「相変わらず…」バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) くーさんの映画レビュー(感想・評価)
相変わらず…
予告編で感じたようなエンタメ性はほとんどない。
よく考えれば、バベルの監督なのだから当然。シリアスに話は進んで行く。現実と幻想の間を行き来しつつ、悲惨さが増す中での逆転も脆いものに思える。
イニュリトゥ監督作品のいつものモヤモヤ感は健在。全くスッキリしないし、それだからこそいつまでも心にひっかかり、考え続けさせる苛立たしくも真実味のある作品になっている。
その根底には自意識に苦しむ人間を悲惨なものとして慈しみつつも嗤い、愛しながら軽蔑し、宇宙や自然のスケールからの達観に至らせる根本感情があるだろう。
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