「.」ランダム 存在の確率 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。原題"Coherence"。小品な印象は否めないが、アイデア勝負の一作。ミラー彗星の接近を機にシュレディンガーの猫と呼ばれる量子力学上の理論に沿った並行世界もので、まるで精神疾患者の頭の中を覘いている様な物語。徐々に訪問者が増え、登場人物達がホームパーティーに八人揃う前後の畳み掛ける様な会話で展開される前半に、ブツ切りの編集も取っ付き難かった。よくよく考えると理論的に矛盾した様な描写や展開もあるが、それらを逆手に取った様な開き直ったラスト。導入部を乗り越えれば愉しめる。60/100点。
・箱に詰める際、8人がサイコロを振り三色のライトがあるとの事で、6の8乗×3と云う計算がなされるが、8人には順列が無いのでこの数字(計算)は明らかにおかしい。更にE.フォクスラーとクレジットされたE.バルドーニ演じる“エム”が倒れるシーン、他の演者七人が集まる部屋の右側にブームマイクが写り込んでしまっている。
・エンドクレジットで"Galaxies"という曲のライター・パフォーマーに"Laura Viers"と表示されるが、正しくは"Laura Veirs"である。他にも細かな綻びやグーフシーンが散見出来る。
・“エム”のエミリー.バルドーニ(E.フォクスラー)を始め、“ベス”のエリザベス・グレイセン、“ローリー”のローレン・マハー、“リー”のローリーン・スカファリア、“ヒュー”のヒューゴ・アームストロングと、実名に由来すると思われる役名の出演者が多い。
・製作費は50,000ドルで、同じロケ地を使い、僅か五夜にて撮り終えたと云う。決め科白以外の多くはアドリブによるものだったらしい。
・鑑賞日:2016年5月1日(日)