「ドイツ版『めまい』を期待しましたが・・・」あの日のように抱きしめて りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
ドイツ版『めまい』を期待しましたが・・・
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おぉぉ、これはヒッチコックの『めまい』のヴァリエーションではありますまいか!
なんともソソラレるハナシだ。
自動車で夜の国境を超えようとするネリーとレネのオープニングシーンから雰囲気があってゾクゾクする。
しかし・・・
うーむ、途中からどうもハナシがうまくない。
こちらが『めまい』の変型だと思っているからかもしれないが、再会してからのふたりの関係性があまり変化しないのだ。
実は生きていたことをジョニーにわからせたいネリー。
そして、裏切り者でなかったことを信じたいネリー。
それに対して、ジョニーがほとんとボンクラにしか見えないのが致命的。
筆跡や立ち居振る舞いが「死んだはずのネリー」に似ているにも関わらず、一向に訝しくも思わないし、かといって「死んだはずのネリー」に近づけようとする努力も描写がおざなり。
まぁ、『めまい』のように、「死んだはずのネリー」に似た女にどんどん憑りつかれていくような官能性は、この映画では不要なのかもしれないが。
なので、切ない衝撃的なラストが活きてこない。
せっかくの甘美な曲「スウィート・ロウ」も、その魅力が半減。
致命的なのは、「死んだはずのネリー」に似せて美しく着飾っていくネリーが、全然美しくないこと。
これは、個人的な好みかもしれませんが・・・
ということで、少々期待外れ。
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