アリスのままでのレビュー・感想・評価
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ジュリアン・ムーアを見つめる作品。
遺伝性(家族型)の若年性アルツハイマーを描いた作品。
言語学者が、言葉を、自分を忘れていく恐怖。
アリスの若年性アルツハイマーは遺伝性で、娘の一人に陽性反応がでます。
陽性反応が出たということは、100%発症するということです。
双子を産む陽性の娘は、どんな心境なのだろうか……?
描写はありません。
三人の子供はみんな良い子で協力的で、夫(アレック・ボールドウィン)も抱擁力があって裕福、家族の苦悩や介護の大変さは描かれないので、本作は主役のジュリアン・ムーアの演技を見つめなさい!映画だと思います。
ほら、ジョディ・フォスターの「ネル」的な映画です(私はこの作品から、ジョディフォスターの演技が鼻につくようになりました)
でもジュリアン・ムーアは本当に美しかった。
意識レベルが低下して、どこか別世界を漂うアリスの演技は、ジョディと違って(すみません)、自然で何も誇張せず、けれど丁寧で繊細で、観終わってもずっと心に残ります。
原題が「Still Alice」です。
言葉を記憶を失っても、それでもまだ「アリス」なんだ。変わらないんだっていう、中盤のアリスの感動的なスピーチに繋がる強い意志のあるタイトルです。
レリゴーに影響されたような邦題「アリスのままで(いたい)」が生む弱さ、残念過ぎます。
PS 二人の娘は、一人がクリステン・スチュワート 、もう一人が身体能力が高い「ブルー・クラッシュ」のケイト・ボスワースです。
ケイトの落ち着きっぷりに、びっくりしました!
アリスの介護。
怖い。いつ自分の身に降りかかってくるかもしれない病気だと
思えば思うほどに怖い。感動とか号泣とかそういう類ではない。
若年性アルツハイマーを描いた作品で今でも忘れられないのは
渡辺謙の「明日の記憶」なのだが、エリートサラリーマンが次々
と記憶を失っていく様子を克明に描き、それを懸命にサポート
する妻の奮闘と最後の二人の会話が衝撃に溢れていて辛かった。
今回更に驚いたのはこの病気が遺伝性であるということである。
今作ではエリート一家内で最も母親と親密な関係だった長女が、
陽性と診断される。長女は妊娠中だったため更に動揺が深まり、
てっきり長女かと思われた母親の世話は幾度も衝突を繰り返す
次女が受け持つこととなる。これまたリアル。実際の家庭でも
てっきり跡を継ぐかと思われた子供は離れていき、意外な子が
跡を継いだりする展開に親子で慄くというのはよくあることだ。
主人公アリスの記憶が失われていく過程がリアルで、ドラマ性
よりも淡々と進行していく変化がアリスの表情や体力に伺える。
本人すら意識しなかったほどの些細な物忘れが、病院の検査で
明らかにその兆候が見られると診断されてしまう恐怖ときたら
一溜まりもない!先生の質問に私もついつい挑戦してしまった。
そして何より肝心なのは、経済力と家族のサポートなくしては、
この病を乗り切ることはできないということだ。あんな別荘の
ような住まいで介護生活を送れることなど万人向けではないし、
独り身だったら誰に世話を頼んだのだろう、その際の費用は?
と色々気になる。その演出力よりも、J・ムーアの熱演よりも、
結局そこが気になってしまうのは、もう自身の親が介護生活に
なるかもしれない年齢に達していることもあるのだと痛感する。
知的な言語学者だったアリスだからこそ、自身と周囲の今後を
案じて遺したファイルを、記憶を失った自分が開こうとする際、
何度も階段を行き来する姿に(しかも嬉しそうに)こうなるのかと
思い知らされた。しかし講演で彼女が蛍光ペンを片手に話す姿は
立派で美しいと感じた。周囲の記憶に残るアリスの演説だった。
(介護の現実よりも本人の意思が中心の作品。タイトル通りかな)
綺麗に描きすぎでは?
若年性アルツハイマーという疾患を真正面からテーマに据えながら、あまりに綺麗に描かれすぎていると感じた。
監督のリチャード・グラッツァーは、ジュリアン・ムーアがアカデミー賞の主演女優賞を受賞した3週間後にALS(筋萎縮性側索硬化症)で亡くなったそうだが、(これは勝手な想像だが)自身も辛い闘病生活を送る中で、作品自体は現実ほどシリアスになることを避けたのではないだろうか。ただそれならば、この疾患を主題とした意味性が曖昧になってしまう。
同じ重い疾患をテーマにした作品なら、個人的には闘病者の葛藤と人間の本質を描いているという点で「博士と彼女のセオリー」の方が見応えがあった。
主人公アリスの知的な部分がちゃんと分かる。 最後までアリスがアリス...
