ステーキ・レボリューションのレビュー・感想・評価
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オール海原雄山
ドキュメンタリー映画というのはNHK で観るモノと何となく自分で縛っていたが、食事の話という内容ならば、興味が湧いてきたので期待を込めて観賞。
『牛肉』という日本でも度メジャーな食材のみにフォーカスした作品に、どんな社会的な訴えを問い掛けてくれるのか、元々実家が焼肉屋だったので避けては通れない映画なのである。
粗筋というかドキュメントなので、強いストーリー製はないのだが、フランスの畜産農家の父ちゃんが、自国の牛肉の品質レベルに疑問を抱き、世界の牛肉の生産及び料理(特にステーキ)方法を直に見学に廻るという話である。まぁ正統的な構成であり、尚且つ、そのステーキ店の順位付けも同時に進めている点も興味深い。
料理人ではないから素材が勝負のステーキが分かりやすかったのであろう。
ニューヨーク、スコットランド、イギリス、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、日本、スェーデン、イタリア、スペイン、勿論自国フランスも現状紹介しながら旅を続けていく。
色々な国を見てきた中で、畜舎で育てるのではなく放牧、そして100%牧草ではなく、ある一定の穀物しかしその穀物は自身の放牧場で栽培した例えば豆類等、自立循環型の生産スタイルを確立していくという方向が望ましいと言うことを結論つけて映画は終わる。
エコロジーを最大限に謳った内容のフランス人が好きそうなものに仕上がってはいるが、しかし、その国毎の問題点を指摘しそれを解決していくように、クリアになった国を訪れていくみたいな筋書きになっていてそこは秀逸と感じた。
それにしてもどの国の畜産家も同じ様な感じだが、とにかく自分のやっていることに過剰なまでの自信を持って仕事を行っているのが日本人としてはなんだか胸焼けした様な漢字を覚えた。はっきりいって『謙虚』さが足りないのは、外国人だから仕方ないのか・・・
日本のシーンでの有名鉄板焼店のシーンが普段あまりかからないBGMが時代劇の音楽っぽくてステレオタイプを感じたがw フランス人はこれも武士道って感じるのだろうか。
全体的な感想としては、現在のTPPに絡めた世界の食材思考みたいなものを整理立てて紹介している内容で充分勉強になりましたということである。ドキュメンタリーなので、それ以上の心の揺さぶりはないのだが。戦争物でもないので(ある意味、各国の食材戦争かもしれないが)感動というものはない。
牛肉を出してる店で蘊蓄をたれるには丁度良い内容の映画かと思う。演出が淡泊なのが却って好感が持てて良いのではないだろうか。
紹介できない位のトリビアが散りばめられていて、知的なところを擽られる映画である。
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