劇場公開日 2015年9月19日

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「歳をとった自分に気づいた。」心が叫びたがってるんだ。(2015) az69azさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0歳をとった自分に気づいた。

2015年9月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

「悲しい」とは違うが、哀しかった。
埼玉西部地域や北関東を思わせる風景。過疎化と高齢化が普通になっている舞台背景が辛い。こんな場所で生まれ育った子供は、せめて大人の事情で傷つくことなく純朴な大人になって欲しいものだが、今どき本作の登場人物みたいな経緯やトラウマを抱える中高生がクラスに1~2人もいるのだろうか。そうであれば、あまりに哀しい。
一方、自身の半生を顧みると、たとえ子供を傷つけなくても、子供に夢を見せられずに現役を終わりつつある状況が悔しい。そして、今や子供達を見守る事しか出来ない爺婆の立場・心境に感情移入していることに気づく。今や、作品に登場する高校生達の親よりも歳をとり、彼らの爺婆の歳に近づいている。この寂寥感と、作品に描かれる風景や光景の断片が、哀しさにつながったのかも知れない。
この作品のような展開は現実なら出来すぎかも知れないが、若い人達には、この作品を観て素直に感動することも含めて、今後の心の支えになる良い思い出を、たくさん積み重ねて欲しいと願う。

az69az