「ラスト軽く戦慄」彼は秘密の女ともだち Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト軽く戦慄
クレールとローラは子供の頃からの親友。ローラが亡くなって「私がローラの子どもと旦那を見守る!」とクレールが決意するところから始まんの。
そんでローラの家に様子を見に行ったら旦那のダヴィッドが女装しててびっくり!ってなんのよ。
「ダヴィッドは女装することで自分を癒やしてるんだなあ」という感じで、それをクレールは始め拒絶するんだけど、徐々に受け容れてくんだあと思って観てたのね。クレールが受け容れるのに合わせて、観客も性的マイノリティーを受け容れてく感じで。
でも途中で気が付くんだけど、ダヴィッドの女装によってクレールも癒やされてんの。クレールは女装したダヴィッドにローラを見てんだよ。
どうもクレールは気付かないうちにローラに恋心を抱いてた感じなんだね。それで女装するダヴィッドを受け容れるのに合わせて、自分のその気持ちも受け容れたんじゃないかな。
でもダヴィッドとベッドを共にしそうになるところで、いいところまでいくんだけど「あなたは男だもの!」と一線を越えられない。(それが契機でダヴィッドが交通事故にあったりですったもんだ。)
「7年後」のテロップのあとにラストシーンがくるんだけど、ダヴィッドとクレールが仲良さそうに手をつないで、学校に娘を迎えにくんの。ダヴィッドは普通に女装してて、クレールは妊娠してて。「これは、どういうこと?」ってちょっと固まったな。
1) クレールは自分の気持ちに気付き、もとの旦那と別れてダヴィッドと再婚した。そして一線を越えられるようになり、ダヴィッドの子供を妊娠した
2) クレールは自分の気持ちに気付いたけど、もとの旦那のもとに留まった。ダヴィッドとは良い関係を保つものの、もとの旦那の子供を妊娠した
ってどっちとも取れるんだよね。
作品通じてクレール可愛かったなあ。自分に正直なときは良い表情で可愛いの。正直じゃないときは、冴えない表情になってて、可愛さ今一つ。この辺を台詞に頼らず演技でやれるって、やっぱりフランスの女優さんはうまいと思ったなあ。
ラストシーンはメイクもビシッと決まって、すごい可愛いのね。だから多分ダヴィッドの妻になったんだと思うよ。しかしそうだとすると、クレールの旦那いい迷惑だよね。いい人だったのに。
あとローラとクレールの子供の頃からこれまでを紹介するくだりがあるんだけど、これがセリフ一切なしで、それでも関係性がちゃんと解るっていう、すごい作りだった。
それとクレールが突然脱ぐのね。「え、ここで?」って感じでヌードやベッドシーンが入るんだけど、心と身体の話だから、あそこであのシーンは必要なんだな。
クレールを演じたアナイス・ドゥムースティエは可愛かったなあ。演技もうまいし、肢体も可愛い。
感じがちょっとミア・ワシコウスカに似てると思った。僕はこれ系の顔が好きなんだな。