幕が上がるのレビュー・感想・評価
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日本映画界の宝
本広×喜安×平田の実力者達が演者の才能を開花させ傑作とも言えるほどの完成度に仕上げたこの映画は日本映画界の宝であり、希望でもある。恋愛も、派手なアクションも排除した形、つまり今のトレンドに媚びず、本気でぶつかっていくこの映画を世間が評価することができるかできないかに、これからの日本映画は懸かっている。これは映画の評価と共に、観る側の質も問われる名作であるのだ。この作品がもしヒットしなかった場合、将来作り手が映画の質で勝負したいと思った時にそれを誰も後押ししてくれなくなるだろう。良い映画を作ることのできる環境を日本に残せるかどうかは、この「幕が上がる」に懸かっていると言っても過言ではない。
淡く熱い青春に惹き込まれる
青春映画であり
そうでないとも言える
二度と戻らないあの淡い時
それは若くとも若くなくとも「今」なんだな、と
高校生も、大人も熱い
人生模様を描いた
”全年齢対応の青春映画”
いわゆるアイドル映画と甘く見るなかれ
実力派女優といわれる黒木華はもちろん、主演でご存知有名アイドルでもあるももいろクローバーZ、その他
それぞれの演技力が光っています
言い方を変えれば、主要キャストに水準の高い演技力がないとこの映画は立派には成立し得ないと言えます
しっかりと集中することができれば劇中の世界に惹き込んでもらえていることかと思います
そうして気が付けば作中の悩む若者達、大人達と自身を重ねて葛藤を抱くとともについ熱くなってしまっているかもしれません
大人はもしかしたら何か遠く以前に忘れていた懐かしい気持ちを思い出すかもしれません
同じ中高生の若い方々も、何か感じるかもしれません
主演するタレントに対する予備知識がゼロの人にこそ、ももクロ?それは誰?ぐらいの全然何も知らない人にこそ是非観てほしい
今や押しも押されもせぬ有名アイドルであるももいろクローバーZなのだと思いますが話は全くの別で
単に一本の、とある地方のある高校にいるそれぞれの人生をそれぞれなりに生きる人達の青春模様を描いた素朴な映画として、アイドルに全く興味がない人、興味を持とうとも思わない人にこそ是非観てみてほしい
とても爽やかな気持ちになれます
おすすめします
見なきゃダメだ!
この映画はアイドル映画であって、アイドル映画でない。
"アイドルが演じる映画"であるけど"アイドルを見せる映画"ではない。
実際ももいろクローバーZの五人も立派に役者として演技をしています。
吸収力がすごいんでしょうね。"順撮りマジック"なんて聞きましたが、
今話題の黒木華さんが登場したシーンからどんどん演技が上手くなっていきます。
話の内容は真っ直ぐな青春映画。
青春のほとんどを部活に費やした人にとっては、共感できる部分もたくさんあると思います。
本広克行、平田オリザ、喜安浩平、黒木華、ムロツヨシ…実は超豪華なメンバーが関わっているので、尚更「アイドルだから見ない。」なんてもったいない!!
