Mommy マミーのレビュー・感想・評価
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軽やかにスクリーンで遊ぶ
なるほど去年のカンヌは、2人の恐るべき子供たちの軽やかな遊戯に賞を与えたのか……と妙に納得しながら、作品を観る。
一歩間違えば、見るも無惨なことになりかねない画面も、精緻に構築され美しく意味をなす。なんて贅沢な遊び。そして、そんな遊びを息を張りつめ観るのは特別な快楽。
施設入りは、仕方ない。
母親にしてみれば、それが希望なのかもしれないが、鑑賞後の率直な感想。
複雑な心境で、けっこうリアルな気持ちで鑑賞したが、普通の施設で、加害者になっていまって、追い出されたのに、一緒に暮らすのはちょっと無理だろう。母親もセリフで言っていたが。
うまくやっていたかもしれないが、
隣人の協力にも限度があるし。
母親も働かなくてはならないし。
恐らく、かなりの自由が制限されるであろうけど、誰にも迷惑はかからない、命あってのことを考えると、S-14法案を発動させたのは、妥当な判断だと思う。
母親でさえ危なかったシーンもあったから。ましてや、自殺未遂も。賠償請求も脚下されるのだろう。
しかし、あの弁護士?何考えてんだか、あんなカラオケ店に連れて行くのはどうなんだろう。案の定の展開になりやすいことぐらい予想できるだろう。歌っている息子のチョイスした曲をウケないと指摘する前に、あんたのチョイスした店が間違いだろとツッコミ入れてしまった。
ストーリーにあまりにも観入ってしまったので、正方形からの画面の変化は、あまり気にならなかった。深く考えなかった。
出演者は、かなりのリアル熱演!!力作!!
不思議な画法
話題の若手天才監督の作品を、初めて観ることができた。内容としては面白かったけど、監督の素晴らしさはまだわからない。
ストーリーは文句なしに面白い。3人の登場人物の誰ひとり自分とは似ていないけど、全員に感情移入もできる。画のサイズが独特だったのだけれど、これはADHDを抱える息子Steveの(心身両方で)視界の狭さを表現していてのちに広がるんじゃないかなと思ったのだけれど、もしそれが監督の意図であったのなら、一人称で語らない外から見る物語なのには合わない気がした。彼の視界ならば、彼の視点で描いて欲しかった。あとパラレルワールドの意味はどこにあったのか。いまいち活きていた気がしなかった。
ただ前と全然違うという評判だったので過去作も観てからもう一度判断しよう。
グザビエと言えば
多動性なんとか障害の少年とその母親の「奮闘記」。こう言ってしまうとなんだか教育テレビっぽい臭いが漂うのだが、多くの日本の観客にとってはそう見えてしまったのではなかろうか。
ここに出てくる母親の、その人自身の未成熟な姿に、多感すぎる息子を持ったシングルマザーへの同情は沸かない。キーホルダーをじゃらじゃらと必要以上に繋げているその母親の子供じみた姿は、おそらくカナダや他の欧米の観客の目には奇異なものとして映るに違いない。
ともに成熟を拒むこの親子の理解者が吃音に悩む元教師というのも、だからとても自然なことなのだ。この三人は、自分自身が周囲への壁を作っていて、そのために苦しんでいる点で似たもの同士だ。
ところが日本の観客にとっては、さほどに変わったところがあるようには思われないのではないだろうか。なぜなら、「かわいい」小物やアクセサリーで生活を飾り付ける大人は、日本社会ではむしろ普通の存在で、この母親への眼差しはむしろ共感を伴うものになるはずだからだ。携帯電話、バッグ、果てはわが子まで、「かわいい」記号で埋め尽くされた光景を思い出してみれば分かる。
グザビエ・ドランの斬新な映像云々といった評には感心しない。スローモーションで満ち足りた心象を表すことなど、まさにTVドラマ的である。特に近年のフランス語圏において、新たなスター作家の不足に悩む映画界が大きな期待を寄せるのは分かる。
だが、グザビエと言えばロマン・デュリスなのだ。温かみのある表現の中に、個人の力ではどうにもならない現実を描き出したセドリック・クラピッシュの3部作なのだ。
じわじわ映画
ADHDの16才の息子と、そのファンキーな母親、その向かいに住むメ...
