アリスのままでのレビュー・感想・評価
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身につまされてしまう。リアル!明日は我が身。
よかった
若年性アルツハイマーはつらい。僕も記憶が相当怪しいので、不安になる。あんなにジョギングをしていても病気になってしまうとは、何をしたらいいのか分からない。祖母が認知症でさっぱり意思の疎通ができなくなっていたけど、100歳だったので体が動かず徘徊もなかったのだけど、50代は気の毒だ。
50で子どもがみんな成人している人生はすごい立派だ。
【若年性アルツハイマーに罹患した女性の深い喪失感を見事に演じたジュリアン・ムーアの女優魂。アリスが病が進行した未来の自分自身に語りかけた事・・。】
人間の、変わることのない美しき根幹
コロンビア大学で教鞭をとる、知的で聡明な言語学者「アリス・50歳」が、遺伝性の若年性アルツハイマーと診断され、その病をどのように受け入れ、これからをどのように生きていくのかを、ジュリアン・ムーアが熱演する。
アリスが遺伝性の若年性アルツハイマーを発症したことで、
アリスの家族の関係性も変化を見せていく。
医師の夫・優秀な長男・結婚し幸せな夫婦生活を送る妊活中の長女アン・唯一安定の道を行かず、プロ演者を目指し劇団に所属している次女のリディアの面々である。
この作品にまず賛辞を述べたい部分は、俳優陣の演技力の高さだ。
ハリウッド映画ならではの無駄に派手なカメラワーク・驚くような音響効果は、ほぼ使われていないにもかかわらず、各役柄の心情がバランスよく、そして強く観る側に伝わってくる。
それは同時に、観る側の人生の置かれた環境によって、誰かの役柄に感情移入をしやすいということでもある。
これは、作品を観る者に問いたい現代の問題を、わかりやすく表面化してしまわずに、しかしはっきりといくつもの問題を伝えることに成功した稀有な例だと思う。
・認知機能の衰えは、本人は怖く、周りは哀しみを感じるが、生産性のない人間だからと自身の命を淘汰していいのか
・老いの無い、人生などあるのか
・人間は、いつを生きるべきなのか 過去?未来?今?
・人間の尊厳とは、いったい何なのか
・幸福とは、心の豊かさとは何なのか
・知性を失くしたら人間ではなくなるのか
・人間が人間である為に、必要なものは何か
すべての答えが、ラストシーンに詰め込まれていた。
リディアがアリスに戯曲を朗読し、
まるで子どもに聞くようにアリスに訊ねる。
「これは何のお話だった?」と。
アリスにはもはや、なかなか出てこない言葉を、
懸命にひねり出しリディアに返したその言葉の内容こそが
人間に唯一必要なものだと思う。
そして、言語学者であったアリスは、
身につけた知識である言語を失ってはいくが、
培ってきた家族の絆は失わずにいた。
人はやたらと幸せになりたがる。
しかし幸せとはいったいどのような定義で
決められるものなのだろう。
幸せとは、どんな定義にも当てはまらない。
そしてきっと、不滅のもの。
アリスがリディアの質問にようやっと答えたとき、
そしてリディアが「そうね」とアリスに言ったとき、
二人の間には親も子もなく、人と人だった。
それは限りなく美しい関係性にみえた。
そして、まるで夜空のように、
目を閉じても何かの模様が見えるように、
真っ暗闇は此の世には存在しない。
どんなときにも、見えるか見えないかくらいの
一寸の希望の光に私たちは照らされている。
これが認知症のリアルなのかもしれない
若年性アルツハイマーの恐怖。あんな症状、私にもいっぱいある、やばい...
重い、辛い、でも
家族のありがたみ、あたたかさというのはこういう悲しい辛い状況になった時にこそくっきりと表れてくる。
若年性アルツハイマーになり、日に日に老いていく母親を見守ることになったのは、意外にも一番疎遠に見えたリディア。彼女が最後のシーンで母親に読む話。それを聞いて母親が口にした言葉は、「愛」。
なんてシンプルなんだろう?
言語に携わり、普通の人間よりもたくさん言葉について知識があった母親が、その長年培ってきた知識も言葉もあっという間に失いそれでも、その「感情」は無くしてはいなかった。
喧嘩もすれ違いもあったけど、それでも、底の底ではつながっている。
何もかもを失おうとしていたアリスが最終的にたどり着いた所。
それは悲劇では、ないような気がする。
同じ50歳。
大好きなジュリアン・ムーア主演&オスカー受賞作なのに。
「若年性アルツハイマー」をどう演じるのか、何となく腰が引けてしまい見ていませんでした。
気が付いたら私も、アリスと同じ50歳。今見ずしていつ見る!。
最近どうも物忘れが多く、毎年作るクリスマス料理のレシピが思い出せないアリス。私もあるよ、そんなことしょっちゅう。
ホームドクターに行ったら「更年期障害」「閉経前後の体調不良」と診断されたけど。専門医の判断は「若年性アルツハイマー」。
言語学者が言葉を忘れてしまうのは、ショックが大きいでしょう。
「家族を連れてきて」とドクターに言われても、家族に言い出せない。だっていつも元気で聡明なママなんだもん。
ランニングをしていて勤務先で迷子になる場面は、周囲がぼやけてアリスが置き去りにされてしまった気持がよく出てたし。
家の中でトイレの場所がわからなくなり、間に合わなくて呆然と泣いている姿。「介護」の始まりは、トイレが自分でできるかどうか。過去の経験上。
患者会でのアリスのスピーチ。原稿を読みながらマーカー線を付けていく作戦。「私は苦しんでいない、闘っている。瞬間を生きるのです」は拍手したけど。
終盤転がるように悪化していくさまは。ジュリアンの白熱した演技が物悲しかったなあ。ちょっとサスペンス調もあり。
夫役のアレック・ボールドウィン始め、家族の支えの大切さが唯一温かな印象でした。
救いは家族
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