色眼鏡を外したら、映画館に向かうべきです。そんなものかけていたら「青」春なんてよく見えませんから^ ^
【情報】主演のももクロに全く興味がない人たちが観た感想
映画『幕が上がる』を、主演のももクロに全く興味がない人たちが観た感想 - Togetterまとめ
いい判断材料になると思います。否定的なコメントも含まれているので。ここにリンクは貼れないので、ご自身で検索してみてください。
アイドル映画を超えている
ネタバレにもなりかねないので簡潔に言うとザ青春!っていうような映画です。
自分の高校時代や熱中したものを思い出しながら見ると本当に感慨深いものになります。
ももクロ好きでなくても楽しめますよ
ももクロファンでなくても楽しめる良作
『幕が上がる』を鑑賞。
ももいろクローバーZ主演で贈る高校演劇をテーマにした青春活劇。
高校演劇の大会は年一回。弱小演劇部のメンバー達は地区予選に敗退し、新たに部長となったさおり(百田夏菜子)は日々悩み続けていた。
そこに現れたのは新任教師であり演劇経験のある吉岡(黒木華)。顧問になってくれるよう懇願するのだが…。
先日の「くちびるに歌を」に引き続いての学生青春モノであるが、間違いなく軍配は今作に上がる。
舞台も設定もそっくりな両作。
中学と高校、合唱か演劇という違いはあるものの展開に大きな違いはない。
今作のももクロはアイドルっぽさを封印し演技に徹している(当たり前だが)。そして意外にも(と言うと失礼だが)演技が良い。しかし「くちびるに歌を」も、生徒達は素晴らしかったのだ。
そう、言うまでもなく大きな差は生徒達を導く教師にある。
今作の黒木華は貫禄たっぷりで、グイグイ引っ張っているようで部員達の自主性を尊重し、モチベーションを高めている。こんな顧問がいて羨ましいと思わせるに充分である。
挿入歌が流れる場面とエンドロールではアイドル映画っぽくなってしまう点と、独白シーンの多用が少々ズルいと感じてしまう点は気になるものの青春モノとしてはかなりの出来。
個人的には終盤、大ファンである辛島美登里が出演していたのも見逃せないポイントなのだ。
青春とはなにか?を問いかける映画
この映画は演劇部の女の子たちの熱中時代が描かれています。
青春映画というと、若い登場人物の一瞬のきらめきを切り取ったものというイメージですが、この「幕が上がる」は、それだけに留まらず、主人公たちの未来、劇中劇、そして主演であるももクロ自身がもつ成長ストーリーが重層的に織りなす、遥か遠い人生の道程を感じさせます。
サミュエル・ウルマンという詩人の言葉にこのような一節があります。
「青春とは人生のある期間ではなく、
心の持ち方を云う。
薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな手足ではなく、
たくましい意志、ゆたかな想像力、燃える情熱をさす。
青春とは人生の深い泉の清新さをいう。」
この意味で、「幕が上がる」は、今まで誰も描けなかった、真の青春映画だと思いました。
本広監督らしいくだらないお遊びが邪魔に感じるほど、原作の力と登場人物たちの清冽さが素晴らしかった。
まだ春にもなっていませんが、おそらく今年見る映画のなかでNo1になりそうです。
胸の高鳴りが鳴り止まない
部活の大会やコンクール前のような高鳴りが、胸の裡で鳴り止まなくなるようなすばらしい作品だった。鑑賞後、胸が熱くなっていた。青春の楽しさ、儚さ、そして切なさ。それら全てを内包した瑞々しさ。とても良い映画なので是非観て欲しい。ただのアイドル映画と思うことなかれ。
ももクロファンでは無かったが映画として良かった!
ももクロファンではありませんでしたが、映画として観て良かったです。この映画には青春が思いっきり詰まっていました。
あの頃の気持ち、悩み、楽しさ等の感情が伝わってくるようでした。また、ももクロのファンの方であれば、映画の中にたくさんネタがしかけられているとのことです。
青春映画として最高でした!
「櫻の園伝説」を更新する傑作
まず何よりも、喜安さんの脚本が完璧。
もともと原作も素晴らしいのだが、
原作と比べて当然時間の制約がある中で、原作の世界観を全く崩さずに、いやむしろ研ぎ澄ましてさえいる。
高校生だった時を思い出す、というよりも
今の今、生きるかなしみとそれを越える喜びにふるえ、
繰り返し何度も観たくなる。
そして、
主演・百田夏菜子の演技が神がかっている。
とくに、黒木華と絡むシーンは圧巻。
おそらく本人の性格とはだいぶ異なるはずの「高橋さおり」を演じているのだが、
あれ?もしかして本当は高橋さおりみたいな性格だったのかな?