「愛」でしかない
辛く苦しい母子愛
グサヴィエ・ドランの才能
きれいな映像、魅力的な主人公。。。
この監督がすきでやっと映画館で観れました
難しいテーマだと思います
母と子
主人公は障害はあるけれどすごく魅力的ですごく素直
まっすぐできらきらしていて、とても引き込まれます
母親も魅力的で母親であり女でありとてもセクシー
余裕を感じるし、とても空気の読める人物
お向かいのカイヤのいきさつがいまいちわかりませんでしたが
彼女が加わることにより加速するストーリー
家での3人のパーティ
最後の車に乗った後の空想のシーン
もし車を発車しなければこうなったかもしれない、
いろんな可能性や待っている未来
でも問題が大きすぎますね
最後の走っていくシーン
ガラス張りだったので亡くなったんですかね?
カイヤも引っ越すし、人生とはうまくいかないものですね
たくさんの母親からの愛を感じました
きちんと言葉にすることの重要さ
最高でなく特別なのだと
余韻。。。
期待外れ
パンドラの匣
スティーヴの痛々しい魅力
息子スティーヴの危うさは常に破滅を予感させるけど、音楽に合わせて踊る姿やスーパーのカートに乗って「自由だ」と叫びながら疾走する無邪気な顔を見ていると、正しい道へ進んで欲しいと強く願う母親の気持ちにシンクロせずにはいられない
障害を上手にコントロールできるようになって、大学に合格して、彼女ができて、結婚して、、、
スティーヴの施設入所を決めた母によぎる諦めた方の未来には胸が張り裂けそうになる
不器用で生々しい親子愛
生涯を通しての大切な作品。
凄い!! 25歳でこれが撮れるグザヴィエ・ドラン…って本当に凄い!
健常者の社会的なルールは、必ずしも誰もが生き易いとは限らない… この枠から外れた3人の登場人物が必死に生きようとする姿が、画面を通して皮膚に脳に心に染み込んできた。
内容だけでなくビジュアルも素晴らしい。1:1の画格は、アーティスティックでボラロイド写真を見るかのようで、どのシーンを切り取っても刹那的で美しい。
またハズしのファッションセンスも最高にCool !!
レオス・カラックスの再来という声もあるようだが、頷けます… しかしカラックスほどヘビーではなく、むしろライトに表現する現代的な感覚は、ガス・ヴァンサントやハーモニー・コリンに近いセンスを感じました。
『時計仕掛けのオレンジ』『カッコーの巣の上で』『17歳のカルテ』…精神を患った名作は数々ありますが、そんな作品にも匹敵するほど心に刺さる作品でした。
波長が合う人には生涯を通して大切な作品になると思います。
あの選択をした心情ついて
グザヴィエ・ドラン監督の第5作。
期待を裏切らないですね。
喜怒哀楽がほとばしり、生命力に満ち満ちた世界を堪能しました。
ごちそうさまでした。
なかなか言葉がまとまらずしばらく寝かせて感想を書いてます。
明るい画面と、正方形の画角
時々挿入される横長の画角。
oasisのワンダーウォールが流れる中、
スティーブが壁を押しやるような仕草をして、画面が広がるシーンに、突き抜けるような多幸感を感じました。
大好きなシーンです。
同じ役者を使うのが好きな人ですね。
でも、皆さんお上手だから、別の人に
見えますね。特にスザンヌ・クレマン。
私はロランスのフレッドと同じ中の人とは思えない。
スティーブをラストで病院に入れたきっかけは、スーパーでの自殺未遂が直接のきっかけだと思います。
だとすれば、ダイアンの願いは、生きながらえて欲しい、なのかなと思います。
自由を奪って管理された世界に閉じ込めてでも、長く生きていて欲しいということ?
