「余計な演出は要らない」杉原千畝 スギハラチウネ keitaさんの映画レビュー(感想・評価)
余計な演出は要らない
恋愛要素など、映画として必要と思われる要素を
製作サイドが創作しすぎている感がある。
*ロシア人との恋愛シーン
*ゲシュタポの拷問シーンなども歴史的裏付けあるのか疑問
*妻役(小雪)が浮世離れしている
*逃げ遅れた家族の描写
日本の歴史シーンでは原爆投下に意図的に触れていない。
モスクワで再開するところなど。
題材だけで十分感動できる話なのだから、余計なことしなくていいと思うんだよな。題材的に勿体無い気がした。
映画を作る側は創作したい気持ちもわかるが、事実に即したと謳うならば事実まっすぐ見て作品化してほしい。
制作側の見せたい創作を無理やり見せられている感じがする映画でした。もっと誠実に作品を作っていただきたい。
見識の狭さから創作扱いするのはどうかと……。
事実ですから、安心してください。
→白人との恋愛シーンですが、杉原はロシア人女性の
クラウディア氏と一度結婚してます。
→ナチスのシーンは、ユダヤ生存者の証言を基にしています。
1995年1月6日の中日新聞でジェリー氏が、
「横たわれ」との号令に間に合わず、立っていたユダヤ人をナチス兵が撃ち抜いたと告白しています。中日新聞のサイトでインタビュー記事も簡単に見つかりますよ。
→小雪(杉原幸子)の服について
故・杉原幸子氏は、著作『六千人の命のビザ』で生活に不自由しなかった事を強調しています。
ある程度知能がある方なら気づくと思いますが、
お金や圧力に負けてビザを発給したわけではないことを示す、だいじな演出です。
→実業家たちが逃げ遅れ、結果殺されたことは常識レベルじゃないんでしょうか。
奇跡的に生き残った切手好きの息子、ソリー(実在します)が
救護兵の顔を杉原に見間違えたのも白石仁章氏の『諜報の天才 杉原千畝』にあります。
ただ収容所内なので、外で雪に埋もれてたワケではないとは、私も思います。
→ユダヤ人がモスクワで杉原を捕まえるシーン
外務省を首になった後、1975年まで杉原はモスクワで貿易会社に務めます。日本に戻る前に、イスラエルの参事官となったニシュリ氏と再会しています。
・・・・・・外国人監督が日本人を扱ったからか、
国内外の資料からそうとう丁寧に「誠実に」考証されています。
よくここまで調べたなー、と歴史オタほど楽しめる、珍しい映画だと思いますよ。
こんな人生信じられない、
嘘に違いない、と決めつけるのは
日本人で唯一「諸国民の正義の人」を受賞した彼をおとしめる行為であり、
日本人として、とてもとても残念です。激動の人生を歩んだのが杉原千畝なんです。
勉強してくださいね。