「デザイナーの目から観る今作」トイ・ストーリー4 iceさんの映画レビュー(感想・評価)
デザイナーの目から観る今作
上映されていた頃、「ウッディが女と逃げて仲間たちを置いてサーカス団みたいなとこで生涯終える」という前情報を見てから、ずっと避けてきました、
が、友達に「ボニーにウッディは愛されていなかったんだから、しょうがない」という意見を聞いて、ちゃんとトイストーリーファンとして目で見て確かめようと思って視聴。
まず久しぶりに見たオープニングのディズニーの塔。
・・・・・こんなチープやったっけ??( ゚д゚)
トイストーリー3のと比べると、夜から夕べにライティングが変更されてて、これがまず(のっけから)クソダサい。夕べに花火ポコポコ打ち上げるか?!城の上に虹のようにキラキラがかかる演出もライティング強すぎて目立たない。劣化してる・・・。
映像技術が進化してると評判は良いようですが、色々と違和感。
まずウッディがツヤツヤしすぎてオモチャの感覚がしない。目のドアップシーンとか、眼球になんの汚れもない。首と頭のつなぎめが、なめらかすぎて木のソレではない。動きもカクカクしてないからウッディってよりもはや人間に見える。
新キャラたちは楽しめた。でもカナダのバイク乗りさん(クラッシュする人)は、crush(突撃)とcrush on(片思い)をかけてるキャラだと思った。吹き替え版でここが伝わらないのは惜しい。彼は元の持ち主に1番クラッシュ(片思い)してるキャラだから・・(笑)
バズは「内なる声」を自分の音声ボタンと勘違い。でも私はここは1作目の思い込みやすいバズに原点回帰って感じで良かった。比べて、ウッディ・・・キミはフォーキィに終始執着していたね、自己投影して・・。
一作目でバズに「おもちゃだ!!」と言ったウッディが「ゴミじゃない!!!」と言い続けた結末が、
四作にきて「もうおもちゃとかゴミとかいいから旅立とうぜ!!!」になった感しかない・・。
(考えすぎるよりウッディも「内なる声」聞いたらどう?「あんたはオレの相棒だぜ!」って)
結局、足に書かれたボニーのマークも、アンディの意志も、どっか行きましたね・・。
他にデザイナーとして気づいた点、「モンスターユニバーシティ」でもやってましたけど「陰影だけで善悪/心のゆらぎ」を表現するのやめましょうよ・・・。
悪役の女の子ドールがまさにそれの多用すぎ。ライティングして良い子なのかな?影つけまくって悪役です!いやまたライティングして・・のくりかえし。技術が上がったとはとても思えない、細かく言えば1フレームで動かないとこが多すぎる。Mr.インクレディブルの時は細かく動きまくってたじゃないですか。
最後に、この時期のディズニーさん、「プーと大人になった僕」でもそうでしたけど、「主人公が自己投影して葛藤しながら霧の森の中歩く」のハマってたんですかね?
だったらプーさんの映画がこの主題を明確に語っていたでしょう・・
PS;クリストファーロビンという唯一の救い。
彼は大人になってもプーを思い出して探しにきてくれた。プーは捨てられたとも思わず待っていた。そこに大事なものがあったんじゃないですかね・・