「「怒り」を完全に消化できず、重さがバランス悪く残る。」怒り ゆうきさんの映画レビュー(感想・評価)
「怒り」を完全に消化できず、重さがバランス悪く残る。
うーーーん、重かった(笑)
重いのはわりと大丈夫だけど、なんだろうな、
完成度の悪さでしょうね、きっと。
重いわりに感動が少ない。
評価は高いけど、恐らくこれは
小説の方が良かったでしょうね。
この映画のテーマは
「 疑心暗鬼 」
人はどうやって人を信じるのか、信じられるのか。
不安を掛け合わせて生まれる、疑心暗鬼を生ずる。
人間の不安定な心。
だけど信じたことによって狂う、人生の歯車もある。
はかりきれない人間の、心と心の、すれ違い。
ある指名手配中の殺人犯を追いながら
三部に分かれてストーリーが展開していくの。
これは、ひとつずつ。
見たかったなぁ丁寧に。
だから重いわりに、ほとんど中途半端で
消化をすることが出来なかったんだよ。
しかし妻夫木くんは演技が上手いね、ほんと。
Sぷりのドキドキゾクゾクが伝わってきました。
綾野剛くんのMぷりは、だんだん見慣れてきた。
2人のゲイのシーンは、見事に思い切っている。
そして個人的には一番切なかったストーリーです。
そして宮﨑あおいちゃんも、素晴らしかった。
少し役作りのためにふっくらしたかな?
その方が可愛い。
レビューにこの役は
宮﨑あおいには荷が重すぎたのでは?
という意見もあったけど、
そんなことは全然なかったと思う。
で、松山ケンイチくん。
こないだ役作りで太りまくってたのに
これまたスッキリして「ノルウェイの森」の頃の
初々しい彼を思い出すぐらいカッコ良かった。
役者さんって凄いですね。
で、個人的には
絶賛をされていた広瀬すずちゃんが
唯一キャスティングミスだったのではないかと…
思ったり(;'∀')するのは…私だけ???
確かに頑張っていたとは思うけど
泉という女の子の役は
もう少し儚げであってほしかった。
守ってあげたい儚さをイメージさせながら
そこから想像ができないくらいの破壊に近い
「怒り」を表出、表現ができる演技が見たかった。
そんな女の子をキャスティングにすると
もっとストーリーが活きてきたのになぁ。
〇〇事件に合う前と、合ってしまった後は
想像を絶するほど、それまでの人生が狂うはずなのに。
その演技に大した差がないように見えてしまった。
広瀬すずちゃんの演技力の乏しさが目立ったと思う。
でも沖縄の声とも言えるシーンは辛かった。
現状を生々しく理解を寄せるシーンでしたね。
一押しは、ほぼ無名である
若手の佐久本宝くんですね。
ヌボーットした新鮮な演技から、
ジワジワと怒りを表出していく。
あの場面には森山未來を食っていく
彼の役への陶酔が心から伝わってきました。