ナイトクローラーのレビュー・感想・評価
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¨ナイトクローラー¨が日を浴びる時
一言で本作を言い表すとすれば、キワモノ好きな覗き屋のバッドシンデレラストーリー。ルー扮するジェイクギレンホールの据わった目をした笑いがなんともたまらない。冒頭のシーンで、小銭稼ぎのために鎖を切って奮闘している姿が可愛いと思いきや、そこからどん底に成り下がる様(ルー的には成り上がる?)がものすごい。暗海を小さなエサを食べて泳いでたモンスターが、大きな獲物を食べて泳ぐように。。。 そして、ラスト。久方ぶりの日を浴びて、何かホッと一息したような顔で静かにサングラスをかける姿。鳥肌ものである。
どこまでやるんだこの人、、
怪演
"死肉"を喰らう狼に、自分がなった気分になった…。
アメリカらしい自己顕示欲で。
ギレンホール
どきどき
素晴らしい!
文句なしの傑作
映画史に残る悪役
承認欲求の塊
主人公は低学歴でまともな就職口を見つけられずにいる。ただし彼は、ビジネススクールや自己啓発書で勉強をしたかのような、人間観や処世術を滑らかに語り、他人の仕事の肝を的確に把握する勤勉で賢い人物である。
このような人物に与えられる物語は成功譚の他に考えられないだろう。そして本作もその鉄則からは寸分もはみ出てはいない。ただし、多くの観客のモラルに反する手段を積み重ねて、彼は成功を手にしていくのだ。
泥棒をして手に入れた品物を売り飛ばしている相手に、自分が勤勉で良く働くから雇ってもらえないかと売り込むのだが、その相手は「泥棒やってたやつは雇わない。」と当然のように断る。承服しかねたような顔をした主人公の男に、感情移入できる観客はいるはずもなく、早々にこの男への共感を禁じられたことを彼らは悟ることになる。
凄惨な事故の映像を売り込むテレビ局の人間相手に金額を交渉する彼は、金銭欲からというよりも自分の存在感や自分の仕事やの評価を高めたいことがはっきりしている。
年増の番組プロデューサーに、ビジネスの交換条件として男女の関係を迫ることも、自分の優位を相手に認めさせ、交渉のペースを作っているのは自分のほうであることを自他ともに感じることが大切なのだ。一昔前なら、この関係はプロデューサーが男で、上昇志向の強い女がそいつと寝るというのが物語の常套句ではなかっただろうか。このジェンダーとセックスのねじれが、物語の現代性を象徴していると同時に、この主人公の男のやっていることが少し前なら、「女の腐った」(この言葉自体が女性そのものを蔑視していることも含めて)のがすることだということを観客に示している。
このように映画は、この主人公への観客の共感を徹底的に排除すべくこの人物像を提示している。その試みが非常に上手くいっている。
我々が生きる社会の過度の承認欲求の根源に迫ると言って良い人物造形に戦慄を感じる。
ルー・ブルームのヒーロー映画
失敗してもめげずに、勤勉に粘り強く学べば必ず成功する。自分が正しいと思ったことをやれば、必ず成功する。自分が欲しいと思ったものは、必ず手に入れる。
有言実行。鋼の意思で遂行していく。
尊敬すべき人間の姿なのかもしれないが、彼の場合、「手段問わず」が入る。
狂気じみた気迫と執着心で仕事をするルーを演じるジェイク・ギレンホールに、思わず鳥肌が立った。
助手のリックがルーに放った「人間と考えていない」というセリフに対しての、ラストの応酬は、ルー自身の欠陥を肯定しているようなものだが、彼の自尊心はそれで満たされてしまっているのだろう。
このまま逮捕、もしくは危険な目に遭い死ぬかと思ったが、再びこのダーティーヒーローは野に放たれてしまう。凶悪犯が銃を持って逃走、なんてトピックよりも恐ろしかった。
カーチェイスのシーンはいままで観たアクション映画のどれよりも素晴らしい。
黒い爽快感
冒頭から犯罪を犯すなど頭のネジが一本外れていたジェイク・ギレンホールがパパラッチの魅力に取り憑かれ、さらに二本三本と外れていく様が素晴らしい
実際にはネットでの受け売りを並べているだけのクズだが、いつの間にか応援してしまいたくなる異常感というか非日常感
但し、実際にこういうクズがいる事を考えるとそれらがいつの間にか日常に思えてくる
深淵を覗くときナイトクローラーもこちらを覗く
好奇心は,ときに倫理観と道徳観をも超越してしまう.
人間の性を痛烈に捉えていると思います.
物語は,性根からのゲス野郎でありながら弁論に長ける主人公ルーが報道スクープ専門のパパラッチ「ナイトクローラー」に転身し,成り上がっていくという流れになります.
この映画の恐ろしいところは,どうしようもないくらいの悪であるはずの主人公ルーに,ある種の清々しさを覚えてしまうことにあります.
盗みもし,脅しもするが一流のショッキング映像をテレビ局に届け続ける姿はある種のプロフェッショナル魂を感じられます.
まさに,対岸の火事であるからこそ楽しめるということを如実に表現しているのではないかと思います.
映画としては,劇中音楽があっていないように感じられます.普段そんなに気にする部分ではないのですが,何となく浮いている印象を受けました.
首尾一貫した悪を堪能できる一本と思います.
リアルなサイコ
調子に乗った成り上がりが破滅する映画かと思いきや。安易に足を踏み入れた報道の世界で良心の呵責に苛まれるかと思いきや。
主人公はそもそも良心を持たないサイコだということが徐々に明らかになり、それでも最後には因果応報が待ってることを期待したら綺麗に裏切られた。
でも主人公に腹が立ってしょうがないのに、妙にさわやかな余韻なのはなぜだろう
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