劇場公開日 2015年1月24日

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「「未解決事件モノ」と侮るなかれ」特捜部Q 檻の中の女 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「未解決事件モノ」と侮るなかれ

2022年5月17日
PCから投稿

デンマーク映画って暗くてクセがあるよなぁ。
っていう偏見で見始めた。
未解決事件の再捜査って日本でも結構あるけど、
これもそんな感じかなぁ。
っていう偏見で見始めた。

画面は全体的に暗めな感じ。黒っぽく、青っぽい場面ばかり。
それゆえ、車のヘッドライト、檻の中のフラッシュライトが目に刺さる。
雪の中の少女の赤いドレスも印象的だ。

序盤、登場人物のバックボーンがほとんど描かれずに
物語が進むため「推理もの」として楽しむ映画なのかな、
と思わせておいて、実はそうではないところがこの映画のみどころ。
主役級も含めた全員の心理的緊張感を感じながら、
そして彼らが何を思っているか考えながら物語を進めるのが
正しい鑑賞方法だ。

映画の描き方にも、その辺はキチンと反映されている。
引きのシーンでは、だいたい物陰や人物の影からカメラを動かし、
不安定な印象を与えている。
会話のシーンでも、カメラ位置はローポジションから少し見上げる
ようにし、生理的な不安感や緊張感を与えている。
なので、犯人が「檻の中の女」を見下ろすシーンがより印象的に見える。

何故、カールは陽の当らない部署Qに配置されても捜査を続けるのか。
何故、アサドはこの部署Qに配属されたのか。
何故、女は理由も分からず5年も監禁されても正気を保てたのか。
何故、犯人はこんなにも大掛かりな監禁という復讐を選んだのか。

「未解決事件モノ」と侮って観ると味わえない面白さが
しっかりと描かれていました。

にゃろめ