「怒りの矛先と表現力で問われる人間性」怒り isikoさんの映画レビュー(感想・評価)
怒りの矛先と表現力で問われる人間性
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李監督の作品は「悪人」ぶりだった。絶対重いと分かっていたので見るまでにだいぶ時間がかかった。
原作は読んでいないので先入観なしで。正直見てて本当に辛くて、途中心が折れそうになったけどなんとか完走。
まず役者陣は本当に申し分なし!個人的には沖縄編の俳優陣の演技は特に素晴らしかった。
ストーリーに関しても本当に秀逸で、千葉、東京、沖縄それぞれが平行して進み、ちゃんと最後の犯人にたどり着くまで飽きることなく見ることができたが、むしろ情報過多で正直途中しんどかった…。(←褒めてる)
この作品全体を通して思ったことは『怒りの表現の仕方が、その人の人間力を表す最大の素養である』という事。
森山未來演じる田中は自分の怒りをモノや人にぶつけて発散していく一方で、広瀬すず演じるイズミちゃんは、悲しみや怒りの負の感情を自分の中で昇華しようとする。
他の登場人物たちもそれぞれに怒りや悲しみの感情を抱えながらその感情を爆発させたり諦めたりする姿を見ていると、知らぬ間に自分の中にもなんとも言いようのないさまざまな怒りや悲しみといった感情がどんどん沸いて渦巻いていた。
人間が持つ感情の中で一番大きなパワーを生み出すのは「怒り」の感情だといわれている。
この作品を観ながら『この力を君はどう使うのか?』と問われている気がした。私はどうにかこの大きなエネルギーに振り回されることなく、人に害を加えず、自分が幸せになるために最大限に活用する方法を考えながら生きていきたいと思う。
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