「「スパイ・杉原千畝」は違うのではないでしょうか？」杉原千畝　スギハラチウネ　孔明さんの映画レビュー（感想・評価）

第二次大戦中のリトアニアで2,000人を超えるユダヤ人亡命希望者にビザを発行した日本人外交官・杉原千畝の映画。

対ソ連との外交で活躍し成果を上げた彼はソ連から恨まれてモスクワへの赴任の許可が出なかった。
仕方なく派遣されたのが欧州のリトアニアだった。
折しも欧州は西からナチスが政権を奪取したドイツが侵攻を開始し、動乱の渦へと巻き込まれる。
日本はドイツと同盟を結んで協力関係の建前だった。しかし、ソ連とドイツは欧州を分割する計画を企て、占領地域ではユダヤ人が迫害されて強制収容所へと次々と送られていった。

そして千畝の赴任先であるリトアニアはソ連領となる。やがて領事館は閉鎖されて千畝たちも退去せねばならなくなるのだが、そんな日本政府の発行されるビザで日本を経由して米国などの国へ逃れたいユダヤ人たちが日本領事館へ集まって来た。
本国はそんな難民である彼等へのビザの発給を認めなかったが、千畝は連日押し掛けるユダヤ人たちに独断でビザの発行を決めるのだった。

外交官として優秀だった千畝はまるで映画の中では「スパイ」のような扱いで大活躍するので、その分だけ千畝さんの奥さんや子供たちや家族との触れ合いの場面がカットされてしまった印象。
後、史実では息子さんを一人亡くし、奥さんの妹さんも亡くなっているはずなのだが、そういったことにも一切触れられていない。

ロシア人の協力者女性とのラブロマンスみたいな描写は余計だと思いました。