先生と迷い猫のレビュー・感想・評価
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I CAN DO IT!種明かしすべきでは無かった。
ライカ犬で無い。宇宙犬ライカである。
ストーリーが散文的で、一貫したテーマが無い。
色々な事を描き過ぎて、生活感が全く無い。
この人物と猫の関係と先立たれた奥さんの関係の時間軸が微妙にずれている。亡くなって1年くらいだったら、もっと不器用な生活しているだろうし、何年か経っていれば、三毛猫が居付く事を嫌がる習慣が今始まる訳ではあるまい。だって、CATDOORは奥さんが当該猫の為に作ったわけでしよ。それに彼はいつ退職したのだろう?子供はいないの?
つまり、生活感が全く無い。それで、締めくくりがそれでは、納得いかない。作り話丸出し。結局、猫の行方が分からぬまま。それは良いが、首輪をはめた猫ゆえ、居なくなったと言う事は、故意に殺傷されているからだ。それが現実。ほのぼのストーリーとは言えないと思うが。
君がそこにいるはずなのに、いないなんて。
そんな元校長先生の心の叫びが伝わってきて、胸がギュッと締め付けられました。
それぞれの名優の演技は見応えあります。さりげないのに、その人柄をぱっと表現する。
特に出色は、坂本すみ江さん。
あんな僅かな出番なのに、認知症の表情を的確に表現する。しかも、お元気な頃はどんなおばあちゃんだったかも想像出来てしまう。孫の「ばあちゃん、ご飯おいしいか?」の台詞、思い付きにぐっとくるのも、あのばあちゃんの表情あればこそ。
『アリスのままで』で、ムーアさんが評価されていたけど、(『アリスのままで』を観ていないから、比較は妥当ではないかもしれないけど)、日本にだってこんなに素晴らしい女優がいらっしゃるじゃないか、と思ってしまいました。
イッセー尾形氏の、大仰すぎる演技の中の繊細な表情も、じっくり堪能したくなります。
(この尾形氏の演技にふき出さずに、いつもの演技をする滝氏、嶋田氏、竹山氏、染谷氏達がすごい)
ラスト、小学生に手を振り払われた尾形氏の表情、妻と猫を思い出す元校長先生で締めて、余韻を残す。ここだけでもすごい映画を観た気分になります。
染谷君は、この映画の頃、立て続けに出演なさっていたけれどふり幅の広い役者さんですね。
他の方々はいつもの安定感。心地よく決めて下さる。
役者を観るだけでもいいかな。
ただ、物語としてはねぇ。途中で空中分解している感じ。途中までは良かったんだけどね。
「え?ここで終わるの?」
上記の尾形氏の演技は心に響き、余韻を残すのだけれど、気になる少年・少女の顛末とか、これからが今までのふりの回収の話になるのかなと、身を乗り出したところでいきなりエンドロール。
なんか放り出されたようで、もやもや感が…。
とはいえ、
嶋田さんが演じている工場の経営者の言葉には耳を傾けるべきではないかと思いました。
少年がカッターで猫を傷つけることを暗喩するシーンが凄惨
後半はひたすら猫を探すイッセー尾形の芝居を延々と見させられる。結局最後まで見つからないで終わりなのでストーリーものとしてもオススメできない。少年がカッターで猫を傷つけるのを暗喩するシーンがあるのでネコ好きにもオススメ出来ない。ハートフルものとしても冗長。原作ありなので仕方ないのかもしれないが誰をターゲットにしているのか意味不明だった。
イッセー尾形。
迷い猫と老人の物語。
ある日。猫がやってきた。
人懐こくて妻の仏前に座る。独り暮らしの生活に変化をもたらすことに。。。
猫が好きではなかった主人公だが、毎日来ていた猫がある日、突然来なくなり探すことになる。
そこから町中を歩いて猫と繋がりのある人達と出会い仲良くなる。猫をきっかけとして。
人は心のどこかで繋がりを求めている。
猫が出ているだけで心が和みます。
イッセー尾形の独特の演技がおもしろい。
【深川栄洋監督がノラ猫と元校長先生の穏やかな日々を淡々と描き出す小品】
派手さは、一切ない。ドラマティックな展開もほぼない。
が、今作は猫を愛し、猫に関わる人々の平凡な日常を実に”豊か”に描いている。
校長先生”森布”をイッセー尾形が飄飄と演じている。
そして、彼を取り巻く心優しい人々を
・染谷将太(小鹿祥吾)
・北乃きい(松川真由美)
・ピエール瀧(雑貨店店主・広川)
・もたいまさこ(森衣弥生)
・岸本加世子(井上容子)
が、優しい表情で演じている。
先生は寂しい生活を送っている・・。奥さんに先立たれ、子供はいないようだ・・。亡き奥さんが餌を与えていた猫が毎日現れる・・。
先生は、それを好まない。奥さんを思い出すからだ・・。
先生はちょっと気位が高く、それが理由で街の人達からも距離を置かれている。
先生の寂しさは募る・・。
そんな中、猫が姿を現さなくなり、気になった先生は猫を探し始める・・。
街の人達も猫探しに協力し始める・・。
<昭和40年代の「阿部昭」の数々の短編小説を読んだような気分になれる、静謐だが心温まる作品である。>
<2015年10月10日 劇場にて鑑賞>
繋がり
仕事を引退した校長先生は、友達のいない典型的な日本のおじさんです。穏やかな生活を送ってそうですが、毎日やる事がなくて人に必要ともされなくて、更にちょっと上から目線でクレーマー気質もありそうな感じ。校長先生を観ていると、本当は普通に人と繋がったり何かを大切に思いたいのでは?と感じました。今作は繋がりのきっかけを迷い猫で表現していましたが、きっかけは他にもたくさんあるはず。単身世帯の増加や高齢化社会のヒントになる作品でした。
近所であったちょっといい小話
伏線未回収でもやもや…実話が元と聞いたけれど、どこまでだろうと疑問に感じずにはいられない内容でした。
そんなにもハートフルで心も温まる話ではなかったので。
前半がかなり長ったるいのに終盤は「これで終わり!?」と驚きの終了。いきなりばっさり終わったのであっけに取られました。
今まで見た映画の中でno.1のびっくり終結です。残念。
謎の少年は?
