「いろんな人のいろんな怒り」怒り ペンペンさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな人のいろんな怒り
一家殺人事件の容疑者と同じ特徴をもつ3人の男たちにまつわる群像劇。誰が犯人か分からないため、観客は終始疑いの目で3人を見る事を強いられる。疑いの目で見ると、どいつも怪しく危険に見えてくる。登場人物達と同じく、人を信じることの難しさを体感できるだろう。
タイトルの通り「怒り」がテーマだが、怒りといっても色々ある。静かな怒り、激しい怒り、悲しい怒り、憎い怒り、他者への怒り、自分への怒り、社会への怒り。この映画には様々な怒りが出てくる。
他者の怒りは想像はできても理解はできない。怒りという感情一つとっても理解できないのに、他者を理解するなんてのはもはや不可能だろう。だからこそ、信じたい信じられたいと思うのかもしれない。
千葉の寂れた漁港と、息をのむほど美しい沖縄の海の対比もよかったです。冒頭から見る者を惹きつける力を感じ、開始5分くらいでこの映画絶対面白いだろうと思いました。豪華俳優陣の文字どおり体を張った演技も必見です。
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