みんなの学校のレビュー・感想・評価
全2件を表示
本物の一瞬の積み重ね
校長先生が仰っていた『ほんまもんのこの一瞬』が日々積み重ねられ、上手くいく一瞬も、上手くいかない一瞬も、その中でみんなが学んでいるのが、みんなで作るみんなの学校だ。
その一瞬は、どの学校にもあるだろう。
その一瞬の点を、どう繋げていくかは、社会の真価が問われるところだ。
その一瞬一瞬を繋げる実践を、地域を巻き込みながら、一つの学校を単位として継続し、理想を現実化している姿を公開していただいた『みんなの学校』の在校生、卒業生、教職員、関係者の皆さん、地域の方々に、敬意と感謝を申し上げたい。
全員で見落とさない。
私が観たのも名画座だったが全国で上映会が続いているらしい。
思うにこの作品を(前にも他作品で書いたけど)、道徳の時間に
子供達に見せたらどうだ、と思う。映画好きや親が料金を払い
観るのも結構だが、小学校に通う子供達がこういう学校をどう
思うか、自分も通いたいと思うか、貴方の両親なら何というか
ちょっと聞いてみたい。問題のある子も特別支援が必要な子も
同じクラスで皆一緒の時間を過ごす。問題を起こして学校から
逃げようとする子を宥める子供も、手を貸す子供も、この学校
のコンセプトである校長先生の理念に従い、全員で即行動する。
さらに保護者や近隣住民も揃って学校に協力する。つまり地域
全員で子供達を見守っているのだ。そしてそれは反抗や暴力を
繰り返す子供に対しても平等である。皆が通える学校でなければ
公立学校の意味がないと校長先生は繰り返す。まったくその通り。
当たり前のことなのに目から鱗なのは、今の学校が、あまりにも
その教育理念からかけ離れてしまっているからだという気がした。
大空小学校に転入してくる子供達は、他校で上手くいかないとか
受け入れてもらえなかった、という子が多いようだが、それって
緊急搬送される患者をたらい回しにする救急病院のようなものだ。
面倒なのを受け入れてもし何かあったら訴えられちゃうから。と
いう姿勢が効率よく運営するための最重要課題のように聞こえる。
他校から転入してきたのは生徒ばかりでなく教師も同じで、最初
ビックリしている様子や徐々に慣れていく姿が子供たちと重なる。
みんなで学校をよりよいものにしよう。というスタイルが、時に
笑いを誘い、感動を呼び、苦悩を招き、失敗を繰り返し、何度も
何度も考えて考えて、子供たちも一つの答えを出す。その過程は
校長先生を初め校内を伝達する形で繋がって誰一人見落とさない。
これらを可能にする先生方の大変さがイヤというほど味わえるが、
どの先生も前向きで常に子供達を意識している姿が印象的だった。
(これなら不登校もゼロになるのが分かる。大人も学べる学校だな)
全2件を表示