劇場公開日 2015年8月22日

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「気分が悪くなる程のリアリティー、パパラッチを見事に"娯楽"映画に。」ナイトクローラー アルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5気分が悪くなる程のリアリティー、パパラッチを見事に"娯楽"映画に。

2021年12月14日
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鑑賞方法:VOD

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全てはルイス役ジェイク・ギレンホールに尽きる。これほどの怪演を見せられたら、言葉も出ない。物事の切っ掛け、ある種の才能の開花、そこからの成長。驚く程に淡々と、サイコパスな素晴らしい演技で、グイグイ惹き込まれてしまった。

タイトルで"娯楽"と書いたが、本当は"作品"と言った方が良いのかもしれない。ノンフィクションかと感じてしまう位に、あり得そうなリアル、、、なフィクション。"娯楽"とは言えない"作品"然としたサスペンス色の濃さ。

視聴者の知りたい欲求を建前にした、放送局の『独占放送と視聴率』、パパラッチの『スクープと報酬』。この大きな欲求に倫理観が問われるのだが、衝撃的な映像を前に"視聴者に置き換えた自身"も、本当はTVで何が見たいのか自問自答してしまう程。

相手を説得する力、スクープに対する行動力、その見返りでもある報酬の交渉力、先を視た用意周到さ。ジェイク・ギレンホールの大きな眼と、いつもより痩せた身体での圧倒的な演技に、惚れ惚れしてしまった。【ブロークバックマウンテン】で見せたワイルドさなど全く無いが、相手を圧倒する程の言葉にならない迫力をしっかり表現しているのも素晴らしい。

スッキリとも不完全燃焼とも言えるラスト。いっその事こと、、、とも思うが、こういう職業もアリと思える不思議なエンディング。もちろん、小心者の私程度では到底出来ない職業でもあり、ブッ飛んだ思考と精神が必要とも実感。報道の裏側、今日も実際に起きているであろう内容は実に興味深い。是非。

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アル