「人を信じるということ。」怒り mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
人を信じるということ。
吉田修一の原作が出版されたときから注目していて、ボヤボヤしているうちに、李相日監督が映画化すると発表され、文庫化となり、読み始めたらキャストが発表された。
原作は非常に素晴らしかった。ただ映画にするには難しい題材であるとは感じていた。
そして出来上がった作品は、原作の精神を微塵も変えることなく目の前に提示された。
人を信じることがいかに難しいか。
愛子(宮﨑あおい)の慟哭、優馬(妻夫木聡)の涙がそのことを物語っている。
そして泉(広瀬すず)の怒り。
物語もさることながら、映像も美しく、李相日の映画作家としてのひとつの到達点かもしれない。
役者陣は先にあげた3人がよかった。もちろんみんなよかった。
力のある原作と、それにみあう才能が結集すれば、力のある作品ができる。
日本映画のひとつの目指す道である。
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