「予想外に面白い!狂気の人」ナイトクローラー 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
予想外に面白い!狂気の人
狂気のカメラマン。しかし、それは視聴者側が見たいもの、聞きたいことにしか目を向けないということへの皮肉とも言える。犯罪が過激であればあるほど、視聴率が上がる。
そういう我々が彼を非難するのは滑稽なことなのかもしれない。もしかすると主人公は、そうした罪の意識のないが醜悪な視聴者側を嘲笑っているのかもしれない。
事故現場や殺人現場を撮影し、自分の撮影したいように取るために真実を隠し、警察も手玉にとる。死者が出ようが一向に構わない、犯罪を伝える仕事だが、それ自体が最も醜悪な犯罪を犯しているという。狂気に満ちたメディアの裏側として描かれる。
主人公は、終始、イカれてる感が漂う。目的のためには手段を選ばない。人間のことがわからないのが、人間嫌いからくるものだったらどうする?と相棒にも言ってたのが印象的。
ピカレスク映画といっていいでしょう。最高の出来です。
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