劇場公開日 2015年4月25日

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「クスクス笑いが結構ツボに嵌った」龍三と七人の子分たち スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0クスクス笑いが結構ツボに嵌った

2016年10月8日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

今まであまり北野武監督作品は見てこなかったので、他の北野作品と比較してどうなのかはよく分かりませんが、この映画はクスクス笑いが結構ツボに嵌って、単純に面白かったです。
北野武と言うよりはビートたけし色が強かったのかな?
たけしがコントでやりそうなネタがふんだんに盛り込まれていましたもんね、まあ爆笑とまではいきませんでしたが、終始楽しい映画でした。
でも何となくコアな北野武監督ファンからは支持されていないのも妙に納得、まあしかし北野監督にも息抜きは必要ですから、こう言う万人向けコメディで英気を養うのもたまには良いのではないでしょうか。
私のような北野ビギナー的な人も今回の作品でたくさん取り込んだことでしょうし、一石二鳥と言うことで・・・。

しかし昔気質な元ヤクザのジジイ軍団VS企業の皮を被った悪質現代ヤクザの対決は、別にジジイ軍団も褒められたものではないのだけれど、現代の悪質なヤクザモドキの陰湿な行動が妙に現代社会とリンクするところもあって、いい感じに感情移入させられつつ最後は痛快な気分にさせてもらいましたよ。
説教臭くなく高齢化社会の様々な問題を笑いに変えていたところが、いかにもビートたけしらしい笑いでしたね。
ジジイ軍団を正義の味方として描いていないのも、逆に好感が持てました、普通に迷惑ですもんね、このジジイ達・・・。

それにしても、親分の藤竜也と相棒的な近藤正臣の掛け合いが終始面白かったなぁ。
そば屋での顛末とか結構好きでした、でもそば屋のカツ丼もおいしいんですよねぇ。
まあこれはカッコ良くて渋い藤竜也を中心に据えたからこそ、成り立った映画でしたね、藤竜也が真面目にボケまくる意外性が最高でした。
7人の子分たちは近藤正臣と中尾彬以外は、まあいいとこ早撃ちのマックぐらいが目立っていたぐらいで、微妙にバランスが取れていなかったのは難点だったでしょうか、小野寺昭なんてドスベリしていたし・・・。

でも中尾彬があんなイジラレ役とは、イメージ無さすぎてちょっとビックリ、終盤は完全にコント要員で思わず笑っちゃいました。
その中尾彬の孫娘に清水富美加とは・・・もっと話に絡んで欲しかったなぁ。
敵役のボスに安田顕の配役も意外と良かった、思いのほか凄みがありましたねぇ、それでいて微妙にヌケている感じが結構好きでした。
ラストのはちゃめちゃな感じも良かったです、オチはもう一歩な気がしましたけどね、まあ北野ビギナーな私には最適な映画でした。

スペランカー