「予想を裏切られて面白かった」ナイトクローラー 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
予想を裏切られて面白かった
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普通の人間が過激なことに手を染めて、精神的におかしくなっていく話なんだろうと決めてかかって観たが、そうではなかった。主人公のルー・ブルームは登場当初からサイコパスだったのが予想を裏切られて面白かった。
まず、フェンスやマンホールを盗んでスクラップヤードに売って生計を立てている時点で普通じゃない。そして、ルーの周りには親しい友人、家族、恋人、職場の同僚等が誰一人出てこない。そういった点から、彼がどんな生い立ちなのか、周囲からどのように見られてきたのか分かってしまう。彼の行動から、周りの人間は自分の駒だと思っていて、利用価値の有無でしか見ていないことが分かる。
パパラッチの仕事が儲かりそうだと判断して、業務未経験にも関わらず、すぐに無線やカメラを準備して事業にするルーの行動力やフットワークの軽さは凄い。個人事業主として始め、最終的には法人化しているので、そういった点は素直に尊敬する。悩むよりもとにかく始めてみる、純粋に利益を追求する、そして自分のやりたいようにやる意識が強い人間なので、起業には向いているのだろう。同種の起業家は一定数いそうだと思った。
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