「幼い頃に自分の言葉がきっかけで家族がバラバラにしてしまったと罪の意...」心が叫びたがってるんだ。(2015) よねさんの映画レビュー(感想・評価)
幼い頃に自分の言葉がきっかけで家族がバラバラにしてしまったと罪の意...
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幼い頃に自分の言葉がきっかけで家族がバラバラにしてしまったと罪の意識に苛まれて誰とも話すことができなくなった順は担任の音楽教師の一存で秩父市恒例の「地域ふれあい交流会」の実行委員に選ばれてしまう。同じく委員に選ばれたのはチアリーダーの菜月、野球部の大樹、DTM研究会の拓実。4人は順が考えたオリジナルストーリーのミュージカルを体育館で上演することになり、歌うことでなら自分を表現できるかも知れないと勇気を振り絞って主役に立候補した順は、実行委員の4人それぞれに人に話せなかった心の傷を持っていることを知る。
一見全く接点のない4人の高校生がぶつかり合いながら心を通わせていく秩父版『ブレックファスト・クラブ』。固く閉ざされた少女の心をピアノの旋律が少しずつ解きほぐし、言葉に傷つき、傷つけた人々が暗がりの中で歌を通じて心を再生していく様子を見つめる視点がとても優しげで、冒頭の悲しい過去から劇中劇『青春の向こう脛』のクライマックスまで頬を絶えず涙が流れ続けていました。傷だらけなのにどこまでも美しい大傑作に惜しみない拍手を捧げたいです。
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