「芯がない」怒り yamato.tさんの映画レビュー(感想・評価)
芯がない
クリックして本文を読む
市橋容疑者をモチーフにしたり、沖縄の米軍基地や米兵の婦女暴行を描いたりと、憤りを感じる実社会の事件や問題を要素に入れた「社会」映画なのか。
それとも、人を愛したり、信じたり、裏切られたりという「人間」映画なのか。
それともそのどちらもなのか。
本当に描きたかったのは後者だったのではないか。この素晴らしいキャストで、それに撤すれば本当に名作になり得ただろう。
しかしあろうことか、社会のデリケートな問題を中途半端に「消費」し、個々人の設定を脚本を裏付けとした演技ではなく「貫禄」でごまかしたことで、常に疑問がつきまとい、全く感情移入できない。
覚えた感動は、映画の中の人物ではなく、出演者に対してであり、残ったのは、無責任な消費に対する憤り。
それがこの映画が伝えたかった怒りなのだろうか。
コメントする