と本気で思わせるほどリアルな演技。
いやもうそれは、演技とは思えないくらい。ドキュメンタリーじゃないかと思ってしまうくらいのレベル。
サービス精神旺盛な本広監督らしい小ネタがあちこちに散りばめられているのはいつものことで、
ももクロネタの他に、本広作品ネタも仕込まれている。
これはまあ、プラスアルファの楽しみ。
唯一残念なのは、
劇中劇をもう少し見せてくれたらうれしかったのだが、
それは舞台のお楽しみ、というところか。
1990年の「櫻の園」が名作の誉れ高いが、
(私も吉田秋生さんの原作の大ファン)
「幕が上がる」はその伝説を更新し、新たな伝説をつくることになる
と、言い切ってしまおう。
ももクロ×本広×オリザ=王道アイドル青春映画
イケメンとの恋愛やスリリングな展開はなく
演劇部の彼女たちの心の模様や成長過程を丁寧に描写しています。
大きくグサっとささることはないけど映画全編とおしてジワジワさざなみのように心を震わされ、見終わると心地よい感動が残り、もう1度みたくなります。
そういった点で昨今のアイドルがキャピキャピしてるだけの映画とは異なり、昔のような良い作品のアイドル映画復興をめざす本広監督の思いがつまっています。
彼女たちと同世代には勇気や元気を与え、過去青春を過ごした親世代には懐かしさやセンチメンタルな気持ちを与えてくれます。
ファン向けの小ネタが随所に仕込んであるので、ももクロファンじゃない方が映画に集中しじっくり味わえます。。
涙の河
ももクロ好きの友人と見てきましたが、30過ぎのオッサン2人が周囲をはばからず号泣するという、かなりアウトな事態になってしまいました。
彼女たちを知っている人ならば、涙なしでは見られないと思います。
それくらい、メンバーと役の女子高生とがシンクロする部分が多かった。
後から加入するメンバーに複雑な思いを抱くしおりんとか、一人冷めた感じで距離を置こうとする有安とか、リーダー(部長)を引き受けてから苦悩する夏菜子とか。
そして、重要な局面での精神的支柱の戦線離脱と、そこからのメンバーたちの決意。
製作陣は原作の設定を変え、役を彼女たちに近づけたことで、ドキュメンタリー的なリアルさを出すことに成功したと思います。
ほかのグループでも、たとえ名優とされる女優でも、彼女たちのようにはこの役を演じられなかったはず。
彼女たちが歩んできたドラマがあるからこそ、それが換骨奪胎され、もう一つの感動的な物語が産み出された、奇跡のようなフィルムだと感じました。
まあ、当て書きだから、当たり前と言えば当たり前なんですが、それでもやはり自分はこれを奇跡と呼びたい。
どこまでもファン目線の意見ですみません。
自分にはとても客観的な視点で見られない映画でした。
ももクロに興味のない人がこの映画をどこまで楽しめるか、よく分かりません。
でも、自分が受けた感動は、ももクロを知ることで誰でも追体験が可能だということは請け合います。
この純粋青春映画を見よ!
いやあ、いいものを観ました。こんな青春映画がありうるんですね。
青春というものは、色んな要素でできている。恋とか、家族との軋轢とか、コンプレックスとか、友達とのすれ違いとか。そして青春映画はそれらをさまざまなバランスで織り交ぜ、その一つ一つをどのくらい丁寧に描き出すか、それらをどうまとめ上げていくのかという点でその独自性を主張する、おおまかにはこう言えるのではないでしょうか。
でも『幕が上がる』のアプローチは違っていた。この作品では、通常青春に付属するあれやこれやがすべて削ぎ落とされている。恋愛要素はなく、家族はみんな優しく、友達とも仲良く、富士山が見える田舎の風景は徹底してのどかだ。ではそこで青春に残されるのは何か。それは、「自分は何者なのか、そしてこれから何者になっていくのか」というその一点だ。作品全体が、この一点をめぐって展開される。
映画の舞台は高校の弱小演劇部。先輩が引退して残された部員たちは、なんのために演劇をやっているのかを見いだせないでいる。そこに現われるのが、黒木華演じる元学生演劇の女王だという新人教師。ネタバレになるので詳細は書きませんが、彼女が見せる演劇の迫力が部員たちに火を付ける。「自分たちはこれをやるんだ!」と行き先を見いだした少女たちが走り出す瞬間、ああ、胸が熱くなる。
この作品の特徴の一つは、演劇を題材としているという点。このことから必然的に、「言葉」というものが前景化することになる。シンクロ、吹奏楽、バンド、書道、どれも語るのは身体だ。でも演劇の場合、もちろん身体も重要なのだけど、それ以上に「言葉」がものを言う。作中で参照される宮沢賢治の作品をよりどころとして、部員たち、とくに演出を担当する演劇部部長のさおりは、青春に正面から立ち向かっていくための「言葉」を探り出していく。そしてそこで見いだされる言葉が深い!青春が本気を出すと、熱いだけでなくとてつもなく深遠なのだ!
