「切なすぎる。不気味さの中で紡がれる、それぞれの人間模様の結末。」怒り 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
切なすぎる。不気味さの中で紡がれる、それぞれの人間模様の結末。
【賛否両論チェック】
賛:3つの場所を舞台に、殺人犯かも知れない男達が、周りの人々の心の支えになっていく様が印象的。犯人が分からないサスペンス要素に加え、深い人間ドラマとしても観られる。
否:真相は意外とあっけない感がある。殺害シーンや女性に乱暴するシーン等もあるので、苦手な人には向かない。
3人の怪しい男達のうちで、果たして誰が真犯人なのか。それぞれにどこか陰のある容疑者達を、松山ケンイチさん・綾野剛さん・森山未來さんが好演していらっしゃいます。全く読めない真実に、物語の背後に横たわる不気味さも相まって、ハラハラさせられる良質なサスペンスです。
同時に、登場人物達それぞれが抱える深刻な事情にスポットが当てられ、その悩みに容疑者である男達がそっと寄り添う様子も、また物語を切ないものにしています。
「自分の大切な人を信じたい・・・」
という気持ちに、真相の光が当てられた時、三者三様の物語の結末に、思わず深く考えさせられてしまいます。
思わず目を背けたくなるようなシーンもあり、勿論軽い気持ちで観られる作品ではありませんが、サスペンスとしても人間ドラマとしても重厚な1本ですので、是非ご覧になってみて下さい。
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