杉原千畝 スギハラチウネのレビュー・感想・評価
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ちょっとフィクションが過ぎるのでは?
宣伝にもあったように、「誰も知らなかった杉原千畝」ではありましたが、外交官よりも諜報員がメインであったような描かれ方や、日本の戦争の結果を予測していた、などはちょっと虚構が過ぎ、かえって本来の杉原千畝さんの姿から遠ざかっているように思います。
それよりも、腱鞘炎になりながらもビザ発給を続けた事、ビザを2139枚発給した時点で記録を止めてしまった事(つまり、それ以上に多くの人命が助かった可能性が高い)、列車の中でもビザの発給を続け、列車が出発した時は群衆に向かった謝罪の言葉を述べた事など、史実として残っている話を描かなかったのは、なぜなんでしょう?
1番の名シーンになるはずのビザ発給の場面に、緊迫感が全く感じられないのも頂けません。
この作品で杉原千畝さんを初めて知った人は、これが杉原さんの本当の姿とは、思って欲しく無いですね。
それなのに、題字は「杉原千畝」そのままとは…。
色々な意味で、ちょっと残念な作品でした…。
誇りに思える日本人!
あの時代の日本人に、あんなに誠実で、心優しい人がお役人にいたなんて>_<
数年前、知人が自分の子どもの名前に千畝とつけて、読めないし、意味わからないし、と思ったら、立派な日本人から名前もらったんだーと言われ、気になり観に行きました。
システムだー、お金だーと毎日うねうね考えてる自分がちっちゃく思えました。
お金にならなくても、時間、労力を惜しまず、人のために動けた千畝さんの人間の大きさに感動しましたー>_<
「杉原千畝」を観て
本来のテーマからそれているような?
頭脳明晰な人
私だけでなく誰でも知っている「杉原千畝」と思い見たのですが、鑑賞後に見て本当に良かったと!小さい頃から成績優秀だったが、やはり先見の眼もあり鋭い。そして間違った道へは行かない。この人の生き方を見ていてはっきりわかった事、それは、幾ら大きくて強い組織で力を横暴に振り回しても、間違った方向性のものなら必ずいつかは滅びる。いつも冷静に私情を挟まず私利私欲に走らず生きれば、結果本人が望もうとそうでなかろうと大成を成し遂げるし又人からの信頼をも得ると。今の時代にも通じますね。そして、この人の奥様も素晴らしい。今の日本に比べて、平和でなかった当時の外務省役人に付いて行った奥様は覚悟も必要でどれだけ大変だったかと思えば、同じ女性の眼からみて尊敬畏怖の人です。最近読んだ本の中で著者が言うには「日本は年が上ならどんな人でも敬われ、逆に有能なのに若いという理由で(しかも大して地位も無いから)意見を聞いてもらえないのは残念な限り」と。関東軍やヒトラーの行く先が見えていたこの人の意見をもっと日本政府が聞いていたら敗戦はなかっただろうにと、この映画では見せています。劇場には予想以上に若い人達が多くて嬉しかったです。逆に、もし年配者は日本政府を批判されているようで嫌で少なかったなら高齢者が増える時代に寧ろ危機感さえ感じます。私も含め年をとっても頭を柔らかくシャープに感性を保てれば嬉しいです。
日本人の誇りかな、
映画で拍手、スタンディングオベーション
「杉原千畝」を観て・・
威風堂々
とても良い映画だった。
僕は、この人物を知らなかった。
海外の方が認知度が高いみたいで、彼の名を冠した道などもあるみたいだ。
彼の裁量によって救われた数々の命…その功績がなぜ日本では評価されなかったのか、その理由にも触れていて好感がもてた。
しっかりと、そこの理由も読み取れるようになってる。
だか、彼の生き様たるや…骨太なのである。
人間ってのは、ここまで強く、優しくもなれるものなのかと感嘆する。
スパイという背景があるかもだけど、何カ国もの言語を操り、決して諸外国に劣る事なく、怯まず。また、不条理な蔑みを受ける事もなく、彼の半生にこそ「人に優劣などない」と雄弁に語っているようだった。
そうだ。
この時代の人達は敗戦という十字架を背負ってはいなかったのだ。卑屈になる理由がない。
「世界は一つ」
そして
自分もその世界の中で生きている1人なのだと、観ながらに思えた。
世界はどんな風に転がっていくのだろうか?