青春にまつわる夾雑物がすべて削ぎ落とされる。これほどまでに純粋な青春映画がこれまであっただろうか。まさに一点突破、青春が青春たるその核心だけに狙いが付けられ、少女たちがそこを突き抜けていく。この爽快感は一体なんだ。そして喪失感。とうに失った青春をいまさらながら憧れる、この胸にくすぶる熱量をどうしてくれよう。なにより主演を務めるアイドルグループのももいろクローバーZ。この純粋青春映画はアイドルだから可能になったのだろうか。エンディングロールでキュンと締め付けられた心臓は、いまだに微熱を保っている。
黒木以外の脇を固める俳優陣もいい。ムロツヨシが醸し出すオフビートな笑いは映画に絶妙な間合いをもたらしているし、志賀廣太郎の口から流れ出す宮沢賢治の魔法の言葉は作品を奥行きをぐっと深めている。それにトラックに乗っていたあのガタイのいいおっさんは天龍じゃないか(あの滑舌の悪さは映画史に残るだろう・・・)。
いやあ事件です、いますぐ劇場に走って下さい。間違いなく、あなたの何かの幕が上がることでしょう。
清々しく温かさの残る映画です
試写で見ました。見る前は俳優経験の少ないももクロのメンバーの演技がどんな感じか少し不安もありました。ももクロファンなので多少贔屓目に見ている部分があるかもしれませんが、彼女達の演技は予想以上に自然で素晴らしかったです。鑑賞中所々で笑ったり涙したりしながらも中だるみせずに2時間があっという間でした。ももクロをよく知らないけど…、アイドル映画はちょっと…という方々が見ても楽しめる映画に仕上がっていると思います。
最高級のアイドル映画
初めに、この映画はももクロファンのためだけに作られたものではありません。ももクロを知らない方が観て邪魔になるような表現はありません。また、彼女たちがどれ程真剣にこの作品に取り組んだかはこのレビューの趣旨から逸れるので止めますが、クオリティーにも反映されていると思います。
それを断った上で、私はこの映画を「最高級のアイドル映画」と形容します。つまり「単にアイドル人気を売りにする」という意味ではなく、「演者の魅力を最大限に引き出している」という意味でアイドル映画という言葉を使いました。青春期の少女たちの輝きがテーマなので、「最高級」というのは単に映画としての評価でもあります。
この映画にはももクロの魅力が沢山詰まっています。今まさに青春期を駆け抜けて大人に変わっていこうとする彼女たちの刹那的な輝きを、真正面から、大事に、大事に形にしてあるのです。映像への繊細なこだわりや計算された脚本など、映画という手法でしか形にできなかった美しさだと思います。胸を打つ場面はいくつもありますが、いずれも「ここで泣いて下さいね」という押し付けがましさはなく、自然に、誠実に描いてあるのが良かったと思います。
今までももクロに興味を惹かれていなかった方も、この映画を観れば、なぜ彼女たちが熱烈な人気を得ているのか分かるでしょうし、好きになってしまうのではないでしょうか。私はどうにもこうにも、ももクロファンなので、大分ファン目線の意見になってしまったかもしれませんが、老若男女問わず楽しめる映画であることは間違い無いと思います。
観ようかどうか迷っている方は、騙されたと思って、是非映画館に足を運んで頂きたいと、強く願います。
今、ここを見つけた者の強さ。
もう少し頭が良かったら。もう少し容姿が良かったら。もう少しお金があったら。あのとき、違う選択をしてたら・・・。
この情報社会に生きる中で、いつの間にか誰しもが「ここではないどこか」に生きてしまっていて、自分がどこにいるかわからなくなるときがあると思う。
でも、自分が生きられる場所はひとつ、今、ここ、自分しかない。
この映画にはこの葛藤と気づきのプロセスがあるように思いました。そして、それはそれを知ってる彼女たちだからこそ、完全にハマり役だった・・・!
