「俳優たちの演技には感銘も、李監督は何を描きたかったのか?未だ分からないでいる。」怒り Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
俳優たちの演技には感銘も、李監督は何を描きたかったのか?未だ分からないでいる。
李相日監督による2016年製作(142分/PG12)日本映画。配給:東宝、劇場公開日:2016年9月17日。
李相日監督が脚本も単独で担当。
最初の方、地域も登場人物も全く異なるパートが別々に進行して先行きが見えず、少々もどかしさは感じた。とは言え、驚くほど豪華な俳優陣で、彼ら彼女らの演技の力により、画面に釘付けにはされた。
オーデションでこの、沖縄で米兵に襲われる女子高生の泉役を得たという広瀬すずの先見性には感心。ある意味、映画全体の主役だった。若い彼女の理不尽なことへの怒りに基づく画面一杯に映った叫びは、彼女がきっと大丈夫であり再生できる証なのだろう。
森山未來演ずる田中信吾の造形には、ゾットさせられた。流石の演技。犯される泉を喜んで見ていて、突然キレて大暴れする夫婦2人の殺人犯。泉が好きな高校生辰哉にお前の味方だと言ってたぶらかす。彼に刺されて死ぬのも、自業自得と。
千葉編と東京編がヒトを信ずることの重要性をうたっているやに思えたが、沖縄編は何とも悲惨。2人の高校生は信吾を信じた結果、大きな裏切りを感じてしまう。盲信はダメということなのか?米軍基地の存在も踏まえて、現実の厳しさや理不尽さを突きつけたいのか?
俳優たちの素晴らしい演技には感動も、李監督の物語としての意図は、正直良く分からなかった。
監督李相日、原作吉田修一、脚本李相日、製作市川南、共同製作中村理一郎 、弓矢政法、 川村龍夫 、高橋誠 、松田陽三 、吉村治 、吉川英作、 水野道訓、 荒波修、 井戸義郎、エグゼクティブプロデューサー山内章弘、企画川村元気、プロデュース川村元気、プロデューサー
臼井真之介、ラインプロデューサー鈴木嘉弘、プロダクション統括佐藤毅、撮影笠松則通、
照明中村裕樹、録音白取貢、美術都築雄二 、坂原文子、衣装デザイン小川久美子、ヘアメイク豊川京子、編集今井剛、音楽坂本龍一、主題歌坂本龍一 feat. 2CELLOS、サウンドエフェクト北田雅也、スクリプター杉本友美、キャスティング田端利江、助監督竹田正明、音楽プロデューサー杉田寿宏。
出演
槙洋平渡辺謙、田中信吾森山未來、田代哲也松山ケンイチ、大西直人綾野剛、小宮山泉広瀬すず、南条邦久ピエール瀧、北見壮介三浦貴大、知念辰哉佐久本宝、薫高畑充希、藤田貴子原日出子、明日香池脇千鶴、槙愛子宮崎あおい、藤田優馬妻夫木聡。