であったのかなと思いました。
この作品のタイトル、”怒り”について考えてみたのですが、まず犯人である山神一也が壁に書いていた怒という文字、小説でも彼はかなりクレイジーな人種としてしか描かれていなかったため、その怒りという感情になにか人間的な理由はないのかなと思いました。もっと理不尽な、潜在的な怒り。
それにしても映画では彼の狂気がまざまざと描かれていましたね、、殺されるシーンもあんなにしぶといとは、、。笑
そして、愛する人を信じられなかったことを深く悔いる愛子と優馬、、田代が犯人ではなかったとき愛子が泣くシーンがありましたが、宮崎あおいの演技が凄すぎて彼女の気持ちが痛烈に伝わってきました。娘にだらしなかった父親の、情けない自己に対する怒り。
また妻夫木聡の演技がいい!!あの直人の真実を聞かされ店から出て泣くシーン、、彼の気持ちがどれだけわかってどれだけ泣けたか。彼の怒りも愛子の父親と似ているような気がしました。
そして、映画のラストシーンは、泉が海で叫ぶシーンでした。彼女は辰也に途轍もなく申し訳なさを感じていながら、自分の真実を世間に知られるのがやはり嫌であるという葛藤を抱えていましたが、映画だけを見て彼女の表情からそれを汲み取れたなら凄いと思いました。どうしようもない現実に打ちのめされた泉と辰也2人の、やるせない怒り。
全体の評価として、星4.5にした理由は、3つの物語を2時間半に収め切るのはやはり無理があるのかなぁと感じてしまったからです。ものすごくうまく製作されていたのですが、小説を読んでいると、その感は否めなかったかも。
ただ怒りという、映画は、それぞれの俳優が本当にこだわりを持って登場人物を演じているという感じがして、良かったです。それが原作だけでなく、映画まで見る意味だと思いました。
ある意味でいい映画でした。映画終わったあとは泣いて目が腫れぼったかったです。
信じることも疑うことも間違いじゃない
原作未読のまま鑑賞したため、所々取りこぼしや解釈違いがあったかもしれないけれど、私は良い映画だったと思う。
鑑賞後、多くの登場人物達の中で渦巻く「自分の力ではどうしようもできないことへの怒り」が自分にも降りかかってくる…
そんなもどかしさが残る映画(腑に落ちなかったという意味でない)。
登場人物が多いのにごちゃごちゃした印象がない。
2時間22分で3つの舞台が繰り広げられているのにも関わらず、それぞれに流れる時間の密度がそれ以上に濃く感じた。
長い映画飽きやすい方なのに引き込まれっぱなしで2時間半があっという間だった。
また3つの舞台のつなぎ方がブツ切りでなくセリフや小道具伝いで自然な切り替わり方が序盤に多くあってなるほどなぁと思った。
(愛子のイヤホンの派手な音楽→優馬がいるプールのBGM、愛子と田村がお弁当についての会話→直人がコンビニでお弁当を見てる など)
信じたいのに信じることができない、そんな人の強さと弱さによって3舞台それぞれ違った結末を迎える。
愛子はたった一人の田代を取り戻す事ができたけれど、
優馬は大切なものが多すぎて母の死に目に立ち会えず直人とも2度と会えなくなってしまう。
田代には味方になってくれた人が結果的にはできたけれど、
辰哉は味方となってくれた田中に裏切られた。
それぞれの登場人物が信じた道が、ここまでハッピーエンドとアンハッピーエンドで極端に別れてしまうとは… 千葉のストーリーが正解というわけじゃないし、誰も正解とも不正解とも言い難い。
ただ3舞台に共通して言えることは、自分あるいは大事に思う人が幸せになるためなら、世間から白い目で見られようと、人を信じることも疑うことも間違いじゃないということ。
唯一分からなかったのが、あの殺人犯は何がきっかけであんな事件を起こしたのか。
ので、いろんなレビューを見てああそういうことかと思ったのが「格差社会への憤り」。
日雇いのバイトで食いつないで行くしか生きる道がなかった犯人からしてみれば、不自由なく暮らす被害者とは住む世界が違うし嫉妬心(そんな生易しくない)しか芽生えなかったのだろうと思う。
自分が存在しているだけで誰かの怒りを買ってしまう、あるいは自分が強烈な嫉妬心を抱いてしまう可能性が、ゼロとも言い切れないのかも、と思うと格差社会怖くて仕方ない。。
一番印象に残っているのが優馬と直人がお墓について話すシーン。
優馬はごく日常的に交わす冗談みたいに話していたのかもしれないけれど直人にとっては冗談でなく割と現実味を持って話していたのだな…
死ぬのも悪くない、とか隣ならいいかなとか冗談と本気が入り混じる会話も、直人にとっては心安らぐ一時だったのだろうなと思う。優馬に出会えて…本当によかったね…
1回目の鑑賞は、3人共疑っていて犯人は誰なのかという視点で見たけれど、
2回目は疑惑をかけられていた2人はこの時何を思っていたのだろう、犯人の言葉はどこからが本心でどこからが嘘なのか
と切り口を変えて鑑賞できる。
感じ方が変わると思う!2回観ることおすすめ。
むせかえるような暑さが魅力!!
