「創り手の独りよがり」白河夜船 シーナマサヨシさんの映画レビュー(感想・評価)
創り手の独りよがり
「白河夜船」残念ながら「映画」ではなかった。
映画において、カメラは、スクリーンは「窓」でなくてはならない。
その「物語」を「一番良く見える窓」から見つめさせ体感させてくれるのが「映画」だと思っている。
けれど、この作品の「物語」と「こちら側」の間にあったのは「窓」ではなく「撮影する者の目」だった。
特に手持ちカメラでの撮影は、カメラは「こちら側の目」でなくてはならない。「撮影する者の目」が見たものを、「こちら側」に見せるとしたら、それは「映画」ではない。
「撮影する者」の見たいものを「こちら側」に見せることは、創り手のマスターベーションだ。
原作を、井浦新と安藤サクラという才能を創り手が浪費した「綺麗な映像」でしかなかった。
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