「アニメもよかったけど実写もよい」図書館戦争 THE LAST MISSION かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメもよかったけど実写もよい
有川浩の同名小説の実写化。
映像化されてない?原作のネタバレもありますので未読の方はご注意を。
【ストーリー】
かつて自分の本を守ってくれた図書隊員に憧れて、武蔵野図書館のタスクフォースに入隊した主人公・笠原郁(榮倉奈々)。
何かとやかましい直属の上司・堂上(ひらパーお兄さん)が、その人である事を知ってしまった。
顔もおぼえてなかったくせに、恋した相手が自分の厳しい上司と知ってうろたえる郁。
どうにかデートに漕ぎつけるも、今までの衝突もあってどちらも素直になれない。
中学生の恋愛みたいなウブな二人を、ひとまず見守ることにした小牧や柴崎だが、彼らの守る図書館に、またもやメディア良化法や麾下の戦闘部隊、良化特務機関が血まみれの手をのばす。
図書館戦争です。
デビュー作『塩の街』から虚実入り混じる世界観を舞台に、とっつきやすいキャラクターとミリタリー要素と甘めのラブストーリーを絡めて書いてきた有川浩。
その三つが見事なマリアージュを見せたのが、この図書館戦争シリーズです。
原作では本編ラストでくっついた二人が、半同棲から結婚までいたるエピソードも書かれていて、その流れが実に有川浩。
ちなみにマリアージュは結婚という意味。
絡めてますよ皆さん。
残念ながら実写版には出演しない稲嶺司令、そのモデルは俳優の児玉清。
相当な読書家で、原書を読むために英語まで学んだ勉強家でした。
有川ひろ作品の『阪急電車』の解説文も担当しており、当作のファンでもあったとか。
残念ながら一作目の撮影前に亡くなられており、同職には後継の仁科司令として石坂浩二がキャスティングされております。
これは、作者による児玉清へのリスペクトの表明とのこと。
児玉清演じる稲嶺を、誰よりも見たかったのは作者自身だったのでしょう。
見どころの一つは原作通りにちびっこの岡田准一アクション。
武術家でもあり、何をやらせても体幹のブレない体の使い方は国内アクションスターでもぶっちぎりの一級品です。
本好き物語好きにとっては敵でしかない検閲行為と戦う彼らの活躍を、堂上楽しんでくださいなんつってな。
文章内に一部つまらないダジャレが混ざり込んだこと、心から謝罪します。
ですがあらゆる検閲はこれを受けつけませぬ事を、ここに宣言します。
どうじょ、の言葉通り楽しみました。たしかにこの映画、岡田さん(准一)なしでは俺にとってこんな魅力的には映らなかったかも。今でこそ、岡田准一=アクションは当たり前だけれど、この頃はまだ「この人アクションも上手なんだなあ」とか思ってましたからね。