私も人生の逃亡者のようなものなので、3人の男たちに多少親近感を覚えましたし、3人のうちたまたま彼が犯人だっただけで、誰のタガが外れてもおかしくない状況をよく描いていました。日常と隣り合わせのアングラ臭とむせかえるような暑さが魅力の濃厚な映画です。広瀬すずの声を張り上げる一辺倒な演技が苦手でしたが、今回はうまくマッチしていました。友達が夜の商店街に消えたシーンは不自然すぎますし、犯人が軒先で水を貰って何故「怒り」を感じたかについてはこじつけだと思いますが、まあそれすら押し切ってしまうパワーのある映画でした。
怒り
本作は「悪人」に続き、李監督作2作目の鑑賞でしたが、監督の演出力、出演している俳優陣の迫真の演技に終始圧倒されっぱなしでした。
音楽全般も秀逸で、坂本龍一の音楽世界が、重厚な世界観に溶け込み、物語に深く潜り込んでいく効果を与えていたと思います。
ひとつの殺人事件を軸に3つのストーリーが同時に進行していく中で、犯人らしき人物たちやそれに関わる人々のドラマに、思わず目が離せなくなっていきました。
人を信じるコト、その難しさを問われた気になり、鑑賞後は「あ〜面白かった」という感想とは程遠い感覚になり、胸の奥がずっしりと重く、頭がぼーっとなりました。
人と人とが出会い、信じ合い、疑いを持ち、そして別れ、そして真実を知り、深い後悔を抱える者、裏切りに怒りを覚える者…
ネタバレですが、
正体が判明した後、いい意味でも悪い意味でも本性が初めて剥き出しになるシーンは、恐ろしく、はたまた感動で震えました。
自分は、ずーと感情を押し殺していた松ケンが、渡辺謙に声をかけられ感情を抑えきれずに涙が溢れるシーンにヤラれました…
とてもよくできた映画だと思います。 ですが見終わったあとの疲労感。...
とてもよくできた映画だと思います。
ですが見終わったあとの疲労感。
とにかくあれやこれやと考えさせられ、俳優陣が豪華なだけにリアリティのある演技で物語にのめり込まれました。
邦画で久々にいい映画見ました。
おすすめはできるかと言われるとううーん。という感じ。色んな思いが込み上がるし、考えさせられる映画なので、、単純に面白いから見てとは言えないです。
3つの話にでてくるそれぞれの男3人が1件の殺人事件の犯人かもしれない、というキーワードで最終的に話が結びつきます。
しかし、最後の最後まで誰が殺した犯人かわからず、犯人はもしやいないのでは、、とかみんな同一犯?多重人格者?なのでは、、とか犯人が誰か探しながらそれぞれのストーリーを追っていくのが面白いのですがこれが大変疲れます。笑(どの話も重く、明るい話ではないのですが、セリフ一個一個が考えさせられます)
しかし、音楽やセリフ、演出が素晴らしいです。特に周りの音を一切消して低音の重音感あるサウンドで俳優の表情や動作だけで犯人なのか!犯人じゃないのか!どっちなの!というシーン。
物語にのめりまれ、見てた人多分全員が同じこと考えさせられたんじゃないかとと思います。
良かったですが。
今日は映画の日。めっちゃ観たかった「怒り」を観た。
俳優陣の演技も凄くて、かなり引き込まれる。
『誰が、犯人なのか』
でも、舞台が東京 千葉 沖縄とリズムよく変わる。
それが、余計に引き込まれていく。
あたしが好きなのは、東京でした。
沖縄も良かったし、千葉も。
それぞれ人間くさいストーリーがあって
楽しめた。
ただ、1人で観に行くのがベストです。
あと、女性は かなり重いから苦手な人は無理かも。
あたし自身、重い気分になりました。
森山未來の異常過ぎる像に、演技力を感じました。
【大切なものは、増えるんじゃなくて、減っていくんだよ。】
涙が出ました。
でも、かなりヘビーな為「ぜひ観て」とは言えない作品です。
しかしながら、俳優女優て凄いなと思う作品。この作品をとうして人間の弱さ。見たくないから見ない。色んな人間らしさが改めて解ります。考えさせられる映画です。
凄まじい映画
とにかくすごかった。
一人一人の人物の細かい感情表現など圧巻です。
0.5下げたのは自分の個人的な感覚で女の鳴き声があまり好きではないため、宮崎あおいがぎゃーぎゃー泣いている所がすごい耳障りな気持ちになってしまったため下げてしまいました。あれはあれで本当にいいんですが、耳の機能的な問題なのか女の鳴き声が怖いんですよね...
