ハイヒールの男のレビュー・感想・評価
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どっちも手にしてほしかった
主演の方はこれまでドラマでコミカルな演技を
見ることが多く、この映画のように繊細に
女性性を出せることに驚き感心した。
ストーリーは切なくて、初恋の相手でもあり
唯一理解し合えた親友でもあった彼が自殺して
救えなかったことへの歯がゆさや
悔しさ、罪悪感を抱え続けて
生きてきた刑事。
後輩が本来の自分への理解を示して応援してくれたのに、
どうにも理解者を失ってしまう星の元なのか。
これで怖くなったのかもしれない。
理解してくれる人は危険に晒してしまうかもと。
大切な人を守るために強く優しくなったが、それが彼の解放と並び立たないのが切ない。
本人の選択とはいえ。
両方出来ればいいのにな。
タクシードライバーさんが優しさを感じさせるのがほっとできた。
切ない
タイトルと紹介画像のギャップに興味を引かれ、内容を知らずに鑑賞。見ているうちにディープな話だったことに気づきました。アクションがめちゃ格好良い! 主役のジウクを演じるチャ・スンウォンさん、驚くほど美しかった!! いろいろな見方があると思いますが、ラストは切なくてやりきれない思いでした。それにしても敵役のホ・ゴン会長、ジウクのファンだと公言し憧れる様がかわいくて仕方がない。魅力的な敵役は良い映画の必須条件かも。★5をつけたいところですが、冒頭であれだけの強靭ぶりを発揮していたのだから、最後の戦いももっとスマートに描いてほしかった。
思ってたより深い内容
最初のアクションシーンから
これはスゴい映画かもしれない!と期待させます。
そこから、
性同一性と言う部分とバイオレンス(警察がやりすぎ)
な部分がマッチしてないような気がして、
勿体ないなぁと思うのだけど、
過去が少しずつ明らかになってきて、
彼の暴力的な部分は過去の償いと、
もしかしたら過去から受けて来た、
偏見への彼なりの対峙の仕方なのかな?と
思うと俄然ただの韓国ノワール、バイオレンス映画
ではなくて、
もっと深い映画なのかなと考えさせられました。
警察を辞める時の「お前が女装した時ウケたな」4とか
ヤクザの親分の弟の、女なんかになりやがって、
的な思想は今の差別的視線に他ならないなと
思えました。
にしてもチャスンウォンの演技が素晴らしくて、
最初からアクションシーンもスタイルが良くて
姿勢も良い。どんどん女性化して行く様も
繊細でとても良かったです。
過去が明らかになって行くのがもっと最初だったら
もっと入り込めたかもしれませんが、
良い映画でした。
ラストは自分の解釈からすると、
それで良いのかい?と言う気はしました。
これはすごい!!韓国映画の醍醐味
これはすごい。韓国映画は、予備知識ナシあまり期待しとらんでも見たらすごいやつたくさんあるが、これとそのひとつ。韓国映画の懐の深さ、独創と実現力、俳優さんの実力、そして本当に普遍的に心を打つ、人間の悲哀と多分神の愛を知るものならではの迫力、慈愛、プラス容赦ない暴力、超絶アクション。強い、強い、優しい、かっこいい。これはやばいです。最高。そして、中学生時代の2人がとても可愛いし、ジウク刑事の中学生子役が体型がっしりだが岡本圭人似で、ヤクザの弟の方はまるで大泉洋で、もう何が何だか。面白い。あっぱれです。大雨の中傘をさしての立ち回りも最高、チャミンも切なくてかわいい、この兄妹の可憐さは確かに人生賭けても助けたくなる。アシアナ航空カウンターの人も、タクシー運転手さんもそんな方たちも、ジヌくんも、みんな最高。LGBT とか、なんか物哀しい風な映画がよく学習用にありますが、この作品を見て考えたらよいよ。そんな気負いもなく、しっかり伝わる。深くて広い引き出し。
新感覚ハードボイルド
女裝が趣味の刑事というから、コメディかな?と思って観たが、笑いの要素もありつつ主人公のせつなさも伝わってくる面白い作品だった。韓国はLGBTに関して保守的と聞いたことがあるが、結構攻めた内容なのではないだろうか?
