「役者さんが素晴らしい」怒り ばあちさんの映画レビュー(感想・評価)
役者さんが素晴らしい
まず最初に、「俺の広瀬すずになんてことさせるんだーーー!!!」と言いたい。もう、CMとかみても、「可愛くてまだ女優のたまごなすずちゃん」に見えなくなってしまった。
あんなに、可愛くてピュアイメージなのに、レイプシーンさせるなんて!
しかも、リアルすぎてきつい。叫び声とかカメラワークとかがリアルさを追求してて、もう、つらい。
「海街diary」では可愛いなあ位にしか思ってなかったけど、すごい女優さんだと思い知らされた。
それにしてもよく事務所もこんなシーンOKしたなあ、なんてことも思ってしまう笑
宮崎あおいが風俗嬢ってのも意外すぎるし、渡辺謙も腹出過ぎでやばいし、綾野剛も首のエロさがはんぱないし、妻夫木くんもザ・ゲイ感、そしてあやしすぎるマツケンと、森山未来。
役者さんがみんな自分のキャラクターを余すことなく演じきってる印象がとてもよかった。
最後にたくやくんが田中の住処に来たシーンは、とにかく怖くて、たくやくん逃げて!逃げて!早く!出口は…そこしかない!やばい殺される!ああぁあぁ!、と震えた。
森山未来はさすがで、殺すのか?と見せかけて抱きしめたり、逆立ちしながら「頭に血がのぼってないとだめなんだよねー」のセリフなど狂気の演技が最強。そしてそれを受ける佐久本さん(たくや)もより恐怖を体現していて、すばらしい!
ただ難をつけるとすれば、ストーリーにまとまりが足りないこと。
3つの別々に起きてる話を1つの映画でまとめるからそりゃ難しいとは思うけど、もう少しまとまりが欲しかったと個人的には思う。特に終盤の落ちのつけかた。広瀬すずがなんか叫んで終わるってちょっと安易じゃないかなあ。
同じ監督でも「悪人」は1つのストーリーだからシンプルでまとまってて好きだったんだけど。
あと犯人は森山未来って結構すぐわかってしまうのが残念。犯行のシーンときのシルエットでだいぶわかってしまってた。
それでも、何もできない自分、信じられなかった自分への怒りや、被害者としての怒り、見下された怒り、それらを消化できず人を傷つけてしまう衝動としての怒り、色々見せられた。
見終えた後、すっきりはしないけど、よかったねと思える部分、思えない部分あり、ちょうどいいのではないか。