「孫と祖父の灯した明かり」独裁者と小さな孫 坂田亭さんの映画レビュー(感想・評価)
孫と祖父の灯した明かり
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今年最後の年納め一本。マフマルバフがやってくれた。どこまで、ぼくの寿命を縮めれば気がすむのか。『サイクリスト』で見せた滑稽さ、『サイレンス』の音色、『カンダハール』の苦しさ。全てが相まって“マフマルバフ福袋”とでもいようか、プレゼントしてくれた。そして、マフマルバフ作品の映像が、こんなに綺麗になってはズルい。独裁者と殿下という関係から、普通のおじいちゃんと孫の関係へと、とけ変わってゆく様は見ていて微笑ましい。が、その道のりで自覚させられる独裁者としての、独裁者の孫としての姿。どちらも、鮮明に生々しく描かれている。この傑作に出会えてよかった。
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