綾野剛の少ない中の台詞にも心打たれました。
大切な物が多すぎる、本当に大切なものは減っていく。
わからない人にはいくら説明しても分からない。分かろうとしていないから。
など、台詞ひとつひとつでこんなに心打たれる映画は久々です。そんな映画を見れてよかった。
そして、低評価の人の意見を見ていると、犯人が犯人が...と...なんだか的違いな意見ばかり吐いていますが、犯人がわかるわからないとかそんな軽い映画じゃないことをわかって欲しいですね。
映画の見方は人それぞれ、好き嫌いあるでしょうけど、低評価して犯人犯人言ってる人は、この映画は犯人を探し当てるだけの映画じゃない事を感じて欲しいです。
キャストみて犯人の予想はついていた。なのに…
今人気絶頂の広瀬すずの相手役が、久々の映画出演となる森山未來だと聞いただけで、
あぁきっと森山未來が犯人だろうなー
と思って観てきました。
予想通り、彼が犯人でした。でも犯人がまだ明らかになってないとき、私は
彼は犯人じゃないかもしれない、むしろこの3人の中にはいないのでは?
と思ってしまいました。あんなに疑っていたのに。
それくらい彼の役ドコロは「いいひと」(多々怪しいところはあるけれど)として描かれていて。それがなんだか、殺人者って周りの人からはちゃんと信頼を得てフツーに生活してるのかも…ということに気づかされたようでものすごく怖くなりました。
人を信じたいけど、それってすごくリスキーだなと。
逆に、人を信じられなかったがゆえに傷付いた人達もたくさん描かれていて、、、難しいですね。
人をみる目を養わなければ!
怒り
くるしい
もう犯人どうのこうのじゃないです
原作未読でしたが、原作を我慢して良かった。引き込まれながら犯人もわからないまま見続け、疑い続け、後半の怒涛の信じる、信じない、それぞれ3つの展開に胸が苦しくなりました
役者さんたちがすごい。みんなすごい。
特に沖縄。
森山未來は本当に優しくて、かっこよくていいお兄さんから本当に救いようもない怖い人になっていた。
たつやくんを演じた子。この映画のPRには主要キャスト7人が全面に押し出されていたが実はこのたつやくんが主人公なのではないかと思うくらい、この映画の核。この子の泉を守りたいと思う気持ちと田中を信じる気持ちが強い。悲しい切ない苦しい。
そして広瀬すず。3つのそれぞれの話が明らかになった後、島に行って叫ぶシーン。思い出すだけで苦しいし、全身に鳥肌がたつ。
少しだけでてくる、刑事役の三浦さん、高畑充希もよかった、あと事件の犯人を知る取り調べされている男も不気味だった。
ずっしりくるしい、
自分と重なるところなんて何もないけど、本当にくるしかった。だけど見て良かった。
田中の登場シーン、軍の飛行機の音が大きくて、こわくて、すべて物語ってたな、と。
おもかった、おもしろかった
どこかで誰かが過ごしているような日常のシーンが殆どで、3人ともその中で出会う『昨日まで他人だった人』。
周りにいる人間は、誰にとっても最初はあんな風に『昨日まで他人だった人』で、色々な時間や出来事で距離感を縮めて信じていくしかない。
そこに、処理しきれないほどのスピードで入る情報や、疑いたくないのに怯えてしまう恐ろしい事件を知ったとき、目の前にいる人そのものより力を持ってしまう…
信頼の脆さや人の弱さをこれでもかとぶつけてくる、そんな作品でした。
それとまさか広瀬すずちゃんがあんな目に遭う役をあの若さで、これだけ売れっ子なのにすると思わなくて…ビックリしました。
当方女性ですが、うっかり1人でレイトショーで観てしまい、終わったとき一刻も早く帰りたくなりました。
夫の顔を見たとき、安堵で泣きそうになりました。
『怒り』の意味は?
予告を見て、あんなに大きく書かれた『怒』はいったい何なのか。それが知りたくて見に来たのに、その血文字の『怒り』の意味は最後まで肩透かしな感じが否めなかった。
この映画を見て確かに怒りは感じるし、それは登場人物とシンクロしたからこそ起きる怒り。でもその怒りと血文字の『怒』はシンクロしない。
それに、真犯人は思ったことを事細かにツイッターかよってほどに壁に刻んじゃうひとなのに、『怒り』だけは『怒』だけ。それにも違和感がある。しかも、あんなに大きく2度も書いている。
なのに、真犯人の怒りの答えがあれだけ?
