「愛する人を信じられますか?」怒り ま ど かさんの映画レビュー(感想・評価)
愛する人を信じられますか?
邦画でこんなにいい映画を見たのは久しぶりだった。
3人の男たちの話はどれも重たいテーマだし、みるのにはなかなかの体力がいる映画だが、本当に感動した。上映時間も2時間半近くと長めだが、引き込まれるため退屈と感じる時はなかった。余韻が半端ない。
八王子で起きた夫婦殺人事件。
現場には血で「怒」という文字を残し、その犯人は整形をし、今も日本のどこかを逃げている。
物語に登場する3人の前歴不詳の男たち。
その3人と関わることで、もしかしたら自分の信じた愛する人は殺人犯なのでないか………といった不安、疑い……。
この話の肝はだれが犯人かなのではなく、自分の愛する人のことを信じてあげられるかということ。
その先にあった真実……本当に心揺さぶられた。
最後、すべての真実が明らかになったときの観客のなんとも言えぬ感情みたいなのはもどかしかったり、悲しかったり…………そんな圧巻のラスト。
この映画のタイトル「怒り」
この映画の様々なところに怒りが散りばめられている。どうしようもないぶつけようのない怒り……自分に対しての怒り……どうすることもできない不条理な事に対しての怒り。
そんな色んな怒りを中心に見てみると更に深められると思う。
とにかく出てくる役者の演技力が半端ない。妻夫木聡や宮崎あおい、広瀬すずなどの言葉にしようのない感情を音無しに表情のみで表現するシーンでは私も涙してしまった。
さすが日本映画を代表する役者を揃えたなと思った。
短い文面でこの映画を語ることは出来ないけれど、大切な人がいる人……そしてそんな大切な人を信じてあげれるか不安な人……今何かに迷っている人……そんな人が見たらきっと何かを感じれる映画だと思う。
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