その流転していく世界を見つめ、参加していく為にも「言語の壁」などはとっとと越えておくべきだと思えた作品だった。
唐沢さんの、真摯な人物への向き合い方に、感服した。
決して担ぎ上げられる事なく、しっかりと作品の中に根をはり、立ってた。
そんな印象を受けた。
折に触れて
満足
史実に基づいているので起承転結が薄いけど、まぁノンフィクション映画らしくてそれも良いかなと思いました。実際にビザを発給し始めるシーンのインパクトがかなり薄い印象を受けましたが、とても面白かったです。
杉原千畝
ペルソナノングラーダ
こういったわかりやすい媒体(映画)にしてもらうことで、様々な人が知ることができていいですね。
世界が知ってて日本人が知らないことは、まだまだありそう。
映画に関しては、残念ながらセットのお粗末さが冒頭から中盤まで気になった。もう少しなんとかならなかったかなと残念。
改めて勇気ある決断に大感動!そして戦後日本外交の大きな損失。
杉原千畝さんを初めて知ったのは、もうかなり前、関口宏さんの番組「知ってるつもり」。日本版シンドラーと紹介され、なんという勇気ある決断に、こんな日本人がいたのかと驚きと感動したのを今も覚えている。
外国の切手の肖像画に使われたり、外国のある通りの名前に使われた日本人はいるのだろうか、杉原さん以外にあまり聞いたことがない。
杉原千畝さんを演じる唐沢寿明さんが素晴らしかった。
また、あの再開のシーンは、目頭が熱くなってしまった。
ユダヤ難民を助ける上で、杉原さんが、最大のキーマンであるのは言うまでもないのだが、尺こそ短いが、本編でも登場する
二階堂智さん演じるウラジオストク総領事代理の根井三郎さんと、濱田岳さん演じる大迫辰雄さんの二人の日本人や、本土に着いてからも、杉原さんが発給したビザが引き継がれたことも忘れてはならない。
根井総領事代理が口ずさむ。
「人のお世話にならぬよう、人のお世話をするよう、そして、報いを求めぬよう」
後藤新平さんが制定した、杉原さん、根井さんの出身校でもあるハルピン学院のモットー。
同じ出身校の二人が・・・、なんという偶然なのだろうかと感動させられた。
根井さんにしてみても、直接、言葉でのやりとりがなくとも、旧知の杉原さんが発給したビザが、どういうものか、または、どういう思いなのか、全てを物語っていたのだろう。彼が乗船許可を出すのも、これまた、勇気ある決断だと思う。
また、本編を拝見して驚かされたのが、
杉原さんのインテリジェンス・オフィサーとしての情報収集能力と分析力。
確か、小日向文世さん演じるドイツ大使とのあるやりとりで、ことごとく、日本のこれからの起こるであろう出来事をズバリ推察していた所など、極めて優秀だったことが伺える。
こうした現場の優秀な外交官を持ちながら、処理、判断できない軍部による政府が、当時の最大の不幸だったかもしれない。
日本をより良い国にしたいと思う気持ちは、戦中だけでなく、戦後もあったと思う。だが、形は外務省を依願退職のようだが、本編でも助かったユダヤ人が、外務省に杉原さんを訪ねてきたときの役人の対応ぶりでも分かるとおり、ビザ発給の責任をとって辞めさせられたに違いない。あの冷遇ぶりは、人として腹立たしい限りだが、杉原さんのような外交官を失ったことは、日本外交の大きな損失ではなかろうか。
何故ならば、彼の優秀な外交能力は、占領された今後の日本の行く末、東西冷戦時の重要な外交交渉などに、遺憾なく発揮されたのでないかと思うからだ。
タラレバの仮定のことを言っても始まらないのだが・・、本編とは関係ない所ではあるが、なんか残念な気持ちになってしまったのも事実である。
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