「圧倒された。久しぶりにガツンとくる邦画。」怒り Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒された。久しぶりにガツンとくる邦画。
…すごい映画でした。
渡辺謙、宮崎あおい、広瀬すず、森山未来、
松山ケンイチ、妻夫木聡、綾野剛。
みな主役級のスターばかりの中で、それぞれが物凄い存在感放ってます。圧倒されます。
こんなに心震えた邦画は、今までないかも。
ある残虐な殺人事件の犯人は誰か?
というのが軸になって
・漁師町の渡辺謙さんと宮崎あおいちゃん親子と松山ケンイチ
・東京の妻夫木聡と綾野剛の2人
・沖縄を舞台とした広瀬すずちゃんとその男友達と関わる森山未来の3人
3本のストーリーが同時進行。
この中に容疑者がいるわけですが、
私は最後までわからなかった。
怒りとは
犯人の心の闇だけでなく
登場人物全てが心に抱える心の闇を指しているのですね。
他人への不信感だったり
不遇や親への恨みだったり
または自分への強い嫌悪感だったり
どうしようもない無力感だったり
その描写が、ただの怒りではなく
深い悲しみを伴うものばかりで
だからこそ胸を打つ。
きっと登場人物の誰かの悲しみが、自分の悲しみとリンクするはず。
生きていれば、心の濁った部分も当然、みんなあるのですから…
謙さんはさすがの重厚感。この役が謙さんで良かった。作品に一気に迫がつく。
あおいちゃんは風変わりでとてつもなくピュアで実に危なっかしい。ベテランの域。
松山ケンイチはのっけから威圧感すごい。
妻夫木くんのラストには泣かされた。上手い。ほんとに上手い。
綾野剛のあの儚さ、何⁈ あの色気、何⁈
この人何でもできるんだな… すごい俳優だ…
森山未来もすごい。まさに鬼才。
そして最後に、すずちゃん。
すずちゃんの役柄はほんとに胸が痛む。
でも、とてもつらいけど、彼女の芯の強さを感じるラスト。何とも言えないラスト。
(沖縄、大丈夫なのか…)
すずちゃん、この映画で一歩オトナになりました。
支離滅裂ですみません。
邦画に少し偏見のある私なんですが
今回だけは参りました!
これはすごい映画。ぜひ映画館で。
最近の米軍兵士のコロナのニュース。
敗戦以来のアメリカ従属の日本の現実が如実に現れています。この映画のすずちゃんの救われなさが思い出されました。
本当に痛ましいし、悲しいです。