「粋な奴らが作った。」ズートピア rusqueさんの映画レビュー(感想・評価)
粋な奴らが作った。
今年の映画の中でダントツで、いい。
映画界の方が絶賛したのも、わかる。
しかし、意外にも周りで観たという人々の反応は、
さほどでもなかった。
私は感動屋でも、ピュアでも、ディズニー好きでもない。
なぜだ?
いや…だからか。
ゴッドファーザーや、ブレイキングバッドを観ていない方々は、この作品の良さを十分には分からないだろう。もちろん、子供はこの人間社会の細かな風刺が分からない。
ヨガをやる時に「オオぉぉぉ〜〜ん〜〜」って薄気味悪く言う大人をそれ程しらないし、
ああいうお喋りで親切な女に限って、裏があることもまだ知らない。
作品を観る中で知る事もない。なぜなら
この作品には「解説」がない。
そこが好きだ。分からない人に向けて野暮な解説をするようなセリフがないのだ。
分かる人は分かるし、分からなくてもいい。
作り手達のそんなラフさがなんとも粋だ。
周囲の共感の薄さに
この作品の良さなど、あなたには分かるまい。
と私の中のツンとした性悪女が鼻で笑った。
だが、どうも「分かっている事」が正しい訳でもなさそうだ。
差別が良くないと分かっている
正しい事が何かを分かっている
そんなウサギは、少し滑稽で、騙され、周囲を傷つける…
正しい事とは、正義をかざすこととは。
真っ直ぐなウサギを通じて、非常に考えさせられた。
欲を言えば、ウサギが警察官になるきっかけがありきたりで詰まらない。
そこでグッとくるような設定なら★5だった。
カールじいさんはグッときたな。
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