先生と迷い猫のレビュー・感想・評価
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イッセー尾形に依存しすぎ
イッセー尾形の一人芝居に魅せられて、彼のファンになってからずいぶん経ちますが、映画の彼はエキセントリックな脇役がいいとこで、彼を主役に張って映画を一本撮ろうというのは、無謀な試みにしか思えない。
この座組で2本目ということらしいが、前作は見ていないので何とも言えません。
いわゆる「飼い野良」状態の猫をめぐっての田舎町での出来事を、ゆったりと描き出した作品で、ストーリーはほぼ無いに等しい。
引退した「元」校長先生が写真を趣味に、街を撮って歩くさまはまさに「猫」の生態そのものであり、地域のコミュニティと関係性を築いていく様子も、猫の行動になぞらえてのものだろう。その自由ぶりが様々な軋轢や、騒動をまき起こす。
いろんな名前で呼ばれている猫が、失踪してからの先生の狼狽ぶりがお話のハイライトで、どうやら先生は死んだ女房を思い出すのが辛かった様子。猫を拒絶したことがきっかけになったのではないかと、責任を感じている。そこから猫探しが始まり、仲間が生まれていく。
登場人物も、リアルにどこにでもいそうな存在感で、その街の共同体を疑似体験したような気分には、なる。
そこまでの映画で、どうにも解釈自由なラストがいかにももどかしい。観客不在の映画だと思う。
私個人の解釈は、疲れ切った校長先生が、自宅の上がりかまちに腰掛けて、猫と戯れる亡き妻の幻想に包まれて、そのまま絶命したように見えたが、はたしてどうなのだろう。
最後の鈴の音…聴こえますか?
ストーリーはみなさん書いてるので割愛します(笑)
僕は聴こえないのですが映画の感想の話の時に突然彼女が「最後の鈴が哀しい」的な事言い出してパニック!
ずっと鳴ってるらしいのですが僕には一回も聴こえません
ボリューム上げてもテレビの真ん前に移動してもまったく
皆さんは聴こえてますか?
彼女曰く「聴こえてるのと聴こえてないのではエンディングの意味がまったく違うと思う」だそうです
哀しいです
ちなみに50代半ば男性です
I CAN DO IT!種明かしすべきでは無かった。
ライカ犬で無い。宇宙犬ライカである。
ストーリーが散文的で、一貫したテーマが無い。
色々な事を描き過ぎて、生活感が全く無い。
この人物と猫の関係と先立たれた奥さんの関係の時間軸が微妙にずれている。亡くなって1年くらいだったら、もっと不器用な生活しているだろうし、何年か経っていれば、三毛猫が居付く事を嫌がる習慣が今始まる訳ではあるまい。だって、CATDOORは奥さんが当該猫の為に作ったわけでしよ。それに彼はいつ退職したのだろう?子供はいないの?
つまり、生活感が全く無い。それで、締めくくりがそれでは、納得いかない。作り話丸出し。結局、猫の行方が分からぬまま。それは良いが、首輪をはめた猫ゆえ、居なくなったと言う事は、故意に殺傷されているからだ。それが現実。ほのぼのストーリーとは言えないと思うが。
君がそこにいるはずなのに、いないなんて。
そんな元校長先生の心の叫びが伝わってきて、胸がギュッと締め付けられました。
それぞれの名優の演技は見応えあります。さりげないのに、その人柄をぱっと表現する。
特に出色は、坂本すみ江さん。
あんな僅かな出番なのに、認知症の表情を的確に表現する。しかも、お元気な頃はどんなおばあちゃんだったかも想像出来てしまう。孫の「ばあちゃん、ご飯おいしいか?」の台詞、思い付きにぐっとくるのも、あのばあちゃんの表情あればこそ。
『アリスのままで』で、ムーアさんが評価されていたけど、(『アリスのままで』を観ていないから、比較は妥当ではないかもしれないけど)、日本にだってこんなに素晴らしい女優がいらっしゃるじゃないか、と思ってしまいました。
イッセー尾形氏の、大仰すぎる演技の中の繊細な表情も、じっくり堪能したくなります。
(この尾形氏の演技にふき出さずに、いつもの演技をする滝氏、嶋田氏、竹山氏、染谷氏達がすごい)
ラスト、小学生に手を振り払われた尾形氏の表情、妻と猫を思い出す元校長先生で締めて、余韻を残す。ここだけでもすごい映画を観た気分になります。
染谷君は、この映画の頃、立て続けに出演なさっていたけれどふり幅の広い役者さんですね。
他の方々はいつもの安定感。心地よく決めて下さる。
役者を観るだけでもいいかな。
ただ、物語としてはねぇ。途中で空中分解している感じ。途中までは良かったんだけどね。
「え?ここで終わるの?」