ナイフ振り回してたシーンあったけど犯人なの?
少年が暮らしてる場所は一体何?孤児院?
最後、鈴の音が聞こえましたが、話の終わりに鳴らしたという感じで猫が帰って来たようにも受け取れませんでした。
猫を愛でるという感じでもないので、猫好きにとっても少し物足りないような。
「ノラ猫を無責任にかわいがるのを反対!」と思ってる人には、よくぞ言ってくれた!と思える内容だと思いますが。
役者さんの演技はいいなと思いました。
頑固な主人公のセリフ(パン屋さんに閉店を決心させるセリフと最後少年に言うセリフ)はとてもよかったです。
こういう系の映画にありがちな無理やり感動にもっていこうとしない感じはよかったです。
帰省の際、母から近所であったちょっといい話を聞くような感覚でした。
好きな映画
野良猫っていいな
いろんな顔があっていい
たくさんの名前があっていい
好きな時に好きなことがやれていい
気に入らなければどこかへ行けるからいい
みんなが心配してくれるからいい
高いところへ軽々と上がれるからいい
お風呂に入らなくてもいいからいい
野良がついても可愛がってくれるからいい
まだまだたくさんいいがある
だけど私は犬が好き
にゃんこよりイッセー
空前の猫ブームと言われる昨今。
映画でも、猫を飼う侍とか、猫を乗せてるタクシーとかとか。
本作は、猫にまったり癒される先生…とはちょっと違うんだな。
奥さんを亡くした元校長先生。頑固で偏屈で、近所から煙たがられている。
そんな先生を訪ねるのは、奥さんが可愛がってたのら猫。
最初は鬱陶しかったが、次第に気になり始める。
そんなある日、猫が突然居なくなり…。
埼玉県で実際にあったという猫失踪事件を基にしたハートフルにゃんこムービー。
居なくなったのは猫だが、これは奥さんの意味合いもある。
居なくなって初めて気付く大切さ。
また、猫を探しているのは先生だけじゃなく、近所の人も。
猫探しを通じて周囲の人たちと触れ合っていく。
確かにほのぼのとして優しい作品。ラストは思いの外しんみり。
でも、淡々としていてちょいと引き込まれる要素に欠けた。
後、勿論猫ちゃんの可愛らしさは拝めるが、あくまで主役は人。
猫ちゃんを可愛くたっぷり見たい!…という人には物足りないかも。
イッセー尾形の妙演はさすがの芸達者っぷり。
猫ちゃんは可愛かったが、イッセー尾形の演技を見てるだけでも楽しかった。
ラストが印象に残った!!
猫が映れば可愛いですが、怒りも興奮もなく淡々と過ぎていく中、独り身の寂しい時間にどう面白さを見出していいのかわからない映画でした。「愛感同一」が良かったです。ラストは寂しさ極まって印象に残りました。
たかが野良猫、されど野良猫
『猫侍』『ねこタクシー』etc. 猫&冴えないオッサンのコンビ映画が妙に目立つが、世知辛い今の世には適したユルさなのだろう。
猫の愛嬌が豊かなほど、相棒は不器用でしがない独り者がお似合いなのがセオリーで、今回のイッセー尾形は、その典型的人物である。
校長先生を定年退職した老人は妻に先立たれて今や独り暮らし。
頑固で偏屈な性格が災いし、町の近所衆からは煙たがれる始末で、専ら趣味のロシア文学の翻訳と写真に没頭する日々。
独りぼっちの古民家を毎日訪ねてくるのは、夫人が生前可愛がっていた野良猫ぐらい。
しかし、猫嫌いの先生は、猫を追っ払ってしまう。
先生が猫を邪険に扱うワケは、来る度に奥さんが死んだ事実を思いしるから。。。
思い出したくないけど忘れたくもない記憶を繋ぎ止めてくれる重要な役割を果たしているからこそ、猫の存在が歯痒く、背けてしまうのである。
だが、駄菓子屋の北乃きいや、美容院の岸本加世子etc. 他にも可愛がっていた人達と巡り逢い、姿を消した猫を探そうと集まったのを機に、《妻の死》と云う敬遠してきた現実と向き合うようになっていく。
1匹の野良猫を通じて、孤立化した老人が近所付き合いを始め、交流を深めていく構図は、年々、深刻化する老人を巡る地域コミュニティ問題に対する糸口を説いている気がして、変化する先生の背中が愛しく見えた。
終始、呑気な世界観だが、感慨深い人間味が溢れているから眠くならない。
《たかが野良猫、されど野良猫》
そんな言葉がお似合いの一本である。
では、最後に短歌を一首
『坂の風 のらりくらりと 追いかけて ポツリ縁側 焦がす相棒』
by全竜
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