「深淵を覗くときナイトクローラーもこちらを覗く」ナイトクローラー sus303s45cさんの映画レビュー(感想・評価)
深淵を覗くときナイトクローラーもこちらを覗く
好奇心は,ときに倫理観と道徳観をも超越してしまう.
人間の性を痛烈に捉えていると思います.
物語は,性根からのゲス野郎でありながら弁論に長ける主人公ルーが報道スクープ専門のパパラッチ「ナイトクローラー」に転身し,成り上がっていくという流れになります.
この映画の恐ろしいところは,どうしようもないくらいの悪であるはずの主人公ルーに,ある種の清々しさを覚えてしまうことにあります.
盗みもし,脅しもするが一流のショッキング映像をテレビ局に届け続ける姿はある種のプロフェッショナル魂を感じられます.
まさに,対岸の火事であるからこそ楽しめるということを如実に表現しているのではないかと思います.
映画としては,劇中音楽があっていないように感じられます.普段そんなに気にする部分ではないのですが,何となく浮いている印象を受けました.
首尾一貫した悪を堪能できる一本と思います.
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