ハン・ゴンジュ 17歳の涙のレビュー・感想・評価
全7件を表示
ヘル韓国の王女
近頃韓国について知る人が増えた。以前は日本人は韓国社会を知らないから、こんなエグイ社会派の映画を日本人が理解することなんて出来るはずない。
でも日韓関係が険悪化して、みんなが韓国社会の異常さや厳しさを話題にして知るようになったし、パラサイトがアカデミー賞をとったりして、格差のひどい社会だって言われたりして随分わかりやすくなったんではないかと思う。
例えば以前この映画を見た人なんかはなんでこんなもの作るんだ、見ていて胸糞悪い話で救いがないし、ひどすぎる。誰か親身になって助けてやれよ、とか言っていたが、そんなことを気楽に韓国人が出来るくらいなら、こんな映画を作る必要無い。
こんなに敵が多くて、外聞が悪くて親も見放すくらいに不運で、居場所もなくて、しかも若い女性を、ひとり二人や十人くらいの人が助けようとしたって、韓国社会では一緒に潰されかねない。よほど力のある人ならできるかもしれないけれど、そんな人は見栄っ張りだし利益のないことはしようとしない。日本人が見たら信じられない親たちとか、平気で相手を追い詰めたりとか、韓国人が見たら結構あるあるなんだと思う。
若い女の子がちょっとしたことで恥をかいたからもう生きてけないって死ぬとか珍しくもない。あんなに親しくしようとしてた友達だって怖くて逃げることしかできないのは当然なのかもしれない。
慰安婦のバアさんをかわいそうだと熱心に助けるのは、それで利益を得る市民団体に力があるから、協力することに不利益がなくて、晴れがましいことだとされてるからで、そうでないなら見向きもされないんじゃないだろうか。韓国だっていい人はいるし、むしろ情に厚くて面倒見がいいって言うけど、面倒な大勢の敵を相手にしてまでとかそんな人がいないのは、不買運動みててもわかる。
この監督のメッセージはだからタイトルについて考えるとほとんど出てる気がする。この子の名前はハンゴンジュで、漢字で書くと韓公主、韓国の王女ってことになる。この救いのない子が、こんな生きづらい生活してるのにきれいな歌声で歌って、どんなに生きたいと思ってるかって、どんなに理不尽な目に会っても生きようとしてるかって、そんな映画を作る。こんなことが現実に起こってるんだってことをとことんリアルに知らせる。
この映画を見た多くの人が苦しくなって、こんな社会を心底恥ずかしいと思って、それでも何としても生きてほしいと思う。そうしたら、せめてこの映画の中でなら、河に飛び込んでも泳いで生き残れるかもしれない。それは幻だけど、観た人たちのたくさんの心がそう願うんならこの子は生きれるんだよって話になる。
多くの勇者が守りたいと願う王女様になったとしたら、こんな国でもきっと生きていけるはず、とかね。
なんか現実よりさらに悲しくて虚しくなっちゃう事かもしれないけれど、、そーいう現実よりはずっとあったかい監督とか製作者たちの気持ちのほうを見てほしい映画だよ。
韓国の社会派映画ってみんな残酷でリアルで激しいけど、この映画はそこがちょっと違ってると思う。無理して作ったみたいだし。ホントに丁寧で良くできた映画だと思う。
予想通りどんより
何よりも映画として見てほしい作品。
この作品は実話を基にした映像作品であって、ノンフィクションではない。
痛ましい実話をもとにしているということはあまりにもわかりきったことで、そのことに忠実であるというだけでは映画としての存在意義は弱い。
しかし事件自体に対しても大いに雄弁でなければならないという意思が感じられ、この映画を見た者が事件の悲痛さに驚きや憤り、哀惜の念をあらたにすべきことも意図してはいる。
けれどもこの作品に施された伏線、事件を離れて創作されているフイクションの部分に注目したとき、ただ興味本位に事件を再確認することの無意味さ、無力さ、無神経さを理解したうえで乗り越えようという意思を感じる。
映画のタイトルは「ハンゴンジュ」であり、コンジュとは公主、王女のことになる。
抗うことのできない現実を、ただ受け入れるしかなかった人間としてではなく、そんな現実の中ですら魅力的でかけがえのない日常の輝きを放つ「人生の主人公。」
見終わったときに残るものはおぞましい人間性への嫌悪でも、現実への諦めでもない。
ただそれでも生きてほしい、生きたいという、悲痛で切実な心の渇きではないだろうか。
この映画を見終えた後、いつまでも繰り返し響き続けるコンジュの歌声を感じたすべての人には、単なる他人ごとではない生きることへの渇望が宿る。
ハン・ゴンジュ
韓国の国は、日本と違って、まず売春公認国で有るのを
頭に入れて、女性問題を考えなければならない。
殺人にしても、性犯罪にしても、韓国は、中国より酷いかもしれない。
何時も、何かと事件なり事故が起きれば、示談から始まる事。
警察も、これを当たり前だと思って上司の命令で話も終わらせる。
国家そのものが、闇に放り込む社会構造なので、弱い者と貧困者
は、何時も泣き寝入りから立ち直れない。
平気で、濡れ衣させられても構わない構造になっているので
他国の者が意見を書いたり、批判しても、カースト制みたいなものだから、国が法律を変えない限り事件物は、救えない国だわ。
映画に、出て来る主人公は、良く演じきっていると思う。
幼い子供から、平気で、ここの国は、グロイドラマでも台詞でも
平気で演じるので、映画的には、リアル過ぎて残酷な場面は確かに
多いのは確かである。
そして、韓国と言う男性優位の国であることを知らない人が見たら
全く面白くもないはず。
エロ映画を求めて見ようとならば、全く検討違いである。
韓国の闇を良く描いた映画に仕上がっていると思う。
ただし、結果も出ないままに終わるのは、この国らしい結末だわ。
実話をもとにしている映画は...
不覚にも・・・
全7件を表示