でも、スティーブにとっては母のそばで母を守り愛していきたい、自由な世界にいたい、訳で。
ダイアンからは確かな息子への愛が感じられます。でも恐れと憎しみも時々滲んでいる。
スティーブは全身から母への愛を放出しているけれども、その愛は暴力的で支配的で常軌を逸している。若干性愛の香りもする。そこらへんの線引きが難しいのだろうけれど。しかし、笑った顔やワンダーウォールのシーンなんかを見ていると愛しい愛しい坊やにも見える。
カイラからも、また一言では言えない複雑な人間性が感じられた。
かいつまんで説明できない登場人物たちの多面性が、あの結末を選んだ心境を、幾通りも思い起こさせ、その全てが解釈として正しいようにも思います。
作り手が意図した、事象と心情のリンクを味わい、解釈するのが物語を味わう醍醐味の一つだと思うけれども、現実の出来事は事象と心情が簡単に読み解けるものではないです。
事象に対しての思いや狙いが、これこれこういうものですだなんてしれっと提示できるほど我々は単純ではないです。
病院に入れた後のダイアンの描写も、一人になった事を喜んでいるというか肩の荷が下りたような風にも思えるし、でも後悔も口にしているし、断言できるようなもんではないのだろうと思う。
その事を実感させられる映画体験でした。
私はまだまだ人間を学ぶ必要があるなと思いました。
病院に騙して連れて行く車の中で、おそらくダイアンが描いた希望の世界が、幸福そうで、たまらない切なさを感じました。
愛だけでは、どうにもならないのだなぁ、とおもいました。
私はロランスの感想と同じですね。
なんか今までとは少し違った感じ それに1:1の比率の画面が最高だっ...
Xavier Dolan 監督の現時点での最高傑作!
グザヴィエ・ドラン監督の作品は3作目の「私はロランス」を1年以上前に観ましたが、その後少し空いて、最近になってドバッと勢いで(!)観賞しました。
ドラン監督の心のどこかに多分、母親への満たされなかった愛と、それ以上に今になってだからこそ満たしたい愛情があるのだろうなと気づきました。
ストーリー展開と言い、使用している音楽のセンスと言い、もちろん映画としての質感や俳優陣の役どころなどどれをとってもドラン監督の最高傑作だと思います。( 敢えて内容には触れません。映画館で自身と対峙しながら見つめて観て下さい。)
【追記】
彼をゲイだからこそ素晴らしい感受性で映画を作成しているという方々がおりますが、それは見当違いも甚だしいというものです。ゲイでも無骨で感受性のない方々はたくさんいると感じますので。
中央席で観ることをオススメします
本編始まる前に約10分の監督についての思想や映像表現を解説するショートムービーがあります。ここで本作の映像では、インスタグラムのような1:1画面で個を表現しているという解説があります。
そうです。この映画は1:1の正方形画面なのです。だから、中央席で観た方が断然見易いわけです。
カナダ映画。ドラン監督は架空のカナダを作りだし、その中で、発達障害の子とその親と隣人が夫々問題を抱えながら求め合い展開していく。愛憎、献身、脱却。
甘えもなくシビアに接することでそこにリアリティが生まれる。
素晴らしく哀しく、感動した。
特に以下のシーンにグッときた。
・買い物カートを振り回し回るシーン
・ママの為に買ってきたのに!盗んだと疑いをかけられた、親子の葛藤シーン
・少年と隣人の葛藤。死んだパパの話しをする、いやなら黙りなさい。恐ろしく、お漏らししてしまう少年
・買い物カートを車道で突っ走り、僕は自由だーと叫ぶシーン
・その場に合わない曲を少年が歌い、周りにからかわれながらも懸命に歌うシーン。独り占めできないと歌詞で母に向かって。弁護士の男が横にいる。
・ラスト、ぼやけ効果を上手く使い、引き裂かれる哀しい感情を映像で伝えているシーン。
・車内。雨音。また母に捨てられる恐怖を感じ、逃亡。取り押えられ、息子と母が引き裂かれシーン
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