「アザーズ(製作者)に騙された」フィフス・ウェイブ cromさんの映画レビュー(感想・評価)
アザーズ(製作者)に騙された
原作未読、公開日に観に行った者です。『キック・アス』『キック・アス ジャスティス・フォーエバー』『イコライザー』『キャリー(2013)』などのクロエ映画を観てきて、今作はクロエ目当てで観に行ったが、終末SFサバイバル系の映画で、中途半端なストーリーと恋愛要素は避けて通れないのか。『ハンガー・ゲーム』などの若者を中心とした作品はライト層をメインしているため、コアな映画ファンは今作の出来は納得できないだろう。
ストーリーは、キャシー役のクロエ、ベン/ゾンビ役のニック、エヴァン役のアレックスの3人の場面が交互に映るため、キャシーが主人公ながらも、私は群像劇のように感じた。中盤から出てくる徴兵される若者の中でも、リンガー役のマイカ・モンローは目を引く。
戦闘能力は高く、男勝りでありながら、その肉体はセクシーで、精神も芯のある女性なため個人的に一番好きなキャラである。
特に賛否両論なのは、エヴァンの存在とアザーズの設定だろう。ストーリーも打ち切りENDで終わり、敵であるアザーズのデザインや宇宙船などを一切描写せずに終わってしまうため、アザーズの存在の薄さが感じる。また第4波でアザーズが人間に寄生し、誰が敵か分からない疑心暗鬼にさせるシーンもあるが、アザーズが人間に寄生したまま死ぬため、にどうしても人間同士の争いにしか見えない。エヴァンはその筆頭で、人間であり、アザーズでもある存在で、キャシーにつきまとう理由も大して意味がないため、蛇足に感じる。ただアクションのキレはアザーズであるためか、人を軽く放り投げたり、近接戦闘におけるアクションが頭一つ飛び抜けているため、人外と思わさせる。クロエファンの方は観るだろうが、私は記憶に残らない薄い映画であった。