「言葉とは言の葉」心が叫びたがってるんだ。(2015) p-antaさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉とは言の葉
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作品のあちこちにちりばめられるナイフの様な言葉の数々。意図せずとも人の心をえぐり傷つける。
この物語は幼い頃に自分の言葉が原因で人を傷つけてしまった少女の後悔と再生のお話。
幼子の言葉は鋭いナイフの様に尖っている。文字通り歯に衣着せぬ物言いもそうだが、無知であるが故の放言。結果、それにより順の家族は崩壊してしまう。物語の骨子となる部分なので仕方ないとは思うが、もう少し丁寧に描いてほしい気はした。いくらテンパっていても自分の娘にあのような言葉は掛けない。その辺に違和感というより不快感を感じた。
時は流れ高校生になった順。相変わらず自ら掛けた呪縛により喋ることが出来ない。この辺りも違和感ありまくりだったのだが、スルーすることとした。
喋れなくても歌は歌えるという設定もご都合主義全開でちょっとな、と思いつつもかろうじて観続けることが出来た。この辺はこの作品の作品力なのか?
野球部のエピソードも言葉の刃を否応なく見せる。出し物の協議をするホームルーム、その他の場面でもこれでもかと言うほど端々に言葉を扱う場面が描かれる。鑑賞しながらこれほどまでに言葉の暴力というモノは残酷なのものなのかと自問しつつ・・・
ミュージカルの作中劇は良いできだと思う。順の登場シーンでは鳥肌が立った。最後の曲、二つの曲の合唱もすばらしいできだ。
全体としてみた場合、そつなく出来た優等生という印象。
ただ、スタッフロールの曲は最悪。アレしかなかったのか?アレさえなければ最高だったのだが・・・
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