主人公アリスの知的な部分がちゃんと分かる。
最後までアリスがアリスでいられているのか、家族との関係はさほど変わらないし、悲しみがあり少し現実的。悲愴感を前面に出さないところは好感が持てた。時系列が記憶のごとく飛んで飛んで、見にくいあたりはまあ演出なんだろうが、話を追っかけづらいです。そこに怖さとか悲しさとか感じはするが、リアル過ぎて辛い辛い辛いてなる。大きく泣くものではない良作ではあります。
賢いアリスが賢いままでいられるか、最後の愛という答えになんとなくホッとできた。記憶を失くしても、アリスがアリスでいる事を失くさないですんだ瞬間もあるんでしょうね。
しかし、そこだけ見せられてもな〜となる。やはり大きく取り乱す事なく病気を受け入れていて、途中にアリスの身に起こるであろう悲劇の場面を抑えて描いてる分、やはり物足りなさと言うか、こんなもんじゃねーだろと思ってならない。
誰にでも起こり得る悲劇
自分ならどうするかを問いかけられる映画でした。
テーマは若年性アルツハイマーです。
自分が病気になったら?自分が患者の家族だったら?
色々な事を考えました。
私には兄弟がいないのでよりテーマを重く感じました。
兄や姉の様に逃げる事は出来ない。
自分の人生を取るかorそれとも自分をここまで育ててくれた家族を取るか
難しい決断だと思います。
リディアの選択は勇気あるものでした。
私にはもしかしたらそんな勇気ないかもしれないです。
施設に預けたりせず家族として愛し続けるという選択は勇気あるものです。
そして自分がもしアリスの立場だったらアリスと同じ様に迷惑をかけたくないと思うと思います。
まだ力がある内に死を選ぶかもしれないです。
ジュリアンムーアの演技も素晴らしかったです。
知的なアリスから病気と闘うアリスそして抜け殻の様なアリスへの変貌は目を見張るものでした。
病気モノにしては感動よりも問いかけの多い映画だったと思います。
淡々としすぎていて少し眠くなりましたが良作でした。
追体験
アリスを追体験しているようでした。
実際のアルツハイマー病の方と接したことはないが、家族との関係性然りリアルな描写が多くて、寂しくもあり愛も感じられるものだった。
母や父のことを思わずには居られなかった。
貴方ならどうする?
若年性アルツハイマー発症。しかも、遺伝性。
本人の戸惑い、悲しみ、苛立ち、苦しみが丹念に描かれている。その凄まじさに戦慄を覚える。自分だったら耐えられるだろうか?
寄り添う夫や取り巻く子供達。
自分だったらどう対応するだろうか?どう寄り添えるだろうか?
シビアに問いかけてくる。夫婦で見ておいて良かった。
愛があります
ジュリアン・ムーアの演技の素晴らしさに感動です。本当に素晴らしいです。
物語としては、日本だったら病気の大変さを前面に押しだして泣かせるぞ~というカナシミの造りが多いんだけど、この作品にはもちろん病気が主体でありながらも、そのまわりの人々の優しさや愛情などをしっかり描いていて、それがエンディングの至高の一言に結び付けている。見終わった後からジワリと涙腺が緩んできた作品でした。
ジュリアン ムーアが上手い
泣かそうとしない淡々とした、リアルな演出は、好みでした。同じテーマの日本の映画があるけれど、こちらの方が役者も上手いし、カットもいいし、特にラストのジュリアン ムーアの台詞のコントロールは絶品でした。それにしても、美男美女の家族でした。
身につまされる
主人公と同世代の私にはリアルな問題。仕事にうちこんできた、子供も育て上げた。がんばってきて、さあこれからじっくり…と思っていたのに‼
『え?ここで終わり?』と思った方には、明日の記憶を見て頂きたいです。もっと悲しくなります。
主人公はともかく、家族の描き方が少々不満
若年性アルツハイマーを扱った映画といえば、日本の『明日の記憶』が思い出される。
あの映画ほどのドラマドラマした描き方はしておらず、好感は持てるものの、どこかしら物足りない。
抑制の効いたジュリアン・ムーアの演技は評価できるものの、やはりドラマとしての、というかとりまく家族の描き方がもう数ショット足りない感じがする。
それはたぶん、アリスの病変は個人的な若年性アルツハイマー病ではなく、遺伝性の、というあたりにあるのだろう。
一男二女のうち、長男は遺伝的に陰性、次女は検査を受けず。
しかし、永年、不妊治療をしてきた長女は、人工授精前に陽性と判断される。
崑人的には、とてつもなく大変な状況だと思うのだが、映画はそこいらあたりの葛藤をほとんどすっ飛ばしている。
たしかに、映画の主たるテーマは、知識(記憶を含む)を拠り所としてきたアリスの、その拠り所がなくなっていくハナシなんだろうけれど、それ以外にも、やはり家族の受け止め方って大きいだろうと思わざるを得ない。