ラストはアジョシに似てる感じだけど、女裝でのアクションシーンになるとは!あれだけ筋肉質なのに線が細くて完璧なシルエットに脱帽。
主人公を演じたチャスンウォンは、終始格好いいのだが、格好良すぎて逆に面白いっていうか、コメディもシリアスもできる俳優だと思った。
ぼくが考えたさいきょうのLGBTQ(物理)
映像はロマンチックだしすごく真面目に丁寧に主人公のドラマを描こうとしてるのは伝わる。
でも異性装とトランスセクシャルと同性愛はそれぞれ別の要素なのに、ドラマ的には同一視されてる感じがして、そもそものプランニングがちょっと雑に感じた。
私も当事者でないのであくまで想像ですが、ヘテロな男だけど女装が趣味、女なのに男の身体を持ってしまって本来の自己を回復したい、男の装いのまま男が好き、とそれぞれのケースを想定すると一緒くたにはできないはず。
一番大事な要素はトランスなんだろうから、それ一本じゃダメだったのかなぁ…
結果的にMtoFかつ男性を愛する志向、は成立するけど、若い頃のエピソードからは女になりたがってる感が弱かったので、愛する男への想いと、すべてを捨てても女になりたい動機とが今ひとつ繋がらなかった。
幼い頃からこっそり女装していた、とか女装の自分を認めてくれる男と出会って恋した、とかやりようはあったはず。
結果的にはちょっと変わり種のアクション映画、というくらいの塩梅。
劇中に出てくるような「ニューハーフ」の人に取材くらいしてるかも知れませんが、出来上がったものはあくまでヘテロな人たちが保守的な世間に向けて作った話、という印象。今ならもっと深く掘り下げられたのかなぁ。
(そうなると当事者をキャスティングするのか問題もあるわけですが。韓国映画界ならやれるのでは?)
主演の俳優さんは長身で腹筋バキバキ、アクションもキレキレ、海兵隊出身のガチマッチョの役だけど顔が優しくて、女装にあんまり意外性はない。
仕上がりのキレイさ(観客の受け入れやすさ)を優先したのかも知れないけど、似合いそうだなーって人より、えっこの人が? って落差があった方が映画的にはアガる。
海兵隊上がりの最強の男→女装、の設定自体、その落差を狙ったものだろうし。。
それと邦題にもなってるハイヒール、せっかくなら履いた状態で闘う場面が見たかった。
厳密にはハイヒールでなくとも女物の靴、スカートにウィッグ、フルメイクで並みいる強者たちを圧倒する場面が見たかったな。。
たしかに動きづらいだろうし、身体的負担は大きいと思うけど、Perfumeだってハイヒールで踊ってるくらいだし、それこそ筋肉やトレーニングの出番では。
映像的にもそっちの方がカタルシスがあったと思う。
追記。
そもそもタイトルがハイヒールの「男」だった時点で誰が誰に向けて作っていたかは明確なんだった。
面白いんだけどモヤっとする
海兵隊アガりの最強刑事は実は性同一障害で、身も心も“女”になりたいと願っていたのだが…という物語。
主人公ジウクを演じるチャ・スンウォンの長身と長い手足を生かしたアクションは素晴らしいし、さすがは韓国映画という湿度の高いバイオレンス描写も良かった。
詳しいわけではないので、ハッキリとは言えないけど性同一障害をしっかり調べて誠実に描こうという意思は感じ取れるし、実際に“男性社会”の被害者としての主人公の性を時にコミカルに、時に繊細に描いている。
ただ、それだけにあのラストシーンをどのように解釈すればいいのか、モヤモヤしてしまう。
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