「圧巻の演技」怒り 独りよがりさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻の演技
原作が吉田修一だから、人間の業をとにかく見せつけてくれるんだろうと期待して見に行ったら、結果は期待以上。
心震えました。物語そのものも良かったけれど、それを支えた俳優陣の演技力が素晴らしく、見るものを画面から一刻も離さない。物語の最後がどこに向かうのか、全く予断を許さない中、それぞれの役者の目力に圧倒されます。
俳優自身が持つ役者としての個性が、それぞれの役割にぴったりとあっているのはキャスティングの妙と言える。監督の選定なのか、プロデューサーのそれなのかは分からないけれど、一人外してもこの映画は成り立たなかったかも、と思わせるのがすごいです。
今年は珍しく邦画を結構見てますが、文句なしにこれが一番です。ひとつ前が「君の名は」だったので、余計にそういう思いが強くなる。
そんな単純じゃないんだよね、世の中は、というか、人の心は。他人を信じることがどれだけ難しいか、そして、自分が自分に抱く悔しさがどれだけ奥深いのか、広瀬すずちゃんの最後の咆哮に涙した者はきっとたくさんいることでしょう。
あっ、君の名は、でも涙しちゃいましたけれどね。私の涙は軽いので。
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