そこいらあたりの描きかたが、どうも不十分と感じてしまいました。
stillの意味
原題は「Still Alice」です。邦題は「アリスのままで」です。ここでの「Still」は「未だ、今までどおり」という意味を採用しているのかなあと推測しますが、映画を見て思ったのは、「それでも(やはり)、なお」という意味での「Still」ではないかなあと思いました。記憶を失っても、これまでの彼女でなくなってもそれでもやはりアリスだった、というほうが、私の鑑賞後に抱いた感想に近いように感じました。
ジュリアンムーアは「めぐりあう時間たち」「エデンより彼方へ」辺りからお気に入りで、その後のアクション、サスペンス以外の出演作は大体見ています。この作品での演技はオスカー受賞にふさわしいものだったと思います。
優秀な研究者で、コロンビア大学の教員で、家庭を立派に切り盛りする主婦で、3人の子の母で、夫とも冷めていない、スーパーウーマンだったアリスが、若年性アルツハイマーに侵され、記憶を失っていく過程と、それを目の当たりにする家族の物語なのですが、スーパーウーマンからだんだん遠ざかってゆく過程が見事に演じられており、引き込まれます。
大学構内で迷子になるシーン、トイレが見つけられなくて失禁してしまうシーン、発病後のスピーチのシーン、自殺用の睡眠薬がなかなか見つけられないシーンなどが印象的でした。
過去の望みどおり、一線を越えたら自殺するという望みさえ叶えられないほど症状が進んだアリスでしたが、外側から見ている分には、なにも覚えていられなくなってからの彼女がそんなに悲壮ではなく思え、次女に本を読んでもらって受け答えをするシーンをみて、記憶や経験をそぎ落としても、アリスはアリスのままじゃないか、と思いました。ひと時限りであっても彼女を彼女足らしめる感受性のようなものは確かに残っていると思ったからです。
家族の対応も、興味深いものがありました。医者(研究寄りっぽい)の夫は精一杯アリスに寄り添っているつもりだけど、変化を直視できず、仕事に逃げる。
弁護士の長女はアリスのアルツハイマー病遺伝子を受け継いでおり、そのことでの絶望(?)と、自身が母になったこともあり、母への対応は優先順位が低くなった様子。
多分医学生の長男は学業優先で特に何もせず。
結局は、発病前のアリスにはその選択が認められなかった、大学に進学せず西海岸で役者をしている次女だけが、発病したアリスの気持ちを慮り、寄り添い、最終的にはニューヨークに戻って母の介護をするようになりました。
夫、長女、長男が愛していたのは、スーパーウーマンの妻・母であり、そうでなくなった彼女を受入れられない様子を感じました。次女だけが、そうではなかった。皮肉だなあと思いました。でも、そんなものかも知れません。次女が人格者だっただけで、普通の人は夫や長女と同じ様な対応になるのでしょうね。明らかにお荷物扱いしていましたものね。
そして物語に引きずられるように、次女を演じたクリステンステュワートがとてもいい俳優に思えてきました。先週「アクトレス」でも見ていて、重要な役を続けてみたせいでしょうけれども。絶対見ることはないと思っていた「トワイライト」シリーズを、、、、、、み、観てみようかしらとまで思い始める始末。
夫役のアレックボールドウィンもよかったですけどね。長女役の人は高慢ちきな感じがして(演技ですけどね)すごくいやな感じがしました。エリートでない妹を非常にさげすんでいる感じとか、いやでした。
とてもいい映画だと思いました。
正解はない。
評判通りジュリアンムーアの特にアルツハイマーが発症してからの演技は素晴らしい以外ない。
目の輝きまで変わったように思った。
発症後は本人よりも周りが辛い。その後何年、何十年と続く介護をどうするのか。
当方子供なしの夫婦で自分達に置き換えて考えると途方に暮れてしまう自分がいてる。
廃人の様になってしまうのでしょうか・・・
アルツハイマーって最後はあんな廃人の様になってしまうのでしょうか?
旦那も最初は素晴らしい事を言っていたけど、現実を目の当たりにすると、その通りには出来ないものなんですね。
彼女のスピーチが素晴らしかったです。
ジュリアン・ムーアが素晴らしい。知性を誇りにして生きてきた人間が、...
ジュリアン・ムーアが素晴らしい。知性を誇りにして生きてきた人間が、それを奪われていく様がリアル。出来過ぎた旦那もやっぱりそうでもなくて、一番関係の悪かった次女が側にいてくれるところもありがちだけど納得。あのスピーチを次女が聴いてないのがすごく残念だった。観終わった後しばらくボーッとしてしまった。
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