上記の尾形氏の演技は心に響き、余韻を残すのだけれど、気になる少年・少女の顛末とか、これからが今までのふりの回収の話になるのかなと、身を乗り出したところでいきなりエンドロール。
なんか放り出されたようで、もやもや感が…。
とはいえ、
嶋田さんが演じている工場の経営者の言葉には耳を傾けるべきではないかと思いました。
少年がカッターで猫を傷つけることを暗喩するシーンが凄惨
後半はひたすら猫を探すイッセー尾形の芝居を延々と見させられる。結局最後まで見つからないで終わりなのでストーリーものとしてもオススメできない。少年がカッターで猫を傷つけるのを暗喩するシーンがあるのでネコ好きにもオススメ出来ない。ハートフルものとしても冗長。原作ありなので仕方ないのかもしれないが誰をターゲットにしているのか意味不明だった。
イッセー尾形。
【深川栄洋監督がノラ猫と元校長先生の穏やかな日々を淡々と描き出す小品】
派手さは、一切ない。ドラマティックな展開もほぼない。
が、今作は猫を愛し、猫に関わる人々の平凡な日常を実に”豊か”に描いている。
校長先生”森布”をイッセー尾形が飄飄と演じている。
そして、彼を取り巻く心優しい人々を
・染谷将太(小鹿祥吾)
・北乃きい(松川真由美)
・ピエール瀧(雑貨店店主・広川)
・もたいまさこ(森衣弥生)
・岸本加世子(井上容子)
が、優しい表情で演じている。
先生は寂しい生活を送っている・・。奥さんに先立たれ、子供はいないようだ・・。亡き奥さんが餌を与えていた猫が毎日現れる・・。
先生は、それを好まない。奥さんを思い出すからだ・・。
先生はちょっと気位が高く、それが理由で街の人達からも距離を置かれている。
先生の寂しさは募る・・。
そんな中、猫が姿を現さなくなり、気になった先生は猫を探し始める・・。
街の人達も猫探しに協力し始める・・。
<昭和40年代の「阿部昭」の数々の短編小説を読んだような気分になれる、静謐だが心温まる作品である。>
<2015年10月10日 劇場にて鑑賞>
繋がり
近所であったちょっといい小話
伏線未回収でもやもや…実話が元と聞いたけれど、どこまでだろうと疑問に感じずにはいられない内容でした。
そんなにもハートフルで心も温まる話ではなかったので。
前半がかなり長ったるいのに終盤は「これで終わり!?」と驚きの終了。いきなりばっさり終わったのであっけに取られました。
今まで見た映画の中でno.1のびっくり終結です。残念。
謎の少年は?
ナイフ振り回してたシーンあったけど犯人なの?
少年が暮らしてる場所は一体何?孤児院?
最後、鈴の音が聞こえましたが、話の終わりに鳴らしたという感じで猫が帰って来たようにも受け取れませんでした。
猫を愛でるという感じでもないので、猫好きにとっても少し物足りないような。
「ノラ猫を無責任にかわいがるのを反対!」と思ってる人には、よくぞ言ってくれた!と思える内容だと思いますが。
役者さんの演技はいいなと思いました。
頑固な主人公のセリフ(パン屋さんに閉店を決心させるセリフと最後少年に言うセリフ)はとてもよかったです。
こういう系の映画にありがちな無理やり感動にもっていこうとしない感じはよかったです。
帰省の際、母から近所であったちょっといい話を聞くような感覚でした。
好きな映画
にゃんこよりイッセー
空前の猫ブームと言われる昨今。
映画でも、猫を飼う侍とか、猫を乗せてるタクシーとかとか。
本作は、猫にまったり癒される先生…とはちょっと違うんだな。
奥さんを亡くした元校長先生。頑固で偏屈で、近所から煙たがられている。
そんな先生を訪ねるのは、奥さんが可愛がってたのら猫。
最初は鬱陶しかったが、次第に気になり始める。
そんなある日、猫が突然居なくなり…。
埼玉県で実際にあったという猫失踪事件を基にしたハートフルにゃんこムービー。
居なくなったのは猫だが、これは奥さんの意味合いもある。
居なくなって初めて気付く大切さ。
また、猫を探しているのは先生だけじゃなく、近所の人も。
猫探しを通じて周囲の人たちと触れ合っていく。
確かにほのぼのとして優しい作品。ラストは思いの外しんみり。
でも、淡々としていてちょいと引き込まれる要素に欠けた。
後、勿論猫ちゃんの可愛らしさは拝めるが、あくまで主役は人。
猫ちゃんを可愛くたっぷり見たい!…という人には物足りないかも。
イッセー尾形の妙演はさすがの芸達者っぷり。
猫ちゃんは可愛かったが、イッセー尾形の演技を見てるだけでも楽しかった。
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