怒りの意味が映画の真意だと思いたかったのですが、テーマは「人を信じることの難しさ」だったのでしょうか。
妻夫木さんのゲイのシーンや宮崎あおいさんの「通報した」と雨のなか泣き崩れるシーンなど、予告の制作(集客)を意識してつくったのかな?と思えるシーンがみえて少し冷めた。しかも、予告で出てきたシーンが映画の中の流れでどれも不自然。
広瀬すずのレイプシーンはどう転ぶか分からなすぎて予告でも出せなかったのかもしれませんが、ゲイのシーンといい、あそこまでリアルにする必要はあったんでしょうか。
おかげで、公園のシーンは殺意を覚えるくらい『怒り』はわきましたが。
結末として、信用されなかった2人が無実で最後まで信用された人物が犯人というのも報われない。
信用→疑念の描写とか、少年が犯人を心から信頼するまでの描写がもっとあればもっとすんなり結末を受け入れられたかも。
最後の展開が早くて疑念を消化するまえに終わってしまった感が否めない。
ただ、演者さんたちの熱演はすごい。
演技で冷めることはなく、むしろ引き込まれる。
ここまで酷評のようだが、観た後でこれほど色々思わせられる作品もなかなかない。観た人がどう感じるのか気になる作品です。これが製作者の意図だったらすごい。
人を信じることの難しさ
人を信じることの難しさ、をすごくよく描いていると思う。直人のホクロだったり田代の左利きだったり、モンタージュは2人に寄せてあるように思えた。だから観ている方も2人を疑ってしまう。深読みできる人はそんなことないかもしれないが。
沖縄の民宿のおばさんは、モンタージュと田中を見比べても「まさかね」という感じで一瞥していた。人を信じていれば、そんな小さな疑いは笑い飛ばすことができる。
どこかで人を信頼してないと、少しの疑惑が大きな疑いになる。
もしかしたら殺人犯なのかもしれない、なんて疑いをかけてしまう。
でもそれが間違いだったら?
相手を信じないということは、
優馬が直人の最期を見届けられなかったように、
愛子の前から田代が去ってしまったように、
大事なものを失ってしまう。
(愛子と愛子父がもう一度田代を信じたことで、田代は戻ってきたが。)
辰哉は田中を信じていたが、それを裏切られたことで彼を殺すという行為に至った。
信じないということも、裏切るということも、同じように大切なものを失ってしまう。
山神の殺人の動機は短絡的であるが、世の中から裏切られたように感じて起こした行動のように思う。殺人犯の心情まで理解はできないが。
信じるというのは難しい。
裏切られたら嫌だと思うからだ。
でも信じられてない方は、もっと悲しい。
簡単に人を信じられない世の中ではあるけど、せめて愛する人は信じたいと思うような、そんな映画だった。
中途半端な映画
まず、映画中盤で犯人が分かってしまう。テレビで犯人が整形をしたと伝えるニュースで、ホクロと利き腕の特徴を報道しあからさまに2人を怪しいとしてしまったので、犯人は残りの怪しまれていない1人だと特定できてしまう。(整形するとき特徴のあるホクロはとるのが普通では?)だから、いい意味で裏切られることを期待していたが、予想通りだったので「あれ?これで終わり?」としか思わなかった。
人物描写も浅く、感情移入もできず、登場人物の言動をほとんど眺めているだけになり作りとしては成功しているとはいえないだろう。だから、広瀬すずが米兵にレイプされる場面は不要で、もっと人物描写に時間を割くべきだ。
また、映画終盤で犯人の元同僚が犯人について話をする場面があるが、結局殺人の動機ははっきしないまま(あれが動機だったら今まで何人殺人を犯していることやら)でお茶を濁した感が否めない。この場面はもっと前半部分で登場させ、少しずつ犯人像を語らせ、3人の場面とうまく重ねれば誰が犯人かわからない、一級のサスペンスになったはずで、ここはもう構想ミスといってもいいだろう。
疑われていた二人が無実で、疑いを持たれてなかった一人が真犯人だったわけで、そこに価値を見出しているのかもしれないが、それなら3人の人格をほぼ同じに描写しないとならないのでは?口が重く自らを語らず内向的な人と、快活で外交的な人(いすれも表面的だが)どちらを疑うものか考えれば、ここに特別な意味を持たせるのはかなり無理がある。
後から考えたときに実に巧妙な伏線が描かれていて、「やられた!」と思えるなら・・・だけれどそれもなし。
各俳優の方は熱演されていたと思う。しかし、逆に言えばそれだけの価値しかない映画。全く期待はずれであった。
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