「怒りのごった煮 リアルなのは沖縄だけ」怒り うみ猫さんの映画レビュー(感想・評価)
怒りのごった煮 リアルなのは沖縄だけ
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森山未來、宮崎あおい、二人の演技が素晴らしかった。東京・千葉・沖縄、それぞれの場面に転換するつなぎ目がよく、久しぶりに質の良い日本映画を観た。が、肝心のテーマである「怒り」の描き方は、正直錯綜しているように思う。沖縄にやって来た田中(森山未來)が持ち続けた「怒り」が、沖縄米軍基地への「怒り」とない交ぜになってしまい、彼が本質的に抱える「怒り」が見えにくくなり、沖縄の青年の「怒り」のほうが印象に残ってしまった。ようは沖縄の「怒り」が、本土のゲイや非正規雇用、闇金に追われる若者の「怒り」よりも切実でリアルということか。個人的な趣味だが、映画の最後にタイトルを出すのは、いかがなものか? どんなに素晴らしい作品でも押しつけがましさを感じ、興ざめしてしまうのだが。
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