「酷評すぎてビックリ」イントゥ・ザ・ウッズ アルテさんの映画レビュー(感想・評価)
酷評すぎてビックリ
まだ観てない方に言うならば、
⚫︎ディズニー映画として期待して観ない方がいい
⚫︎曲がいい
⚫︎ミュージカル映画です
ディズニー映画ということで観に行かれる方が多かったようですが、私は作詞・作曲かソンドハイムのミュージカル作品が映画化したということで興味持って鑑賞。
多分、酷評だろうなと思ってましたが予想通りw
正直、この作品はざっくりな話とメインの曲ぐらいしか知らなかったですが、ソンドハイムの作品はだいたいこんな感じ。最後が腑に落ちないミュージカル。だけどメッセージ性が強くて、何かもやもやと残って考えさせられる。ブロードウェイでの初演は1987年ということで、だいぶ昔の作品ですが人気のミュージカル。日本では2004年に宮本亜門さんが演出・振付でその年のミュージカル・ベストテンで第一位を獲得してます。
ディズニー映画求めてる人たちには、そら気持ち悪いだろうと思います。華やかでもないしwソンドハイム作品はブロードウェイミュージカルの中でもゆったりメロディで地味なのです。だけど壮大な曲で、メッセージがある。逆にそこがウリなので、ディズニーがよく参入してきたなという感じ。ロブ・マーシャル監督はこれまでミュージカルを映画化してきた人ですが、ちゃんとその作品の色やテーマを分かりやすく映像にしてくれていると思います。
私的には冒頭の掛け合いのナンバーでそれぞれのキャラが重なるハーモニーシーンなど、ミュージカルらしいシーンがうまくカット割りでまとまってて好きです。みんな森へ入って行き、何かが始まるワクワク感。
みんなが知っているいろいろな童話が入り混じりすぎてまとまってないとの意見も多数ですが、多分一つ以上混じった時点でそうなるし、まとまろうがどうでもいいですw
どう交わるのかが観たいので。一応一つの目的に対してみんな動いているし、それをテンポ良く観れたとは思います。一難去ってまた一難という展開も、先が読めなくて私は楽しめたかな。童話って子供に聞かせて、戒めだったり教訓を教えるために語ると思うので、そのテーマにあった主人公たちが交わって語り合いながら問題を解決していくという過程を観れて面白かったかな。
ラストのシンデレラとパン屋がそれぞれで唄うシーン。「絶対的な悪や善はない。決めるのは自分。だけどみんな一人ではない。私たちが側にいる。」と語りかけるナンバーでは涙しました。自分と違うものを認めることを訴えています。まあ、コレが言いたいが為のストーリーなのですが、人が一気に死にすぎてついていけない人もいるかもですね(^_^;)これは舞台ではどういう演出なんだろう?w
けっこうあっけない最期の人たちばかりだけど、結局人生なんてそんなもんなのだとブラックユーモアなのかなと。人が死ぬことに毎回意味を見出すなんて、そちらの方が違和感なのですから。
だからやっぱりディズニー映画らしからぬ作品ですw
確かに眠たい人が多かったようで、私の隣の席の方もイビキかいてらっしゃいました。それもソンドハイム効果ですw
だけど、韻を踏んでいたりシーンやキャラに合わせたメロディと詩の作り方に、ソンドハイムの凄さを感じました。これはCD買います。是非舞台版観たいです。
俳優さんというか、子役のジャックのダニエル君がどこかで観たことあるなぁと思ってたら、映画「レ・ミゼラブル」のガブローシュ君だったのですね。可愛さに加え凛々しさが出て成長したなぁとwまたミュージカル映画に出て欲しいものです。
笑ったシーンは王子二人が唄い合う川のシーン。ドヤ顔と切なさと愛しさが入り混じった面白いシーンでしたwあそこだけでいろいろ語れそう。
ということで、好きな人と嫌いな人がキッパリ分かれる作品に仕上がっています。ミュージカル映画やゆったりメロディが苦手な人、ディズニーや煌めくファンタジーをお求めの方は観なくていいと思います。