「良くも悪くも青春物語」心が叫びたがってるんだ。(2015) 絶滅危惧種さんの映画レビュー(感想・評価)
良くも悪くも青春物語
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ドラマ版「あの花」も放送されて、再度注目を集めている中放映された長井龍雪監督の新作「心が叫びたがっているんだ。」
見終えた後の感想ですが、青春らしいアクティブな学生たちの様子、主人公達の揺れ動く心情描写は、とらドラ!、あの花、から変わらず素晴らしい所でした。セリフで全てを語ろうとはせず、キャラクターの体の一部や動きで心情を想像させる演出が事細かに散りばめられているのは好きな所です。
メインヒロインの成瀬さんは、父親の不倫現場を幼いあまりうっかり喋ってしまい、それが原因で家庭崩壊に至ってしまった過去を持つ少女、それを機に喋る事が出来なくなる。
成瀬さんの言葉に出したいけど、出すことの出来ない挙動、華奢な身体から捻り出す微かな言葉が同情を誘う。
しかし、星3つの評価であるのは、
終盤のくだりが消化しきれない所。序盤、中盤までは、バラバラだったクラスが一つにまとまっていく様子が心地よい展開だったのですが、
集大成のアクシデントとして不可解な痴情の縺れを入れてきたところが「?」でした。本当に、アクシデントがこれでなければならなかったのか?と思うほど、この痴情の縺れのせいで登場人物の殆どを嫌いになってしまい、共感もここで冷めてしまいました。
それと、せっかくのミュージカルが途切れ途切れで見れなかったところ、ここはいただけませんでした。
深夜アニメのビックネームスタッフ陣でもこんなものかと少し落胆した新作「心が叫びたがっているんだ。」です。
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