ライブの世界、演劇の世界。
彼女たちが映画のPRで全国行脚をするのも、この映画の一部ですね。
そして、映画館に現実に足を運ぶ人がいて、この映画が出来上がる。
オモシローイ!!!
少しでも興味があって、でも観に行くかまだ迷ってる人がいたら、そういう人にこそぜひ観てほしい!
今、観るのが一番いいから!笑
ちなみに家族4人で観に行きました。
ももクロファンの自分だけでなく、こどもたちも楽しかったみたいなので、そんな見方もオススメです。
奥さんは演劇を観たくなったって言ってました!
また舞台もぜひ、観に行きたいです。
青春映画の名品
アイドル映画として作られたものであることは間違いないです。
けれども、本当に、キラキラした青春映画でした。最初の30分程度はどうしてもももクロの印象が抜けない感じがしました。彼女達の演技力、初めこそはどうも違和感を感じていました。これが先ほど言っていたももクロの印象が抜けない感じってとこにつながっているんでしょう。しかし、ストーリーが進むにつれ、段々とこちらが見入ってしまう程に真に迫ってくるんです。ストーリに合わせた演技だったのかと思い、彼女達の表現力の豊かさに感心しました。
しかも、周りの役者さんが秀逸、今乗りに乗ってる黒木華(はる)さん、ユニーク俳優ムロツヨシさん、演劇部メンバーのほかの高校生役の子たち、みんながキラキラとしてイキイキとしてるんですね。おそらく、彼女達と他の役者さんの関係が上手くいっているからこそ、表現力がより良く見えているのでしょう。
アイドル映画といいつつ、まじな映画作ってしまってます。
むしろ、ちょこちょこと入れている彼女達の歌が、違和感になるくらいにいい映画に仕上がってますよ。
万人にお薦めできるあたたかい映画
私が初めて、映画館という公共の場において人目も憚らず嗚咽した映画が、本広克行監督の「サトラレ」でした。
そしてまた、本広克行監督の作品に嗚咽させられたのです。
本広監督作品にはつきもののコミカルな場面も健在で、地方女子校の演劇部
ろくに青春というものに触れることなく、気づけばもう40近い齢になってしまいましたが、「青春」とは「生きるということ」だと気付かされました。
私はももクロのファンですから、この映画に対する印象としてどうしてもももクロ側からのアプローチが入ります。
小道具や演出、ストーリーの一部さえもももクロと被ってしまい、それはそれでこの映画の「見方」のひとつであるには違いないのですが、正直ももクロを知らない人が羨ましい。
私も「原作平田オリザ、脚本喜安浩平、監督本広克行の青春ド真ん中映画」として観てみたかった。
本広監督は「この映画をアイドル映画だと言って敬遠されるのが悔しい」とおっしゃっています。
アイドルをキャスティングしておいてそれは、と感じる人もいらっしゃると思いますが、本当に先入観無しに観てほしい。
壮大なCGや驚愕のどんでん返しも無い。ヒーローが出てきて勧善懲悪という展開もない。
地方の高校生が演劇に打ち込む姿を切り取ったものです。
しかしだからこそリアリティの中に繊細な心の動きを見いだし、共感する部分が多くあるのではないかと考えます。
そして観終わったあとの爽やかな気持ちは、こうありたかったという願望や郷愁感も入り混じる切なさにも似ていました。
善も悪もない。破壊も暴力もないからこそ、老若男女、多くの人に愛されてほしい作品です。
最後スタッフロールをバックに流れる映画主題歌「青春賦」の歌詞が刺さりすぎて涙がとまりませんでした。
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