「ドロドロしすぎていて混ぜられない。」海にかかる霧 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
ドロドロしすぎていて混ぜられない。
「海にかかる霧」見ました。
レディスデイ夜、劇場はオバ様とお嬢様で大盛況。
僕らが大好きな、韓国血生臭い系映画。
僕らが待ってた、韓国血生臭い系映画。
本編前のキャストからのメッセージは意味不明。出すなら最後だろ。
とにかく素晴らしい。特に、オープニングからタイトルがドンッのテンポの良さ。ちょっと説明的過ぎる嫌いはあるけど、そのタイトルまでのたった数分間でキャラクターと仕事を説明しきる手際。そしてタイトルまでの朗らかとした雰囲気から一転、ス〜っと出るタイトル一発、ここから始まる不穏なストーリーを暗示。からの船長が闇の交渉。そこから少し端的に話しが進む。端的にと言ったが、それでいいんです。それは、見てる側だけでなくて他の船員だってその状態を食らうからだ。
そして中国船から中国人を受け取るよね。そこから20分くらい後かな。船長がエンジンを切るじゃないですか。ここまでBGM的に使われてたエンジン音が無くなって、無音状態になるんです。痺れました。はい、余興は終わりという合図でした。
そこから始まる阿鼻叫喚の地獄は言わずもがな。人間同士の醜態の晒し合い。ただねー、もう少し残酷描写が見たかった。「悪魔を見た」「チェイサー」みたいな超グロ残酷描写を!!あと、これは韓国映画なんだ〜と感じさせる描写。撲殺です、撲殺。船長が機関長をぶち殺す場面は最大の見せ場でしたね。
全体を通してテンションは低め。終盤に一気の加速を見せる従来の韓国映画では非常に珍しい。そしてヒロインが生き残るラストも珍しいな〜と思っていたのも束の間、東方神起を絶望に突き落とすヒロインの選択。彼の心情を察するに、どうして君を好きになったんだろう?と言った所か。
総じて、傑作です。
ユチョンの演技が、キムユンソクに少し食われ気味だから東方神起ファンにはオススメできません。ですが、観て損は無いですよぃ。